
『ここに居たんですね。』とは、探していたものを見つけた際に発する言葉の一例である。
本記事では、ブルーアーカイブのキャラクター・小鳥遊ホシノの発言について取り上げる。
※このページはネタバレを含んでいます。
ネタバレ注意
本記事では、スマートフォンゲーム『ブルーアーカイブ』のメインストーリーの核心に迫る重大なネタバレ及び以下のメインストーリーの内容を含みます。
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概要
『ここに居たんですね。』とは、小鳥遊ホシノが梔子ユメを見つけた時に発した言葉である。
2023年3月8日に追加されたメインストーリーFinal 「あまねく奇跡の始発点」編 第4章「プレナパテス決戦」の連動イベント「PHT決戦」のストーリーにてホシノの台詞に挟まれる回想シーンで確認できる。
ホシノ
「あれは……『シロコちゃん』が絶対にしない眼差し。
でも、どこかで見たことがあって……懐かしい感じがしたんだ。
誰だったかな……似てる人が、いたんだよね。
うーん……
ああ……
思い出した。
(回想)
『ここに居たんですね。
まったく……探しましたよ、……ユメ先輩。』
……私と同じ。
(後略)
ここの台詞に登場するユメ先輩とは梔子ユメのことであり、梔子ユメは小鳥遊ホシノの先輩にあたるため「ユメ先輩」呼びがデフォルトとなっている。
画像がアップロードできないため状況説明がかなり難しいが、該当シーンは「原因不明の失踪をした梔子ユメの、砂漠の真ん中で転がっていた遺体を小鳥遊ホシノが発見する」というブルーアーカイブ史上屈指の重い展開であり、多くのユーザーが心を痛めたシーンでもある。
なお、明確に故人として登場するのは現在までで梔子ユメただ一人である。
(正確には小鳥遊ホシノや奥空アヤネも間接的に死亡シーンが描かれているといわれればいるが、別世界線の話なので……)
なお、このようにとんでもなくシリアスな展開にも関わらず「ここに居たんですね。」というワードだけが独り歩きし、果てにはスラングと化してしまうというコンテクストをフル無視したコピペが爆誕している。
コピペでは「ここに居たんですね、」「ここにいたんですね。」と表記揺れを起こしている。
背景
- アビドスの栄光と砂漠化
- 小鳥遊ホシノや梔子ユメが在籍している学校・アビドス高等学校は、かつては圧倒的な資金力と兵力を兼ね備え栄華を極めていたキヴォトス最大であり最も歴史のある学校であった。
しかし、数十年前に発生した大規模な砂嵐が原因となりアビドス地区のオアシスは枯れ果て、急激に地区全体の砂漠化が進行してしまう。
- 砂漠化に歯止めをかけるべく、資金投入を行うが一向に事態は好転することはなく、非情なことに借金だけが泡のように膨れ上がることとなり首が回らなくなってしまう。
- 昔のアビドスの栄光は見る影もなく、それに伴い多くの生徒は他の学園への転入や退学をしており現在のアビドス高等学校には砂漠化によって廃れた校舎と莫大な借金が(現在の借金は約9億円[1])残されていた。
- 二人きりの生徒会
- 現在(ストーリー内時間軸)より2年前は、アビドス高等学校には生徒会長の梔子ユメと当時1年生であり副生徒会長の小鳥遊ホシノ[2]を含め二桁人数[3]しか在籍していなかった。
2人は学校に残っている借金を返済してアビドスを再興させようと奔走する日々を送っていた。梔子ユメはお世辞にも頭が良い方ではなく(曰く「無鉄砲で校内で随一のバカ」[4])加えてお人好しすぎる性格につけ込まれ、頻繁に詐欺師に騙されたりトラブルに巻き込まれていた。その度に後輩である小鳥遊ホシノに助けられるというお決まりの流れがあった。
- 砂漠化によりアビドス地区は無法地帯と化していたこともあり、困っている人がいても裏切られるから手を貸してはいけないと小鳥遊ホシノが忠告した際に、梔子ユメは以下のような言葉を残している。[5]
-
ユメ
「疑念、不信、暴力、嘘……
そういうものを当たり前だと思うようになったら、
私たちもいつか、自分を見失っちゃうよ。
そうやってアビドスを取り戻しても、
それは私たちが思い描いたアビドスにはならない。
もし、アビドスに人が帰ってきてくれたとして……
そんな街になっちゃってたら……私は悲しいよ。
だからね、ホシノちゃん。
困っている人がいたら、手を差し伸べるの。
お腹を空かせたり、寒さに凍えてる人がいたら助けてあげるの。
うまく伝えられている自身は無いけど……
ホシノちゃんなら私が何を言いたいのか、分かってくれるよね?」
- 2年前の小鳥遊ホシノを知る空崎ヒナは「元々は好戦的で荒っぽく、鋭い印象だった」と語っており[6]、現在の小鳥遊ホシノを見るに梔子ユメの存在は後の人格形成に大きな影響を及ぼしている。
- 実際に砂狼シロコが雪降る中で野ざらしになっていたのを発見した時は手を差し伸べている。[7]
- 亀裂
- 幾ら二人が努力しようと現実は残酷であった。加速するアビドスの砂漠化と無気力な市民、溢れる悪党、失敗してばかりの生徒会長、そして自身の無力さに小鳥遊ホシノは憤りを募らせていた。ある日、その怒りが爆発してしまった小鳥遊ホシノは梔子ユメに対して強い言葉で当たってしまう。[8]
-
ホシノ
「こんな砂漠のド真ん中に、もう大勢の人なんて来るはずがないでしょう!?
