ソダシ
ソダシ(Sodashi)とは、2018年生まれのJRAの日本の現役競走馬である。
馬名の意味はJRAの競走馬情報によると、サンスクリット語の純粋、輝きと記載されている。
主な勝ち鞍
2020年:阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)、札幌2歳ステークス(GⅢ)、アルテミスステークス(GⅢ)
2021年:桜花賞(GⅠ)、札幌記念(GⅡ)
2022年:ヴィクトリアマイル(GⅠ)
2018年3月18日北海道のノーザンファームで誕生した。
父はクロフネである。芝とダートのGIをそれぞれ勝ち、ダートでは驚異的なレコードタイムを出すなど活躍した。
母はぶち模様で注目され、競走馬としても4勝を挙げてそこそこの活躍を挙げたブチコである。
母の父はGIを2勝したキングカメハメハ、母は白毛馬のシラユキヒメである。
と、ここまで書いたのだがこの4頭、金子真人オーナーが所有していた馬である。競馬に知識がある方であれば、このソダシも金子オーナーが所有していると話がすぐに出てきそうな、リアルダビスタ、リアルウイポのような血統である。そして母方の毛色を受け継ぎ白毛である。
栗東の須貝尚介厩舎に所属し、2歳の夏の函館でデビューするために調教が積まれた。
「母馬のブチコはゲートに苦手なところがあったから、この辺りは時間をかけて調整した」とデビュー前に語られている。
吉田隼人が騎乗した7月12日のデビュー戦では、毛色だけでなく一族の活躍もあって期待されていたことから人気の一角にあった。
ゲートを出るときは一瞬立ち上がりそうであったが、なんなく2番手につけ、最後の直線では後続の追撃を退け勝利した。白毛馬が芝の新馬戦を勝利したのは初めてのことであった。
2戦目の札幌2歳ステークスでは2番人気であった。好スタートを切ると前目につけ14頭中5番手で進む形となり、3~4コーナーの中間地点では早くも先頭に立つ勢いで進むと直線ではバスラットレオンを交わし、ユーバーレーベンの追い込みを振り切り先頭でゴールした。勝ちタイム1:48.2は札幌競馬場の芝1800mの2歳レコードであった。この勝利によって白毛馬として芝のJRA重賞初制覇を記録した(白毛馬のJRAのダート重賞初制覇は一族のハヤヤッコ)。
3戦目のアルテミスステークスでも好スタートでハナを切るような勢いだったが、ウインアグライアなどの内目の枠の馬を前に進ませる形で3番手付近で進んだ。4コーナーを回り坂の手前付近で先頭に立つと、そのまま追い込んだククナ、テンハッピーローズを振り切って押し切り3連勝となった。
レース前は東京競馬場の馬場適性や、血統から将来的にはダートの方が向くのでは?との声もあったが、この勝ち方から芝適性の懸念は払拭されるような形となった。
12月の阪神ジュベナイルフィリーズでは1番人気に推され、5番手から先行した。直線では九州産馬のヨカヨカが良い手ごたえで逃げ込みを図り、外から勢いよく同牝系の3番人気メイケイエール(こちらは白毛ではない)が外からくる中、ソダシは内の方から進出、馬場が悪い所を避けるためにソダシが徐々に外に出したスペースに2番人気のサトノレイナスが伸びてきたが、ハナ差で競り勝ち白毛馬として世界初のGI勝利馬となった。
僅差での勝利ではあったものの非常に強い競馬をして、この結果今後の名牝としての道が大いに期待されることもあり、白毛馬として初のJRA年末表彰を受賞する形で満票で2020年度の最優秀2歳牝馬部門に選ばれた。
3歳初戦は桜花賞に直行した。レース前まで4週間ほど週末になると雨で道悪競馬が続いていたが、桜花賞当日は久々に晴れて良馬場での競馬であった。レース直前までサトノレイナスと1番人気を争ったが、最終的に僅差の2番人気で発走を迎えた。
好スタートを切ったソダシはハナに立つ勢いであったが、番手に控え内枠を活かし内目からレースを進んだ。サトノレイナス、メイケイエールは後方からになり、メイケイエールは3コーナーで一気に先頭まで押し進める展開であった。4コーナーを周り直線半ばには早くも単独で先頭、押し切りを図ろうかと言うところを、後方からファインルージュ、大外から猛然とサトノレイナスが追い込んでくるがクビ差しのぎ見事に1着で駆け抜けた。
そして勝ちタイムが1:31.1と破格のレコードタイムであった。
札幌2歳ステークスでもレコードタイムを出していたスピードを改めて示す形となり、白毛馬としてクラシック競走初勝利という快挙も成し遂げ、2019年5月5日に死亡していた祖母のシラユキヒメにささげるクラシック勝利ともなり、今後の活躍がさらに期待されることとなった。
