1969年3月15日生まれ。
元騎手で元調教師の武邦彦の三男で、弟(四男)は同じく元騎手で現調教師の武幸四郎である。親族に競馬関係者がかなり多い。1995年に元タレントの佐野量子と結婚した。
ちなみに武一族の出自は鹿児島の武家(薩摩藩士)であり、日本でも有数の競馬一族の出自であり、
西郷隆盛とは親戚関係。武豊は西郷隆盛の嫡男・寅太郎の夫人の叔父(父の弟)・武彦七の曾孫にあたる。
また、家系図をさらに遡っていくと禰寝氏という室町期まで大隅の国人だった氏族に行きあたるのだが、この禰寝氏を祖先とする人物には上原謙、加山雄三の親子、ねじめ正一などがいる。
騎手としては栗東より1987年にデビューし、当時の新人年間最多勝(69勝)を記録した。1988年にスーパークリークでの菊花賞勝利でGⅠ初勝利を上げ、2024年5月現在GⅠ級勝利はJRAで81勝、地方で33勝、海外で10勝を上げている。JRAでの通算勝利数は4500勝超で、2位の横山典弘(2024年5月5日時点で2944勝)に1000以上の差をつけるぶっちぎりの歴代1位。現在も記録を更新中のまさに生けるレジェンドである。
また、日本ダービー通算6勝(98年・99年・02年・05年・13年・22年)も2位にダブルスコア付けての歴代最多記録である。天皇賞は春秋合わせて14勝を挙げており、「平成の盾男」の名をほしいままにした。
実は日本ダービーは初勝利まで9度負けており、1998年にスペシャルウィークで制覇するまでは「武豊はダービーを勝てない運命」とまで言われていた。しかし初勝利を挙げてからは前述の通り最多勝利記録・最高齢勝利記録を持つまでに至った。
2019年菊花賞ではワールドプレミアで勝利を上げ、これで「昭和・平成・令和」三つの元号でGⅠ勝利を記録。また同レースの最年少勝利(19歳)に加え、最年長勝利(50歳)を記録した。さらに2023年にはジャックドールでの大阪杯勝利により、騎手のJRAGⅠ最年長勝利記録の記録保持者になった(54歳19日。それまでの記録は岡部幸雄の53歳11ヶ月27日)。なおこの記録は彼がGⅠを勝つたびに更新されていき、2023年のドウデュースによる有馬記念勝利時の54歳9ヶ月9日が最年長記録となっていたが、現在は2024年の日本ダービーで横山典弘が56歳3ヶ月4日で勝利したことにより第2位となっている。
このような彼をもってしてもJRA平地GⅠ完全制覇は成し遂げられていない。2021年終了時点での未勝利GⅠはホープフルステークスのみ(前身の「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」では5勝している)[1]
2歳GⅠを苦手としているようで、阪神ジュベナイルフィリーズは94年にヤマニンパラダイスで勝ったのみ、朝日杯フューチュリティステークスに至っては22回目の挑戦となる2021年ドウデュースで初勝利。
なお地方競馬のGⅠ/JpnⅠ競走は2019年にJBCレディスクラシック勝利で完全制覇を達成しているが、2024年より羽田盃と東京ダービー、さきたま杯(GⅢ時代には2勝している)がJpnⅠ競走となるため、こちらの未勝利レースも増える形になる。
現時点で唯一未勝利であるホープフルステークスは2017年よりGⅠに昇格したため、デビュー時の1987年時点で存在した平地GⅠレースに関しては全て制覇している。
スペシャルウィークやディープインパクトなど、後方からの末脚で一気に捲って勝つ騎乗は特に人気が高い。一方で、それと同時によくある批判が「ため殺し」である。これは後方待機のまま直線であまり伸びずに沈黙、または圧倒的人気の馬で1着に届かずというパターンを指す。
他の騎手でも同様のケースも当然あるのだが、スーパージョッキーであるが故に特に厳しく見られる傾向にある。
前述の差し追込とは対照的に、近年は逃げ・先行での勝利が多い。勝ちきれない馬を逃げ戦法で開花させることも得意で、脅威のハイペース逃げで席巻したサイレンススズカや地方GⅠ級競走を6連勝したスマートファルコン、GⅠ競走7勝(うち武豊騎乗時6勝)で顕彰馬入りしたキタサンブラックはあまりに有名。
