サガミックス(Sagamix)は、1995年フランス生まれの競走馬・種牡馬である。
父Linamix、母Saganeca、母父Sagaceという血統。
父リナミックスは1990年プール・デッセ・デ・プーランを勝つなど10戦4勝、GIで2着が4回あった馬。後に日本に輸入された父*メンデス(主な本邦での産駒にヴァイスシーダーやハシルショウグン)と同様に産駒は全て芦毛馬で、本馬も同様である。
母サガネカは25戦1勝だが、唯一の勝利が1991年ロワイヤリュー賞(GII)という馬。このほか1992年ミラノ大賞2着、1991年ヴェルメイユ賞および1992年サンクルー大賞で4着、1992年凱旋門賞で5着というGI入着実績がある。
母父サガスは1984年凱旋門賞などGI3勝を挙げ、1985年の凱旋門賞でも1位入線したが進路妨害で2着降着となっている。種牡馬入り4年目の1989年に早世したため産駒は数自体が多くなく、唯一のGI勝利産駒である*アルカング(1993年イスパーン賞、1993年ブリーダーズカップ・クラシック)も失敗に終わりサイアーラインは途絶えている。
現在は2歳GIにその名を残している名オーナーブリーダー、ジャン=リュック・ラガルデールによって生産・所有され、フランスを代表する調教師であるアンドレ・ファーブル師の管理馬となった。
3月14日にサンクルー競馬場の2400mの条件戦・イポリート賞でデビューし、Très Souple(非常に柔らかい)の馬場状態で行われたこのレースを3/4馬身差で勝利した。続く4月23日のマロニエ賞(条件戦・2400m)は不良馬場に相当するLourd(重い)の馬場状態で開催され、前走でデビューして2着だった*ドリームウェルにクビ差で勝利した。
*ドリームウェルはその後フォルス賞(GIII)で初勝利を挙げたのを足がかりにジョッケクルブ賞、アイリッシュダービーと連勝したが、本馬は秋まで休養し、次走はニエル賞(GII・2400m)となった。前走同様馬場状態はLourdとなったこのレースは*ドリームウェルが単勝1.9倍の1番人気、本馬は6.7倍で6頭立ての4番人気(カップリングがあるのでブービー人気)という評価だったが、リュパン賞を勝ってジョッケクルブ賞2着だった*クロコルージュが直線で先頭に立って後続をぐんぐん引き離していくところへただ1頭食らいついていき、ゴール前で交わすと1馬身半差で勝利した(*ドリームウェルは3着)。
こうなると次走は当然凱旋門賞となった。馬場状態はSouple(柔らかい)と過去3戦ほどでないにせよ重めの馬場で開催されたこのレースは*ドリームウェルと*クロコルージュ、当年のダービーステークスを勝った*ハイライズ、前走バーデン大賞で古馬相手に勝ちG1初勝利を挙げたドイツの3歳馬Tiger Hill、当年のパリ大賞馬Limpidなどの強豪が揃い、出走14頭中10頭が3歳馬というメンバーとなった。
当年のサンクルー大賞を勝った同陣営の4歳馬Fragrant Mixとのカップリングで単勝3.5倍の1番人気となった本馬は道中中団から追走し、先に抜け出したTiger Hillと当年のヴェルメイユ賞勝ち馬Leggeraを直線で外から一気に追い詰めるとゴール直前で2着Leggeraをクビ差で交わして優勝した。
無敗での凱旋門賞勝利は*ラムタラ以来3年ぶり史上7頭目、オリビエ・ペリエ騎手は*エリシオ、*パントレセレブルに続いて3連覇を達成した。
3歳時はこのレースを最後に4戦4勝で休養に入った。
4歳時は5月のガネー賞(GI・2100m)から始動した。本馬とペースメーカーのNorthern Quest、凱旋門賞で4着に終わった*クロコルージュ、前年のカルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬を受賞したとはいえ凱旋門賞では8着と大敗していた*ドリームウェル、前走アルクール賞(仏GII)を勝ったとはいえ前年のセントサイモンS(英GIII)で重賞初勝利を挙げたばかりのDark Moondancerの僅か5頭立てということもあり、本馬とNorthern Questのカップリングで単勝1.6倍の圧倒的人気に推された。
ところがレースでは稍重相当のBon Soupleと3歳時の4戦ほど渋らなかった馬場が良くなかったのかNorthern Questの2番手から直線で失速、他3頭に交わされDark Moondancerから7馬身差、3着*クロコルージュからも6馬身差というブービー4着に敗戦した。