桜花賞のあとは2冠を目指して優駿牝馬に向かうのか、NHKマイルに向かうのか注目されたが、一旦短期放牧を経て2冠を目指すことになった。クロフネ産駒の距離実績に不安説があるなか、ライバルの1頭と目されたサトノレイナスが東京優駿を目指すとされたこともあり二冠の可能性に期待された。
優駿牝馬当日、ソダシは1.9倍の1番人気に支持され、2番人気はアカイトリノムスメ、3番人気はユーバーレーベンであった。
好天のなかソダシは好スタートを切り、1コーナーでは逃げの手に打つのかと思える勢いであったが距離を考えてクールキャット、ステラリアを前に行かせて番手に控える展開になった。が、ソダシは行きたがる素振りを見せ、鞍上の吉田隼人は手綱を引いてなんとかなだめようとするが、なかなか落ち着かない様子がレース中継映像でも見てとれた。
逃げていたクールキャットが先頭のまま4コーナーを回った時、ソダシの目の前はぽっかりと空きじわじわと伸びてはいたが、ユーバーレーベンなどの差し馬に交わされ、勝ったユーバーレーベンと0.6秒の小差ではあったが8着に終わった。上位6頭は4コーナーの地点では後方であったため、結果を見ると前目につけた馬はバテた形となった。
次走は夏の札幌記念に向かう事になった。ラヴズオンリーユーやブラストワンピースといった強豪古馬との対決となったが、早めに進出すると最後はラヴズオンリーユーおよび17年マイルチャンピオンシップの覇者ペルシアンナイトを押し切って勝利した。なお馬主の金子氏は、この勝利でJRA重賞100勝目の節目を迎えている(金子HD設立前の個人名義含む)。
次走は残る1冠の秋華賞へ向けて始動する事が9月にアナウンスされ予定通り出走となった。春の実績、札幌記念の勝利等もあって単勝1.9倍の1番人気に支持された。2番人気は紫苑ステークスの勝ち馬のファインルージュ、3番人気はローズステークスの勝ち馬のアンドヴァラナウト。以下アカイトリノムスメ、ユーバーレーベンと人気が続いた。
偶数枠であるものの先入れとなったが、それほど時間もかからずゲートには入った。スタートの直前に首の上げ下げをする動作はあったもののゲート自体はまずますの形で出て、いつものように前目につける形となった。向こう正面に入った時は逃げるエイシンヒテン次ぐ2番手のポジションで、1000m通過が61.2で前目に有利なタイムに思えたが、3コーナー付近から吉田隼人が手綱を動かす展開になり、札幌記念のように早めの仕掛けから押し切るかと思われたが直線では伸びることなく、他馬に次々とかわされた。勝ったのはソダシと同じ馬主金子オーナーのアカイトリノムスメで、そこから離される事10着と掲示板を外した。
レース直後は距離が原因なのか?との声もあったが、管理している須貝調教師の当初のコメントで、「レース後に確認したら歯が折れて血が出ていた、どのタイミングで折れたか分からないがゲートでぶつけたのかもしれない」と敗因の理由では?ということで語っていたが、その後の検査で歯自体は折れておらず、怪我をした歯茎の患部からの出血で、ぐらついている歯の抜歯による処置を行ったと発表があった。
次走は年内最終戦となる12月のダートGI、チャンピオンズカップ。デビュー前から須貝師が温めていたダート競走への挑戦を実行に移す形となった。同レースには1着に翌年のサウジカップへの優先出走権が付与されるため、ソダシや陣営にとってはダート適性や今後を占う重要なレース。連覇を目指すチュウワウィザード、帝王賞を勝ったテーオーケインズや南関東馬筆頭のカジノフォンテン、8歳馬ケイティブレイブなどダート勢の強豪ひしめく舞台へ進出する。
母ブチコはダート4勝、父クロフネはダートキャリア2戦ながら、武蔵野ステークスと同レースの前身であるジャパンカップダートで砂地最強馬としてのポジションを確立させたが、(ただしこの時点で、クロフネの産駒でJRA主催のダートGⅠを勝利した産駒はいない)娘のソダシはこれに続けるかと期待された中での中京競馬場。スタートは成功し逃げることが出来たが終盤失速。12着に沈んだ。
通年ダートで凌ぎを削る強豪の洗礼を受け、ほろ苦いダートデビュー戦で3歳を終えたソダシ。しかしながら翌年のJRA賞では古馬相手に勝利した札幌記念の内容が決め手となり最優秀3歳牝馬を受賞した。
4歳を迎えるにあたり、どのような路線で2022年を戦うのかに注目が集まっていたが、JRAとして最初のG1、フェブラリーステークスに登録していることがわかった。須貝調教師は「出走するかはオーナーと相談して決める」としながらも、「ダートがダメとは思っていない。フェブラリーSはマイルだし、そのあたりを考えて登録した」と語った。
