なんでそんなことするんですか?とは、相手の行動に対する疑問を表現する言葉であるが、この記事では特にゲーム『ファイアーエムブレム 風花雪月』のシナリオに対して発言されたものを扱う。
発端となったのはゲーム系メディア「GameSpark」の企画記事「『ファイアーエムブレム 風花雪月』現役ベテラン教師に訊きました!あなたが一番担任したい学級は?」でインタビューを受けた「正島幸子先生(仮名)」の発言である。『ファイアーエムブレム』の登場人物およびゲーム関係者の発言ではないことに注意されたし。
この企画は、ゲーム内容については知らないベテラン小学校教員(教員歴33年)である正島先生が、登場人物の設定だけを教えられた状態で生徒や各学級についての評価を交えつつ、記事のテーマである「ゲームに登場する3クラスのうち、本物の教員が担当したい学級はどれ?」というインタビューに回答するものである。
さすがは現役ベテラン教師といったところか、設定しか知らない状態ながらゲーム既プレイの読者も頷ける的確な考察が展開される中、このインタビューは以下のようなやりとりで締めくくられる。
正島先生 (中略)でも、やはり3クラスとも級長になるような子はみんな優秀ですよね。この3人が手を取り合って協力するならこれ以上良いことは無いと思います。やっぱりゲームではそういう展開になるんでしょうか?
――なりません。後々この3人で戦争をして殺し合うことになります。
――本日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。
『ファイアーエムブレム 風花雪月』のシナリオは、当該記事でも解説されているように「士官学校編」と「戦争編」の2つに分かれている。「士官学校編」ではプレイヤーは3つの学級から1つを受け持ち、多くの生徒たちと交流を重ねることができる。そして「戦争編」では士官学校編で手塩にかけて育てた生徒たちを率い、他学級の生徒と殺し合う展開となる。上記の記事のインタビュアーが説明しているとおりである。また、どのような選択をしようがこの展開は避けられないし、3人が手を取り合える可能性は金輪際ない(少なくとも記事公開時点では)。一応DLC「煤闇の章」では3人の級長と同じ軍として指揮できるのだが、士官学校編のみのストーリーであるためやはり後の展開に変わりはない。
これらの情報の多くは発売前から発表されていたことではあるが、いざ発売してみると「どのルートを選び、誰を自学級に引き入れたか=誰と誰が敵対するか」というプレイヤーの選択にしっかり応えてくれてしまう膨大な量のテキスト(例えば引き入れた生徒が祖国に弓を引いて幼馴染や家族と殺し合う可能性があり、その状況に対する台詞がちゃんと用意されている)、ルートを変えて2周目を始めようと思えば必然的に前の周回で愛着の湧いた生徒を敵に回すことになるシステムがその要素を大いに引き立て、発売後には「地獄」「あまりに道徳心がない」といった感想が相次ぐこととなった。
(なお、これらは基本的に、悲劇の筋書きがプレイヤーの感情を揺さぶるほど真摯に描かれていることに対する褒め言葉の一種であるという点は留意されたし)
そのような中に現れたこのインタビュー企画。正島先生の「なんでそんなことするんですか?」は、愛情を込めた生徒たちを殺さねばならない運命にあるプレイヤーたちの「なんでそんなことをしなければならない(させる)んですか?」という心情を代弁するものとして話題となった。
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最終更新:2024/03/19(火) 16:00
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