グラフェンとは薄さが炭素原子一個分の厚さの薄膜高分子である。
黒鉛(グラファイト)と言えば鉛筆の芯でお馴染みの物質である。特にシャープペンシルの芯はほぼ純粋な黒鉛である。この黒鉛という物質、実は炭素が蜂の巣状に結合したグラフェンという物質が弱い分子結合で積層されて出来ている。黒鉛で字が書けるのは紙との摩擦でグラフェン間の弱い結合が剥がれて紙にこびりつく為である。グラフェンという物質自体の存在はかなり昔から知られていた。だが長い間グラフェン単体のみを取り出したり合成したりするのは困難だった。黒鉛が柔らかすぎるので物理的に取り出すのが困難であり、また結晶構造が密すぎて従来のPVD法やCVD法(原料を霧吹きのように飛ばして薄く堆積させるメジャーな薄膜作成法)が使えなかったからだ。
2004年、マンチェスター大学のグループが、意外な方法でグラフェン単体を取り出すことに成功する。それは黒鉛にセロファンテープ(スコッチ社製だった)を貼り付けては剥がし、剥がしたテープに別のテープを貼り付けては剥がしと、これを繰り返すことでついに電子顕微鏡でも観測可能なグラフェン単体を取り出すことに成功したのである。これは現在スコッチテープ法と呼ばれ、層状物質を薄く剥がしたいときにとりあえずやってみる方法として定着している。
たしかに粘着テープを使えばグラフェンを取り出すことはできる。ただしモノとして使うには小さすぎてしかも穴だらけだ。そこで工業的生産法を確立しようと様々な試みが行われた。
そんなこんな工夫をする内、科学者たちは銅がグラフェン製造に最適な触媒である事に気付いた。そして2018年、MITがロールに巻いた銅箔を引っ張り出して熱分解炭素に晒して固溶させ、冷えた銅箔表面に結晶化したグラフェンごとロールに巻き取る事で可視サイズのグラフェンの量産に成功したのである。
代表的なグラフェン製造法「スコッチテープ法」 | 2層グラフェンが条件次第で超伝導体に |
掲示板
1 ななしのよっしん
2019/12/03(火) 18:52:15 ID: 6iNUhU0fPV
グラフェンでAmazonを検索すると、衣類型ヒーターか高級イヤホン、3Dプリンター用フィラメントが出てくる。
https://
M.2 SSDの超薄型ヒートシンクというのもあるようだ。
2 ななしのよっしん
2020/02/08(土) 13:06:23 ID: 6iNUhU0fPV
https://
靴底にグラフェンを使用したシューズ登場。
3 ななしのよっしん
2022/07/26(火) 19:18:33 ID: 6iNUhU0fPV
https://
カーボンナノチューブよりもグラフェンの方が宇宙エレベータ建設に向いてると言う記事。現在主流のCVD法を改善すれば格子欠陥のない長大なグラフェンが作れるはずだと書かれている。
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最終更新:2024/05/03(金) 04:00
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