短距離馬と思われたトウケイヘイローを折り合いをつけた逃げで距離をも克服させてみせた実績もある。体内時計の精密性の現れである。
2010年代も進んだ頃からは、要求される激しい追いを実現するパワーという点では地方出身者や若手に比してやや欠ける場面が現れる。年齢や、騎手としては長身ということもあり、筋力が要求される局面では不得手さを見せることも多くなってきた。
しかし騎乗フォームの優雅さや当たりの柔らかさで折り合いをつける技術は今なお絶大な腕前を誇り、かつて実力がありながら名うての気性難で実力を発揮しきれなかったイナリワンやステイゴールドをGⅠに導くなど技術は間違いなく超一流のそれである。特に道中で上体が全くぶれないそのフォームは世界中の騎手がお手本とするほど。2023年から公開が始まったJRAのGIのジョッキーカメラ映像でも、彼のものはまるでカメラに防振機構でも付いているのかと錯覚するほど揺れが少ない映像になっている。
だが、彼が何よりも騎手の代表格にいられるのは、実績はもちろんのこと、「他メディアへの出演頻度」「話術の巧みさ」という点で他を隔絶した実力を持っているからであろう。
バラエティ番組でダウンタウンや明石家さんまに遅れを取らずに話せる騎手なんておそらく彼か弟の幸四郎くらいなものであろう。演技のことは言うな。 さんまのナンでもダービーの特番でパネラーにゲスト出演した際に行われたポニー競馬でも、井崎脩五郎の予想を「井崎さんの(予想)をまず外してそこから」と切り捨てるなどの切れ味を見せている。なおこのレースには小島太、中舘英二、的場均、アラン・ムンロなど錚々たるメンバーが騎手として参加しており、「武豊も行ってこい」という声が出たとか出なかったとか。
また、競馬を世間に知ってもらうために上記のTVや雑誌は勿論、下記のようにゲームやパチンコの宣伝にまで出演し、「騎手といえば武豊」というイメージを確固たるものにした。
2018年には『ウマ娘 プリティーダービー』の公式プロモーターとしてCMに出演。同年放送のアニメでも本人役で出演し自身初のダービー勝利だったスペシャルウィークの日本ダービー回で解説として出ている。まさかアニメで自分のレースを語るなんて思わなかったろう……
そのため、ファンのお子さんから「ウマ娘のおじさん」と呼ばれて困惑していたとか。実際、ウマ娘のモチーフ馬の約4割に騎乗経験があるというのだから驚きである。
『ウマ娘』はその後、2021年に大ブームを巻き起こすのだが、ヒット後もクリストフ・ルメールと一緒に新CMに出演したり、親会社のサイバーエージェントの社長・藤田晋の所有馬に騎乗して勝利したりと、何かと関係は続いている。
騎手のため中央競馬の馬券は買えないが、プライベートで地方や海外に行ったときは度々馬券を買っている。が、全くと言って良いほど当たらないらしい。競馬を知り尽くしている彼でも予想となると一筋縄ではいかないようだ。また、馬券の買えない競馬界において競輪の人気は高いが、武もその例に漏れず車券をよく購入している他、同じ関西拠点の公営競技の選手として村上義弘などと交友があり、年末のKEIRINグランプリ関連を中心に、競輪に関するイベントや番組にも出演している。競艇に関しても往年のトップレーサー・植木通彦とトークショーで共演したことがある。
とにかく、競馬をよく知らない人でも武豊とディープインパクトとハルウララは聞いたことがあるくらい有名。
武豊が引退したら競馬人気は大丈夫だろうか。
西暦の下二桁のみ表示。 デビュー後に新設・格付け変更になった競走は変更年を入れてあります。
フェブラリーステークス(97〜) | 03,06,08,15,19 | 川崎記念 | 05,10,12 |
---|---|---|---|
高松宮記念(96〜) | 05,07 | 羽田盃(24~) | (未勝利) |
