プログノーシス(Prognosis)とは、2018年生まれの日本の競走馬/種牡馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2023年:金鯱賞(GⅡ)、札幌記念(GⅡ)
2024年:金鯱賞(GⅡ)
父ディープインパクト、母*ヴェルダ、母の父Observatoryという血統。
父は言わずと知れた歴史的名馬にして大種牡馬。母はイギリス生産で、現役時はイタリアで走って2勝を挙げている。母の父はG1・2勝でアイアンホースGiant's Causewayを負かしたこともある競走馬だった。
半姉に英G1チェヴァリーパークステークスの勝ち馬Vordaがいる。
2018年5月15日誕生。生産者は社台ファーム、馬主は社台レースホース。
所属は栗東の中内田充正厩舎となった。
3月の阪神競馬場の芝2000mの未勝利戦からという遅めのデビューとなったが、川田将雅を背に初出走初勝利を挙げる。ちなみにこの時の4着馬には後に24年天皇賞(春)を勝利するテーオーロイヤルの姿もあった。
続いて同じ3月の毎日杯(GⅢ)へ出走という2戦目にしては急な間隔だったが重賞に初挑戦。鞍上は藤岡佑介に乗り替わりとなった。レースでは後方から鋭い脚で追い込むも3着。1,2着が記録した勝ち時計は1:43.9(プログノーシスは+0.3)と従来のレースレコードを2秒以上更新するのみならず当時のJRA1800mレコードであった。この時の優勝馬シャフリヤールは東京優駿を制してダービー馬となり、2着グレートマジシャンも東京優駿4着と好走していることからかなりレベルの高い一戦であった。
毎日杯は3着に終わり賞金も積めなかったことから春のクラシックは諦め、6月の中京競馬場の1600mの3歳以上1勝クラスに鞍上を川田騎手へ戻して出走。出遅れて後方となるも道中空いた内ラチ沿いから位置を上げ4コーナーで好位まで来ると直線逃げるアンドヴァラナウトを交わして3馬身差の圧勝。ちなみにアンドヴァラナウトはこの後ローズステークスを勝利している。
その後は休養を挟んで11月の阪神競馬場1800m武田尾特別(2勝クラス)へ。安定の出遅れから後方待機すると直線だけでほぼ全頭を抜き去り最後は流したまま2着に2 1/2馬身差を付けて連勝を挙げた。この時の上がり3fは32.8秒を記録している。
残念ながらクラシックレースとは縁が無かったものの、相手にしてきたライバルたちの躍進によりプログノーシスは今後を期待される存在の1つになっていった。
古馬初戦は4月の京橋ステークス(3勝クラス)より始動。単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気に応え直線一気で2番人気のリフレーミングを交わして勝利し、3連勝で一気にオープンクラスへと上り詰めた。
次走はエプソムカップを視野に入れていたがそれを回避。その後はマイルの富士ステークスを目指す話もあったが、しばらく休んで10月末にこれまで好走を続けてきた条件である阪神1800mのカシオペアステークス(L)で戦線復帰。天皇賞(秋)の裏であったため鞍上には岩田望来を迎えた。
3連勝の勢いが評価され4連続となる単勝オッズ1倍台の1番人気に支持される。レースでは珍しく出遅れず中団につけて進んだが、直線で外に持ち出すのに手間取り上がり最速は記録したものの武豊を鞍上に逃げた超高額馬アドマイヤビルゴを捕らえ切れず3/4差の2着と連勝は途絶えてしまった。
続いて二度目の重賞挑戦となる中日新聞杯(GⅢ)では藤岡と再びコンビを組み、前走は取りこぼしという見方が強かったこともありここも1人気に推される。ゆっくりとゲートを出ると馬群から離れた後方2番手を進んだがレースは先頭が1000mを1:01.9で通過するかなりのスローペースであり、直線で圧倒的上がり最速の豪脚を繰り出して猛然と追い込むも惜しくも届かず4着に敗れた。
5歳初戦は3月に行われる出世レース金鯱賞(GⅡ)から始動。鞍上は川田に戻った。初めてのGⅡ参戦であり重賞未勝利馬でもあったが、負けて強しの競馬が評価されて単勝オッズ2.4倍の1番人気に支持される。レースは後方から4番手程を追走。3コーナーから外に持ち出し大外から末脚を炸裂させて勢いよく前の馬へと迫ると最後は逃げ粘るフェーングロッテンを3/4馬身差で差し切り重賞初制覇。大阪杯への優先出走権を確保した。
この後は優先出走権を確保した大阪杯への出走を予定していたが、右後肢に疲れが見えることから回避する事となった。
