ピクシーナイト(Pixie Knight)とは、2018年生まれの日本の元・競走馬で種牡馬である。鹿毛の牡馬。
馬名の意味はJRAの競走馬情報によると「母名の一部+騎士」と記載されている。
主な勝ち鞍
2021年:スプリンターズステークス(GⅠ)シンザン記念(GⅢ)
2018年5月14日北海道のノーザンファームで誕生。
父は国内外でGⅠを6勝(JRAのG1を3勝、香港でG1を3勝)しているモーリス。父(ピクシーナイトの祖父)にスクリーンヒーロー、祖父にグラスワンダーを持ち母系にはメジロの血統がズラリと並ぶ2000年代屈指のマイル王。
母はピクシーホロウで、特別競走は勝っていないが3勝。その母の父はGⅠ高松宮記念を勝った超・良血馬キングヘイロー。そして母母父に伝説の史上最強スプリンターと言われるサクラバクシンオーを持つ、血統的に見ても短距離競走に特化したと言える配合である。
なお名前のせいかたまに牝馬と間違われるが、歴とした牡馬である。
幼駒時代はノーザンファーム早来で育成されたのち、2歳になり栗東の音無秀孝厩舎に入厩し9月26日の芝1400mのレースで初出走初勝利。鞍上は福永祐一で「まだ太くて十分に動けなかったけど勝てたのはポテンシャルの高さだと思います、将来が楽しみです」と語っていた。
2戦目は11月の秋明菊賞(阪神、1勝クラス)に1番人気で出走したが、スタートで出遅れてしまい内から追い込んだものの3着が精一杯。ゲート内の駐立が悪くて出遅れたのが敗因として陣営は語っている。
3戦目は2021年になり中京競馬場での代替で行われたシンザン記念。ルークズネストやバスラットレオン等を相手に好スタートを決めそのまま鮮やかな逃げ切り勝ち。福永曰く「ゲートの駐立を重点的に修正してくれていいスタートを切ることが出来ました。G1を勝てる馬だと思うのでこの後の成長が楽しみです」。ちなみにこのレースで福永は通算2400勝を達成。
この後はアーリントンカップでも逃げを図ったが直線で捕まり粘るも4着に敗れる。
そして春の大目標だったNHKマイルカップに挑んだが、ハイペースで逃げたものの直線で力尽き12着と大敗。「最初にまたがった時に良いスプリンターになると思ったが、1月のシンザン記念は逃げの奇策的な形で勝てたが、3歳の春の短距離の目標はNHKマイルで距離の懸念はあった」と福永はシンザン記念を勝った時から語る。その言葉通り以後はスプリント路線へ舵を切る。
一旦休養し秋以降のスプリント路線に照準を合わせ、小倉競馬場で代替開催となったCBC賞に出走。この時の開幕週の小倉競馬場は未勝利戦でレコードが出るほど、超が付くほどの高速馬場。勝ち馬のファストフォースが芝1200mの日本レコードを更新する1:06.0を叩き出すなか、半馬身差の2着。
福永は「高速決着となるなかで外の7枠が響いたなか、内を突きなんとか2着になる事ができた、内目の枠ならもう少しいい勝負が出来たと思う、出来れば勝っておきたかったけど」とコメント。
続いて中京競馬場で行われたセントウルステークス。開幕週でまたもや外の8枠であった。前目につけたレシステンシアが直線の早めに先頭にたち、それに続くクリノガウディー、ジャンダルムの外からピクシーナイトが猛然と差していったが、クビ差レシステンシアを捉えることが出来なかった。「開幕週の外枠だったけどよく差して伸びてきた、本当は勝ちたかったけど成長途上の中能力は示せた」と福永。
次走はスプリンターズステークス。高松宮記念の勝馬ダノンスマッシュやレシステンシアに次ぐ3番人気に推され、有力馬が外枠の中、2枠4番と内を引き当てた。
好スタートを決め、逃げるモズスーパーフレア、2番手のビアンフェに次ぐ3番手で追走し4コーナーを回ったピクシーナイトは直線で抜け出し、後方から来るレシステンシアに2馬身差を付け1:07.1で1着入線。
3歳馬の勝利は2007年のアストンマーチャン以来14年ぶり。鞍上の福永は17回目の挑戦で、かつての相棒であり同レースも走ったキングヘイローの孫とともに同レース初制覇となった。そして今回の勝利で、グラスワンダーから続く史上初の日本調教馬による父子4代GⅠ制覇という快挙を達成(参考:達成時点での3代制覇一覧)。春秋グランプリ、ジャパンC、春秋マイル+秋天、そしてスプリンターズSと、彼らだけでJRA古馬芝GⅠの大半を制覇していることも特筆すべき点か。