捲土重来を期して臨んだ2ヶ月後のサンクルー大賞(GI・2400m)では日本から長期遠征し初戦のイスパーン賞で*クロコルージュの2着だった*エルコンドルパサー、中間にコロネーションカップで3着に入った*ドリームウェル、前々年に牝馬ながらドイチェスダービーを勝ったBorgiaらを相手に単勝2.9倍の1番人気となった。ところがここでもBon(良馬場)という馬場状態が災いしたのか直線で伸びを欠き、勝った*エルコンドルパサーの影をまるで踏めず、3着*ドリームウェルから短頭差の4着に終わった。
その後下半期は出走せず休養入りし、その間にゴドルフィンにトレードされてサイード・ビン・スルール厩舎に移った。非常に渋った馬場で*エルコンドルパサーとMontjeuが一騎打ちを演じた凱旋門賞に出走していたらどうなったかは何とも言えないところである(前年の2~4着馬は離されたとはいえこの年の3~5着を占めている)。
さて、5歳初戦はドバイシーマクラシック(当時GIII・2400m)となった。前走ドバイシティオブゴールド(当時は格付け無し)を勝った*ハイライズなどGIIIとしてはそこそこメンツが揃ったが、これが4歳初戦となった*ファンタスティックライトが3馬身差でレコード勝ちを挙げる中、見せ場すら作れず*ファンタスティックライトから17馬身差の9着に敗戦した。
続くコロネーションカップ(GI・12F10y≒2423m)では出走4頭中唯一のGI勝ち馬でありながら単勝7.5倍で最低4番人気という評価に甘んじた。2番手からレースを進めたが直線で伸びを欠き、勝った前年の英愛ダービー2着馬Daliapourから8馬身半差の最下位に終わった。
1ヶ月後のサンクルー大賞は本馬、前年の凱旋門賞馬MontjeuとそのペースメーカーStop By、前走シャンティイ大賞(GII)で重賞初勝利を挙げたばかりのDaring Missの4頭立てとなったが、MontjeuとStop Byのカップリング(1.2倍)はともかくDaring Missも下回る4.8倍の最低3番人気となった。しかしこのレースでもその評価を覆すことは出来ず、逃げて後続を引っ張ったStop Byを交わしたところであっさりMontjeuに差された上にゴール前でDaring Missにも差され、Montjeuから6馬身差、Daring Missからも1馬身差の3着に敗れた。
このレースがラストランとなり、通算9戦4勝で引退・種牡馬入りとなった。最も活躍した3歳時のレーティングは126と凱旋門賞馬の当年のレーティングの中ではかなり低い部類であるが、それ以上に3歳時に好成績を挙げたような渋った馬場で古馬になってからは一度も走ることが無かったという点でも真価が分からない感のある成績であった。
引退後はフランスとブラジルを行き来するシャトルサイアーとなったが、あまり成功出来ず2010年にイギリスに移動。更に2013年からはモロッコに移動した。産駒はGII2勝を挙げ2014年サンクルー大賞、2015年ロワイヤルオーク賞の2着などGIでも未勝利ながら善戦したSiljan's Sagaが気を吐いたくらいで全体的には振るわなかった。
近年の動向はあまりはっきりせず、フランス版Wikipediaにおいて2023年5月1日に死亡したという出典無しの記述があるくらいである。
| Linamix 1987 芦毛 |
*メンデス Mendez 1981 芦毛 |
*ベリファ Bellypha |
Lyphard |
| Belga | |||
| Miss Carina | Caro | ||
| Miss Pia | |||
| Lunadix 1972 芦毛 |
Breton | Relko | |
| La Melba | |||
| Lutine | Alcide | ||
| Mona | |||
| Saganeca 1988 黒鹿毛 FNo.11-d |
Sagace 1980 鹿毛 |
Luthier | Klairon |
| Flute Enchantee | |||
| Seneca | Chaparral | ||
| Schonbrunn | |||
| Haglette 1978 鹿毛 |
Hagley | Olden Times | |
| Teo Pepi | |||
| Sucrette | *ズクロ Zucchero |
||
| La Mirambule | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
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最終更新:2025/12/06(土) 03:00
最終更新:2025/12/06(土) 02:00
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