シャマル(競走馬) 単語

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シャマル

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シャマルShamal)とは、2018年生まれの日本競走馬鹿毛

な勝ち
2022年東京スプリントJpnサマーチャンピオンJpnオーバルスプリントJpn
2023年黒船賞Jpn
2024年かしわ記念JpnⅠ)黒船賞Jpn

概要

スマートファルコンネイティコード*アグネスデジタルという血統。
は圧倒的なスピード交流重賞を勝ちまくり、重賞19勝(JRA所属最多記録)を挙げ「サイレンススズカ」と呼ばれたダートの名逃げ産駒地方で活躍している。
ダート距離で28戦3勝。シャマルが初である。
は芝もダートも中央も地方海外もお構いなしにGⅠを6勝し超ド級変態戦場を選ばぬ勇者」と呼ばれたマル外種牡馬としてはダートや芝短距離で活躍をそこそこ出したが自分が大種牡馬にしたクロフネの割りを食っていた
総じてゴリゴリダート距離血統である。

3代*マジックコードカナダGⅢを2勝し、繁殖牝馬として日本に輸入。本の曾祖母である2005年阪神JF2着のシークレットコード2016年秋華賞2着のパールコードなどを送り出した。そのパールコード産駒2022年優駿牝馬で2番人気に支持され、ローズSを勝ったアートハウスがいる。
またダンスインザダークのため、*サンデーサイレンスの3×4のクロスを持っている。

2018年2月23日、新ひだか町の岡田スタッドで誕生。オーナーはカナヤマホールディングス専務で、淡路島競走馬育成牧場「フォレスヒル」の代表を務める金山敏也。

名の意味は「ペルシャ湾地域に吹く」。マセラティの高級スポーツカー、もしくはそれを名前元ネタにしたヴォルケンリッターの湖の騎士が由来なのかどうかは不明。

砂塵に舞う風の騎士

3歳(2021年)

レシステンシアなどが所属する東・松下武士厩舎に入厩。須栄上に、新馬戦も終わった2021年3月13日未勝利戦阪神ダート1200m)でようやくデビューしたが、終始後方のまま12着。以降も4歳の南部杯まで須が一貫して手綱を取ることになる。

4ヶ休み、7月25日新潟ダート1200mの未勝利戦にてブリカーをつけて復帰。調教で好タイムを出していたとはいえ6番人気に留まったが、スタートから押し気味に先行すると3コーナーで2番手につけ、直線で抜け出し勝。
続いて中1週で8月8日の同条件の1勝クラスに出走。1番人気に支持されると、2番手追走から直線で抜け出すとあとは突き放す一方で5身差の圧勝。
勢いに乗り、中2週で8月28日、また同条件の2勝クラス・岩室温泉特別に出走。ここも2番手追走から直線抜け出し押し切りという全く同じパターン一気に3連勝を飾る。

この後は洞の治療のため休養に入り、年内はこれで終了。

4歳(2022年)

明けて4歳、1月29日3勝クラス賀S(中ダート1200m)で復帰。4.2倍の1番人気に支持されたが、内で揉まれて先頭集団につくことができないまま、特に見せ場なく6着。

続いては3月5日橿原S(阪神ダート1200m)。デビュー戦以来の右回りに加え、前走で「新潟1200m専用機?」という疑念を抱かれたりしつつも3.0倍の1番人気。今度は上手く好位で先行し直線で抜け出しという勝ちパターンに持ち込んだが、外から飛んできたボイラーハウスに差し切られ2着。

敗れはしたが右回り阪神大丈夫そうということで、続く4月3日の同条件のなにわSでは1.9倍の1番人気に支持されると、なりに外の好位につけて直線抜け出しという勝ちパターンに持ち込んで5身差の圧勝。7戦オープン昇格を果たした。騎手も「オープンでも楽しみです」とコメント

勢いに乗り間を開けず、4月20日東京スプリントJpn重賞初挑戦。6.0倍の4番人気
の好位で先行し4コーナーで先頭につけるという勝ちパターンに持ち込むと、直線では1番人気リュウノユキナ、地元大井の8番人気ギシギシとの熾叩き合いに突入。大井の長い直線をゴールまで必死の追いべとなったが、最後はリュウノユキナハナ差退け、重賞初挑戦で初制覇を飾った。
騎手レッドアリオン2015年関屋記念以来7年ぶりの重賞制覇。金山オーナーは嬉しい重賞初制覇となった。