騎乗した福永は、「将来的に前目につけれる戦法を取れる強さになればと思っていたが、早くもできたことに驚いた。今日の勝利は馬のおかげ、以前から良いスプリンターになると公言はしていたが想像以上の馬になりそうだ」と語った。
夏に福永はYouTubeの番組の生放送にゲストで出演していた時に、「自分はキングヘイローで良い結果を出せなかった、その子供でも……、けど、母父キングヘイローのピクシーナイトで結果を出せれば」と語っておりその思いが形となった。
12月になり香港国際競走の短距離部門、香港スプリントに出走。現地では3番人気、日本では1番人気に支持された。道中後方からコーナーで進出したが、4コーナーで目の前で起きた落馬事故に巻き込まれ落馬・競走中止となった。福永は検査のため病院に搬送され、続く香港マイルのインディチャンプはクリストフ・スミヨンに乗り替わりとなった。このレースでは最初に落馬したアメージングスター、それに巻き込まれ落馬したナブーアタックの2頭が予後不良となる惨事が起きてしまっている。
レース直後の厩舎サイドの見た目では馬体の異常は分からなかったようだが、その後時間の経過と腫れなどが見られたため精密検査を受けたところ、左前膝の骨折、右トモの捻挫、胸前の筋肉痛も窺えるとシルクホースクラブから発表があった。予想だにしないアクシデントに巻き込まれつつも九死に一生を得たピクシーナイトはこのレースで3歳を終えた。
その後13日のシルクホースクラブのレポートによると、獣医師の許可が下りれば15日に現地を発ち帰国し、日本国内で再度精密検査の予定と伝えられていた。
この許可が下りて予定通り15日に出国し、帰国後の精密検査で左前脚の橈側手根骨に剥離骨折が分かり、22日に栗東トレセンの診療所で手術を受け無事に終わったと報道がなされている。
2022年になってから続報は乏しかったが、7月15日になりノーザンファーム早来で人間に例えると、ルームランナーのような器具を使ったトレッドミルで常歩を再開したとシルクホースが発表し、メディアがそれに伴い報道があった。復帰まではまだまだ時間はかかるようだがひとまず順調に回復している様子がうかがえる。 ピクシーナイト、トレッドミルで常歩を再開 (スポニチ)
8月26日になり続報の発表があり、回復はしているものの年内の復帰は難しく、2023年の復帰を目指すことがシルクホースクラブが発表し各メディアが報じている。
香港スプリントで骨折のピクシーナイト、来年の復帰を目指す 年内はじっくり調整 (スポニチ)
更に10月21日に放牧先で坂路調教を再開したことをシルクが発表したことを報道がなされている。
4歳の秋から高松宮記念を目標に復帰を目指すとの報道があったが、1月25日になり同月28日に帰厩予定との報道が各媒体でなされた。ピクシーナイトが待望の復帰に向け28日に栗東トレセンに帰厩へ(東スポ)
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主戦であった福永祐一は2月末で騎手生活を引退する事から、引き継ぐ騎手は誰になるのか気になるところであったが、関東の戸崎圭太が騎乗し阪急杯が復帰戦となる事がアナウンスされている。長期休養明け後のゲート試験も合格と、ひとまず順調に回復している様子が伺えることから、まずは無事にレースに復帰してほしかったところであったのだが、2月17日に発表の話で調教後に左トモの歩様に違和感を感じ獣医師に見てもらう流れになった。診断の結果では幸いにも骨や筋に異常は見られなかったが、大事を取って阪急杯の復帰は白紙となった。
改めて体制を立て直し、ぶっつけとなる形で3月26日の本番の高松宮記念に駒を進めた。6枠11番と極端な枠ではなかったが当日は雨が降り続け不良馬場であった。中468日ぶりの中まずまずのスタートを切りレースを進めたが、4コーナーの勝負どころでも上がっていく様子は感じられず、13着という結果となった。長期間の復帰明けと不良馬場、本番前のひと叩きもできなかった点をかみすると、この結果はまずは完走して何よりと思えるところである。
続いては5月の京王杯スプリングカップとなり鞍上は引き続き戸崎圭太で挑んだ。18頭立ての5枠9番で今回も極端な枠ではなかった。スタート後に前目に付け進んだものの直線では周りを囲まれ抜け出すスペースが作れず8着となった。ただ1着馬とは0.4秒差だったので悲観するタイム差ではないとも思えるだけに、進路を確保できていればどうなっていたかとも思える内容であった。