大阪杯より1ヶ月ほど後に行われる香港チャンピオンズデーのクイーンエリザベス2世カップ(G1)に出走。初のG1挑戦は海外で鞍上は香港の名手サガリー・パートンとなった。ここには昨シーズンの香港クラシック二冠馬Romantic WarriorやオーストラリアでG1連勝を挙げてここに臨むDubai Honour、日本からはジェラルディーナとダノンザキッドが出走した。
レースはやや出遅れて最後方からの競馬となる。そのまま最後方インコースで直線に入ると外のジェラルディーナも伸びを欠いていて中々進路が見つからず、前にいたDubai Honourが伸びるとようやく内の方に進路を見つけて持ち味の末脚を炸裂させたが先行からスムーズに抜け出していたRomantic Warriorは遠く2着となった。
レース後、鞍上のパートンは最後はいい脚を使てくれたと評価し、12月の香港ヴァーズならもっといい走りが出来るとプログノーシスの将来性を語った。
国内に戻ってからの初戦は川田と組んで真夏のスーパーGⅡである札幌記念(GⅡ)。ここには今年の大阪杯の覇者で連覇を狙うジャックドールや毎日杯以来の再戦となるダービー馬シャフリヤール、昨年の香港ヴァーズの優勝馬ウインマリリンなどの活躍馬が集結し、単勝オッズはジャックドールに次ぐ5.1倍の2番人気の支持を集めた。
レースはユニコーンライオンが逃げて2番手にアフリカンゴールドが付ける縦長の隊列となり、プログノーシスは後方3番手に付けた。向こう正面から内からスルスルの位置取りを押し上げていき、3コーナーでは先行集団の一角に取り付いていた。前で馬群を引っ張っていたユニコーンライオンらが失速する中でも止まらずやや外目を回りながら2番手で直線に入ると、内で粘るトップナイフを交わしそのまま突き放して2着と4馬身差という圧巻の走りで重賞2勝目を挙げた。
次走は満を持しての国内GⅠ初挑戦となる天皇賞(秋)(GⅠ)であることを社台ファーム代表・吉田照哉氏が表明。迎えた当日ではイクイノックスとドウデュースに次ぐ3番人気の支持を受けた。発馬後すぐに最後方となりそのままの位置取りで待機。直線に入ると外に持ち出して追い込むもハイペースでの先行競馬から抜け出したイクイノックスに届かず、更に外から来たジャスティンパレスに交わされてしまいダノンベルーガとの3着争いを何とか制したところでゴールイン。鞍上川田ではこれが初の黒星となった。
その後は再び香港に遠征してパートンの進言空しく香港国際競走の香港カップ(G1)に鞍上川田で出走。JRAオッズで香港中距離王者Romantic Warriorに次ぐ2番人気となった。前走と同様最後方からの競馬となり道中で少し位置取りを押し上げて直線に入るところで一気に外側へ持ち出した。しかし馬群がそれ以上に横に広がっていたため前が壁となって末脚を発揮することができず、ようやく進路が開いて追い上げるも時すでに遅し・・・Romantic WarriorやLuxembourgらの優勝争いから一歩遅れる形で5着敗戦。またしても上手く運べていたら…と思わざるを得ない競馬となった。
2024年は昨年勝利した金鯱賞(GⅡ)から始動。ここには5連勝で菊花賞を制した素質馬ドゥレッツァが出走しておりこれが圧倒的な1番人気、プログノーシスは2番人気となった。
発馬してからは抑えていつも通り後方からの競馬。後方3番手のまま追走していたが向こう正面から位置取りを押し上げて内からドゥレッツァを見る位置に付ける。第3コーナーを外のドゥレッツァと並びながら追走し、直線に入るところで外目に行こうとするドゥレッツァとは反対の内を選択する。最内の開いたところから早めに先頭に立つと、瞬く間に後続との差を広げに行き、外から猛然と追い上げるドゥレッツァを尻目に5馬身差の圧勝。圧巻の走りで金鯱賞連覇を果たした。
この後は前年同様大阪杯には向かわず、再び香港クイーンエリザベス2世カップ(G1)へのリベンジへ向かった。前売りオッズは三度目の対決となるRomantic Warriorとほぼ変わらずの人気で三度目の正直なるかという様相であった。
スタートすると大きく出遅れて最後方となる。ここまではいつものことであったが鞍上川田は向正面で位置を大きく上げて先団を見るRomantic Warriorの前に付ける。そのまま直線に入ってしっかりと伸びはしたものの変則的なリズムの競馬となったせいか普段ほどのキレはなく、外から差してきたRomantic Warriorにかわされ惜しくもクビ差で敗れて再び2着となった。