続いては6月北海道スプリントカップさきたま杯の両にらみだったが、さきたま杯Jpnを選択。初の1400mで距離延長がどうかと見られつつも3.2倍の2番人気に支持される。
レース逃げる8歳サルサディオーネをぴったりマークして2番手で追走。4コーナーで並びかけ、直線で抜け出しという勝ちパターンに持ち込み一度は先頭に立ったが、内でサルサディオーネに根性で差し返され、叩き合っているうちに外から同じスマートファルコン産駒、地元浦和ティーダンクにもゴール直前で差されて悔しい3着。

リフレッシュ放牧を挟み、9月4日韓国GⅠGⅢコリアスプリントしたが、選出されなかったので8月25日佐賀サマーチャンピオンJpnへ。単勝2.1倍の1番人気に支持される。
スタートでちょっと躓いて騎手バランスを崩したがすぐに立て直し、大外から外の3番手の好位を確保。4コーナー逃げサクセスエナジーを捕らえると直線で鮮やかに抜け出して2身差の勝。重賞2勝を挙げた。

続いて9月21日浦和オーバルスプリントJpnへ。単勝1.9倍の1番人気。今回も大外から外の3番手につけて逃げを見ながら進め、直線で捕らえて鮮やかに抜け出す。後ろからは3番人気の3歳リメイクが追い込んできたが寄せ付けず勝。重賞3勝を挙げた。

これだけ強さを見せれば当然、次の標は11月3日盛岡JBCスプリント……のはずだったのだが、ここは1年で重賞3勝を挙げても賞金的に出走が危ういという修羅ダート距離界。そのため、中18日の強行軍で10月10日マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ)に参戦。間隔の詰まり、初マイル、初盛岡など不安材料はいろいろありつつも5.1倍の3番人気に支持される。
レースは得意の大外815番から好スタートを決め、先行集団が固まる中でも逃げヘリオスを見ながら外の好位を確保と普段通りのレース展開に持ち込む。直線で逃げヘリオスと前を行ったカフェファラオを大外から猛然と追いかけたが、届かず半身差の3着。

マイルでも充分に第一線で戦えることを示し今後のレース選択の幅は広がったが、収得賞金は加算できず、おそらくローテがキツくなりすぎることもあってか、JBCスプリントは断念し放牧へ。では次走はどうするのかと思われたが、なんと1800mのチャンピオンズカップGⅠに参戦。しかし上には相棒須栄の姿はなく、実績ある川田将雅に乗り替わりとなった。さすがに距離が不安視され、前走の内容から狙いに挙げる馬券師もいたものの、23.2倍の7番人気
レース距離が伸びても戦法は変えず、2番手のクラウンプライドを見ながら外の3番手で先行。直線でも前に食らいついていったものの、クラウンプライドハピには振り切られ、テーオーケインズにかわされ、後ろから飛んできた勝ちジュンライトボルトの末脚を見送るばかりの5着。さすがに力負けという感じではあったが、9月までスプリントを走っていた一気に1800mまで距離を伸ばして先行して、垂れずにきっちり賞金を持ち帰ったのだから大健闘であろう。

これで年内終了かと思いきや、中16日で園田1400mの兵庫ゴールドトロフィーJpnに参戦。上は引き続き川田ハードローテながらも1.6倍の断然の1番人気に支持された。
レースはいつもよりやや後ろの5番手あたりで先頭集団を追走。直線で大外から追ったものの、前で進めたトップハンデの4番人気ラプタスに1身振り切られての2着。川田騎手は「GⅠ終わりの疲れがありながらも、ここまで頑ってくれているので、また来年いい走りをお見せできればと思います」とのことで、さすがに疲れていたようである。それでも2着で収得賞金はきっちり確保した。

かくして年10走で4勝、2着2回、3着2回というハードながら充実の4歳シーズンを終えた。

5歳(2023年)