夏は休養にあて秋の始動戦はセントウルステークスとなり、復帰してからの3戦目となる事からそろそろいい走りをと思われる1戦となった。
1番人気はビックシーザーでピクシーナイトは4番人気だった。そのピクシーナイトは躓き出負けする形で後方から進める形でレースはテイエムスパーダが逃げて引っ張る形となったのだが、そのまま逃げ切る形となった。ピクシーナイトは8着となったが、勝ち馬とは0.5秒差、上り3Fは32.9秒で3番目の早さだけにスタートがスムーズだったらと思いたくなる1戦だった。
続いてはスプリンターズステークス、2年ぶりの出走とした。レースは中団から進めたものの8着だった。
この後は暮れの阪神カップにB.ムンザバエフ騎手を迎え出走した。陣営は立て直すきっかけとしてブリンカーを着用し復活の期待をした。レースは2番手につけるポジションで好位置に見えたが、騎乗したムンザバエフ騎手によるとレース中はムキになっていたとレース後に語っており、このブリンカーの影響なのか、やはり怪我の後遺症が残っているのか15着と大敗した。
阪神カップに出走前の段階では、年明けにはサウジカップデーの1351ターフスプリント向かう意向を出していたが、27日になりシルクホースクラブが引退発表をした。
種牡馬生活を送る繋養先は日高のブリーダーズスタリオンステーションで、初年度の種付け価格は受胎確認後支払いで100万円、出生後支払いの場合は150万円となり、今後は産駒に活躍が期待されることとなった。
モーリス 鹿毛 2011 |
スクリーンヒーロー 栗毛 2004 |
グラスワンダー | Silver Hawk |
Ameriflora | |||
ランニングヒロイン | *サンデーサイレンス | ||
ダイナアクトレス | |||
メジロフランシス 鹿毛 2001 |
*カーネギー | Sadler's Wells | |
Detroit | |||
メジロモントレー | *モガミ | ||
メジロクインシー | |||
ピクシーホロウ 鹿毛 2010 FNo.3-d |
キングヘイロー 鹿毛 1995 |
*ダンシングブレーヴ | Lyphard |
Navajo Princess | |||
*グッバイヘイロー | Halo | ||
Pound Foolish | |||
ラインレジーナ 栗毛 2002 |
サクラバクシンオー | サクラユタカオー | |
サクラハゴロモ | |||
シンコウエンジェル | *オジジアン | ||
A Kiss for Luck |
クロス:Lyphard 4×5(9.38%)、Halo 4×5(9.38%)、ノーザンテースト 5×5(6.25%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
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掲示板
290 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 11:33:18 ID: NbWrroLwo1
ピクシーナイト、SSほぼフリーで3歳からG1取れるポテンシャルあるってのは強いアピールポイントだよね。
お安いうちにとりあえず試すとこはそりゃ多いわな。
291 ななしのよっしん
2024/01/08(月) 10:37:48 ID: 2n+Ugb6Y21
終わってみれば、本当にあの香港スプリントが無ければ、という感じ
あれで結果的にピクシーナイトの伸びしろが無くなる格好になったし
香港やドバイの検査が厳しくなる『余計なモノ』まで追加されてしまった
もちろんスプリンターズステークス3歳制覇はそれを補って余りある勲章だ
292 ななしのよっしん
2024/01/08(月) 10:44:54 ID: sUVOxAYuiD
父モーリス母父キングヘイローという血統のG1馬となれば人気になるのも当然か
グラスワンダー直系を残すためにも頑張ってほしい
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最終更新:2024/12/10(火) 02:00
最終更新:2024/12/10(火) 02:00
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