その後は金鯱賞と同じく連覇を目指して札幌記念(GⅡ)へ向かったが、前がかなり有利なペースになってしまい懸命に後方から上がり最速34.4秒の末脚を叩き出すも4着に終わった。
次走は今回も昨年のリベンジで天皇賞(秋)...ではなく、オーストラリアのコックスプレート(G1)へダミアン・レーンを背に遠征。今回はスタートを決め2番手で先行策をとり4コーナーで先頭をとらえるが、外からVia Sistinaに抜き去られあっという間に置き去りに。終わってみれば8馬身差も付けられたがきっちり後続は2馬身しのぎ切り2着は確保した。相手が過去のレコードを1.87秒も更新していた状況では分が悪いと言わざるを得ない結果であった。
続いて年末の有馬記念(GⅠ)に出走。オープンクラスに上がってからここまで2000mへの陣営の拘りが感じられたが今回は距離を延長して2500mに挑戦。三浦皇成を鞍上に6番人気となったがゲートの時点で立ち上がるそぶりを見せるなど不調気味で後ろからのポジションとなり、坂を上ってからも苦しく11着に終わった。
2025年の始動戦は3連覇のかかる金鯱賞(GⅡ)。ただもう7歳であること、これまで経験したことのない重馬場であること、これまでコンビを組んできた川田将雅が別の馬に騎乗し西村淳也との新コンビとなること、当日馬体重+10kgであったことなどから人気を落とした(それでも3番人気)。デシエルトの作った1000m58.2のペースを後方追走し上がり3F36.8の脚で追い込むが時すでに遅し、得意の2000m戦でも掲示板を外す6着に敗れた(ちなみに1着は川田将雅騎乗のクイーンズウォークであるため川田騎手は3連覇)。
次いで3度目の挑戦となるクイーンエリザベス2世カップ(G1)へ。これまで辛酸を舐めさせられ続けてきたRomantic Warriorは不在、かつ鞍上には彼の主戦であったジェームズ・マクドナルドを迎えこれまで2着2回という好成績から香港での馬券発売では1番人気、JRAでも4番人気に支持された。いつも通り最後方を追走し最終直線で追い込むスタイルで先頭争いに加わったが、先行して抜け出したタスティエーラのみ捉えることは出来ずに1と1/2馬身差でこのレース三度目の2着。かなり条件の揃った最大級のチャンスだっただけに惜しい結果となった。
この後は今年も相変わらず札幌記念を目指していたが臨戦過程で両前肢の球節部分にむくみが発生。エコー検査を行ったところ種子骨靭帯炎の症状が確認された。療養に時間を要する怪我である事や7歳という年齢、再発リスクも加味し引退し種牡馬入りすることが発表された。繋養先はブリーダーズスタリオンステーションを予定している。
4度の2着があり時にはGⅠ馬以上のパフォーマンスを見せながらもGⅠ未勝利のままターフへ別れを告げる事となったプログノーシス。海外GⅠ挑戦、そしてその挑戦の度に立ち塞がってきた最強馬を超えるという浪漫を追い続けた割りを食ったレース人生であった。
これからは父として子供たちにGⅠ制覇の夢と浪漫を託す側となった。彼の第二の活躍に期待したいものである。
。本番では見事に抜群のスタートを切ることに成功した。スタート前に暴れたのを宥められてた上に次走の有馬記念では見事に出遅れたが...
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| *ヴェルダ 2006 栗毛 FNo.14-c |
Observatory 1997 栗毛 |
Distant View | Mr. Prospector |
| Seven Springs | |||
| Stellaria | Roberto | ||
| Victoria Star | |||
| Viavigoni 2001 栗毛 |
Mark of Esteem | Darshaan | |
| Homage | |||
| Val d'Erica | Ashmore | ||
| Laconia |
クロス:Hail to Reason 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
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最終更新:2025/12/12(金) 22:00
最終更新:2025/12/12(金) 22:00
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