明けて5歳フェブラリーステークスに向かう予定だったが、昨年のハードローテの疲れが抜けなかったか回避。3月高知黒船賞Jpnに向かうことになった。やっぱり兵庫GTが余計だったのでは……。体重-17kgがやや不安視されつつも、前年覇者NAR年度代表馬イグナイター人気を分け合って2.6倍の1番人気上は川田
レースは外のケイアイドリーとヘリオスが行くのを見ながらすっと内の好位を確保すると、4コーナーインから前を捕らえて並ぶ間もなくかわし、あとは横綱相撲で押し切って3身差で勝。重賞4勝を挙げた。

続いてはかしわ記念JpnⅠ)上の川田が今年ここまでダートグレード競走6戦6勝という驚異的な成績だったこともあり、2.8倍の1番人気に支持される。
レースヴァレーデラルナカジノフォンテンが競り合いながら逃げシャマルハヤブサナンデクンと並びながら4番手で追走。4コーナーハヤブサナンデクンが外を回ってめに進出する一方、シャマルは最内を突いて直線へ。先に抜け出したハヤブサナンデクンを捕まえに行ったが、残り200mを過ぎたあたりで脚が止まり4着。やはりGⅠ級では賞金は持ち帰れても、勝ち負けするにはマイルはちょっと長いのかもしれない。

本領の1400m戦に戻り、さきたま杯Jpnへ。11番に入ったこともあり2.2倍の1番人気に支持されたが、パドック返し馬の時点で元気がない、硬いと不安視するもあった。
そしてレース開始々にその不安が的中、明らかスタート直後から走り方がおかしく、全くレースに参加できずか最後方。最終直線まで走ったもののそこで川田騎手が下し、右後肢跛行で競走中止となった。には乗らず自力で帰っていったので重傷ではなさそうだが、心配なレースとなってしまった。

その後は治療に充て、次走は7月プロキオンステークスGⅢへ。上は当日川田リメイクに乗るため、坂井瑠星へと乗り替わりとなった。4歳の3勝クラス以来の中央ダートだが、前走から中1月ちょっとで大丈夫なの?と不安視されたのか、得意距離であるにもかかわらず人気は5番人気に留まった。そして、その不安は的中、馬場入場後に右前肢跛行を発症し、あえなく競走除外となってしまった。レース中に発症しなかったことが不幸中の幸いとはいえ、前走に引き続き先行きが不安となる結果となってしまった。

その後、コリアスプリントに招待されるも松下師は「体調が整わないため」という理由で辞退。以降は休養に入り、結局5歳は全休となってしまった。

6歳(2024年)

明けて6歳となり、根岸ステークスGⅢで復帰。上は一昨年の南部杯以来となる須栄に戻った。さすがに不安要素が大きく38.3倍の9番人気レースは4番手で追走したが、直線で前にスペースがなく外に出しているうちに置いて行かれてしまい、あまり見せ場なく7着。とはいえとりあえず事に走りきったので何よりというところ。

続いて名古屋かきつばた記念Jpnへ。4.1倍の3番人気。811番という大外だったのでそのまま外を回していったが、さすがに外回しすぎて内で立ち回ったサンライズホークらに振り切られて4着。

連覇のかかった黒船賞Jpnでは前走でも敗れた重賞3連勝中のサンライズホークが1.6倍の断然人気で、シャマルはそれに次ぐ4.8倍の2番人気
前走は逃げサンライズホークにそのまま振り切られたので、内の22番に入ったシャマル騎手は今回はスタートから積極的に押していき、サンライズホークを制してハナを確保。これまでの先行策ではなく、初めての逃げの手を打った。これがピタリとハマり、追ってきたサンライズホークは4コーナー前でくも沈没シャマルはそのまま後ろを離して直線へ向くと、後続を寄せ付けず2身差で逃げ切り快勝。1年ぶりの勝利復活を告げる連覇を達成した。