夢物語もいい加減にしてください!
そうやってふわふわと、奇跡だの幸せだの何だの……。
もっとしっかりしてください!あなたはアビドスの生徒会長なんですよ!?
もう少し、その肩に乗った責任を自覚したらどうなんですか!」
- 梔子ユメから貰ったポスターを目の前で引き裂き、立ち去ってしまう。本人もこの現状に対する焦りから来る怒りだと認識していた、完全なる八つ当たりだった。すぐに謝ろうと再び生徒会室を訪れたがそこには梔子ユメの姿はなかった。
- これが、梔子ユメと交わした最後の言葉となった。
- 発見
- 原因不明の行方不明と梔子ユメを探すべく、小鳥遊ホシノはアビドス中を探し回った。
-
ユメ
「ごめんね、ホシノちゃん
電波がうまく@#$%
砂漠にいたら@#$%砂嵐に遭って&#@
ホシノちゃん……ごめんね
またコンパス忘れちゃった。
メモも残したけど、ここでも送るね
私の手帳は、あそこにあるから
ホシノちゃんもよく知っている@$^$%@#$
目立つ場所に置いたから、すぐにわかると思う
ホシノちゃん、私は」
- 最期に梔子ユメは、砂漠で砂嵐に遭遇したとメッセージに残している。
ここでいう「手帳」とは、梔子ユメが大切にしていたもので、表紙に「たのしいバナナとり」と書かれていたことからユーザーの間では「たのしいバナナとり」という名前で定着している。
(一応梔子ユメの遺品なのだが、何を思ったのか運営はこれを公式グッズ化している。鬼畜?)
- ここにいたんですね。
- まったく……探しましたよ。……ユメ先輩。
- 33日後に砂漠の真ん中で梔子ユメの遺体は発見された。死因は脱水による衰弱死だった。
- 「ここに居たんですね。」という小鳥遊ホシノの一言は、以上のような背景から生まれた言葉となっている。
- 「対策委員会」編 第3章10話の回想シーンでも同様の台詞が登場しているが初出シーンと若干言い回しが異なる。
- 梔子ユメの遺体を発見したという情報は、ゲヘナ学園の風紀委員情報部もキャッチしており空崎ヒナも知っていた。[9]
- そして呪縛
- 以降、小鳥遊ホシノは長い間、梔子ユメが遺した「呪縛」に囚われることとなる。
そして誰にも語らぬまま、ひとり苦しむこととなる。
- どうしてユメ先輩は死ななければならなかったのか……
- 手帳はどこにあるのか……
- ユメ先輩の言う「あそこ」とはどこなのか……
- 手帳には何が書かれていたのか……
以降のストーリーについては、記事の本旨から逸れることとなるためここでは割愛する。
気になる方は、是非ブルーアーカイブのメインストーリーを読んで欲しい。
関連項目
関連項目
脚注
- *「対策委員会」編 第1章4話「委員会の事情」 ホシノの台詞より
- *「対策委員会」編 第2章5話「それぞれの物語(2)」 アヤネ、第3章2話「招かれざる客」 ノノミの台詞より
- *「対策委員会」編 第2章5話「それぞれの物語(2)」 ホシノの台詞より
- *「対策委員会」編 第2章5話「それぞれの物語(2)」 ホシノの台詞より
- *「対策委員会」編 第3章4話「流れて行くものたち」 ユメの台詞より
- *「対策委員会」編 第2章11話「負け戦」 ヒナの台詞より
- *「PHT決戦」ストーリー、「対策委員会」編 第3章12話「対策委員会の始まり」より
- *「対策委員会」編 第3章10話「あの日」より
- *「エデン条約」編 第3章19話「私たちの物語」 ヒナの台詞より