桜花賞 | 89,93,94,98,04 | かしわ記念(05〜) | 16,17 |
大阪杯(17〜) | 17,23 | 東京ダービー(24~) | (未勝利) |
皐月賞 | 93,00,05 | 帝王賞 | 05,09,11,14,16 |
天皇賞(春) | 89,90,91,92,99,06,16,17 | ジャパンダートダービー→ジャパンダートクラシック(24~) | 02,03,05,22 |
NHKマイルカップ(96〜) | 97,01,06 | マイルチャンピオンシップ南部杯 | 99 |
ヴィクトリアマイル(06〜) | 09 | JBCレディスクラシック(11〜) | 19 |
優駿牝馬 | 93,95,96 | JBCスプリント(01〜) | 04 |
東京優駿 | 98,99,02,05,13,22 | JBCクラシック(01〜) | 05,07,08,09,10,11,15,16 |
安田記念 | 90,95,09 | 全日本2歳優駿 | 03 |
宝塚記念 | 89,93,97,06 | 東京大賞典 | 02,03,07,10,11 |
スプリンターズステークス(90〜) | 90,02 | ダービーグランプリ(〜06) | 02,05 |
秋華賞(96〜) | 98,02,05 | ムーラン・ド・ロンシャン賞 | 94 |
菊花賞 | 88,96,00,05,19 | モーリス・ド・ゲスト賞 | 98 |
天皇賞(秋) | 89,97,99,07,08,17 | アベイ・ド・ロンシャン賞 | 99,01 |
エリザベス女王杯 | 01,02,03,04 | ジュライカップ | 00 |
マイルチャンピオンシップ | 12,13 | 香港ヴァーズ(94〜) | 01 |
ジャパンカップ | 99,06,10,16 | ドバイデューティーフリー(96〜14)→ ドバイターフ(15~) |
07 |
ジャパンカップダート→チャンピオンズカップ (00〜) |
01,04,05,07 | 香港カップ(88〜) | 15 |
阪神ジュベナイルフィリーズ | 94 | イスパーン賞 | 16 |
朝日杯フューチュリティステークス | 21 | コリアスプリント(16〜) | 17 |
有馬記念 | 90,06,17,23 | ||
ホープフルステークス(17〜) | (未勝利) |
太字はJRA顕彰馬
太字はJRA顕彰馬
代表的レース
ファンサービスも忘れない
中央競馬の三冠達成騎手 | ||
クラシック三冠 | 牡馬三冠 | ★小西喜蔵 | 蛯名武五郎 | ★栗田勝 | 保田隆芳 | 増沢末夫 | 武邦彦 | 郷原洋行 | 田島良保 | 菅原泰夫 | 中島啓之 | ★吉永正人 | ★岡部幸雄 | 柴田政人 | ★南井克巳 | ★武豊 | 河内洋 | 四位洋文 | 横山典弘 | ★池添謙一 | 内田博幸 | 岩田康誠 | 川田将雅 | ミルコ・デムーロ | クリストフ・ルメール | ★福永祐一 |
---|---|---|
牝馬三冠 | 前田長吉 | |
変則三冠 | 前田長吉 | |
中央競馬牝馬三冠 | 嶋田功 | 横山富雄 | ★河内洋 | 松永幹夫 | 武豊 | ★幸英明 | 本田優 | 池添謙一 | 安藤勝己 | ★蛯名正義 | 岩田康誠 | 福永祐一 | ★クリストフ・ルメール | ★松山弘平 | ★川田将雅 |
|
古馬三冠 | 春古馬 | 達成者無し |
秋古馬 | 和田竜二 | オリビエ・ペリエ | |
★は同一馬による達成者。変則三冠、古馬三冠は同一年達成者のみ。 | ||
騎手テンプレート |
掲示板
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最終更新:2024/10/13(日) 23:00
最終更新:2024/10/13(日) 22:00
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