続いて1年越しのリベンジを狙いかしわ記念JpnⅠ)に出走。フェブラリーS勝ちペプチドナイル、前年のJBCクラシックキングズソード東海S勝利以来のウィリアムローズなどなかなかの好メンバーった。ここまで1600m以上での勝利がなく前年も人気を裏切っていたシャマルJRA所属では一番下、単勝11.7倍の6番人気にとどまった。
不良馬場となった船橋競馬場シャマルは抜群のスタートから首尾良くハナを奪い、前走同様の逃げを打つ。2番手のペプチドナイルマークを受け、その背後にはキングズソードも控えていたが意に介さず、むしろ12台のラップを続けて後続に脚を使わせる消耗戦を仕掛けた。この強気の作戦がピタリとハマり、後続が追い始めた3でも上の須は持ったままリードを保ってコーナーを回る。
そして直線で満を持して須がムチを抜けば、シャマルもこれに応えて2番手以下を一気に突き放す。ラップタイムを見ると最後はさすがにシャマル自身も脚が止まり気味で上がり3Fは391を要したが、上がり39を切ったのが中団から一頭突っ込んできたタガノビューティーだけでは後ろは届きようがない。そのまま2身半差をつける勝で悲願のGⅠ級競走制覇を成し遂げ、前年4着のリベンジを達成した。

根岸Sでのコンビ復活以来、「できることは全部したい」と厩舎所属でもないのに自ら頼み込んで毎日シャマル調教に乗ってきた[1]須栄は、騎手生活15年にして初のGⅠ勝利。一度は奪われた手綱を取り戻して勝ち取った栄冠に、ゴールした間に右手を突き上げ、インタビューでも「本当に最高の気分」と笑顔がはじけた。またスマートファルコンにとっても待望の産駒GⅠ勝利となった。

勢いに乗り、本領の1400m戦、JpnⅠに昇格したさきたま杯へ。サウジ帰りのレモンポップが単勝1.2倍という断然人気で、シャマルはそれに次ぐ5.0倍の2番人気。得意の重馬場となり、小回りの浦和なので騎手は押してハナを取りに行くも、アランローズレモンポップハナ争いを制されてしまい3番手に。そのままレモンポップを見ながら進め、アランローズが3前で脱落すると抜け出したレモンポップを追いかけたものの差は詰まらず、押し上げてきたイグナイターにも競り負けて3着。

夏休みを挟み、は昨年出られなかったJBCスプリントし、南部杯ではなく東京盃Jpnから始動。東京スプリント以来2年半ぶりの1200m戦、良馬場トップハンデタイ58kgということでか、イグナイタークロジシジョーに次ぐ3番人気となった。
レースは押して3番手で進め、直線で抜け出し押し切りを図ったものの、外から追い込んできた3歳カッパと、内から伸びてきた大井の7歳騸馬マックスにかわされ、食い下がったものの0.2差の3着。まあ、諸々の条件を考えれば僅差の3着というのは充分な内容と言えるだろう。

というわけで次走はJBCスプリントJpnⅠ)佐賀開催の今回、レモンポップペプチドナイル南部杯から転戦してくる可性は低そうだし、ドンフランキーリメイクアメリカに行くので、東京盃組のイグナイターやチカッパがそのまま本番でもライバルとなりそうだ。得意の1400mだけに、あとは馬場が重くなることを祈るばかりである。

ダート距離戦線に吹き渡るシャマルスマートファルコンの後継をし、相棒とともに戦いは続く。

血統表

スマートファルコン
2005 栗毛
ゴールドアリュール
1999 栗毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ニキーヤ Nureyev
Reluctant Guest
ケイシュウハーブ
1988 芦毛
*ミシシッピアン Vaguely Noble
Gazala
キョウエイシラユキ *クラウンプリンス
*アリアーン
ネイティコード
2011 鹿毛
FNo.10-d
*アグネスデジタル
1997 栗毛
Crafty Prospector Mr. Prospector
Real Crafty Lady
Chancey Squaw Chief's Crown
Allicance
クラクコード
2004 鹿毛
ダンスインザダーク *サンデーサイレンス
*ダンシングキイ
*マジックコード Lost Code
Beautiful Pet

クロス:*サンデーサイレンス 3×4(18.75%)、Raise a Native 5×5(6.25%)

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関連項目

脚注

  1. *胸熱くなるシャマルと川須栄彦騎手の絆 絶対にもう手放さない「結果を出すことに集中したい」exit
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