4歳初戦で迎えたフェブラリーステークス。サウジ遠征のテーオーケインズ、ドバイWCを目標とするチュウワウィザードが不在。それでも連覇を狙うカフェファラオや根岸ステークスを勝ったテイエムサウスダン、昨年JBCをそれぞれ制したテオレーマ、レッドルゼル、ミューチャリーらが出走するなどダートの強豪に囲まれる格好となった。
当日は小雨の重馬場。先行策を採り、4コーナーすぎるまで2番手にとどまるが、逃げていったテイエムサウスダンを捕まえることが出来ず、同じように先行策をとったカフェファラオに抜き去られていった。だが、それ以上崩れることはなく、ソリストサンダーにはクビ差つけた3着に粘った(2着のテイエムサウスダンとは半馬身差)。何気に4歳牝馬が中央ダートGIで3着以内に絡んだのは、2000年フェブラリーステークス2着のゴールドティアラ以来らしい(というより、牝馬全般にしてもこのほかには同レースで3着のファストフレンド、2001年フェブラリーステークス3着のトゥザヴィクトリー、2015年チャンピオンズカップ1着のサンビスタで全部である。2018年の京都開催だったJBCレディスクラシックはJpnIだし牝馬しか出ないから除外)。
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この結果を受け、今後も芝、ダート両睨みで春競馬を戦う事になったソダシ。次走は芝に戻り、5月のヴィクトリアマイルに直行することが発表された。
予定通り5月のヴィクトリアマイルに出走。有力馬では1番人気は前走大阪杯で2着のレイパパレ、2番人気に3歳以降安定した結果を残すファインルージュ、3番人気は海外重賞を勝って勢いのあるソングラインで、ソダシは昨秋以降の結果が影響してかは4番人気に。その他1年以上の療養、中385日ぶりの復帰でGI制覇を目指すデアリングタクトが5番人気だった。
レースは先頭に立とうかという程の良い形で出たが、外からローザノワールが交わしてレシステンシア、レイパパレに続いての4番手で進める形。4コーナーもスムーズな形で進み直線で加速、残り200m付近で逃げていたローザノワールを交わした後は強さを示して2着のファインルージュに2馬身の差を付けて先頭で駆け抜けた。昨秋以降の結果からの復活で、GⅠ3勝目を挙げ見事マイル女王に君臨、改めてそのポテンシャルを見せつける結果となった。
なお2歳GⅠ、3歳クラシック、古馬GⅠを全て勝った牝馬としては史上5頭目。更に鞍上は吉田騎手のまま乗り換わり無しでの達成である。他に達成しているのはニシノフラワー、メジロドーベル、ウオッカ、ブエナビスタの4頭のみ。ソダシはこの勝利で歴代の名牝達にまた一歩近づいたと言えるだろう。
春のレースはここが最大目標だったようで、この先のレースは状態面にもよるが夏以降になるかもという趣旨の話を須貝調教師がレース後に語っている。なお金子オーナーの話では「ただ(再び)ダートはないと思います」「海外も今のところ考えていません」と話していた。 ソダシ、今後は国内芝路線(スポニチ)
上記のコメント通り秋はマイルチャンピオンシップを目標とし、連覇の懸かるスーパーGⅡ・札幌記念から始動する模様。金子オーナーが未だ勝てていない秋のマイル決戦に向けて、再び芝で躍動する。
JRAに登録された名前の由来は上記の通り、「サンスクリット語で純粋・輝き」という意味であるが、当のサンスクリット語にそのような意味で「ソダシ」と読める単語が見つからないという議論がTwitter上でなされた。
これについては、以下のTwitterで端的な結論が出されている。
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https://twitter.com/SKT3959/status/1380497961956769793
では、なぜ「16」が「純粋・輝き」になるのか、については以下のTwitterとスレッドで解説されている。
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https://twitter.com/neko_skt/status/1381662569048416259
なお、検索してみると、la Boutique Clédasieの化粧品ブランドにそのまま「Sodashi」という名前のものあり、公式HPに全く同じ由来が書いてある。これを参考にしたか、本当の由来はこれだが商標名が使えないという競走馬の命名規則に抵触するのを避けたのだと思われる。
*クロフネ 芦毛 1998 |
*フレンチデピュティ 栗毛 1992 |
Deputy Minister | Vice Regent |
Mint Copy | |||
Mitterand | Hold Your Peace | ||
Laredo Lass | |||
*ブルーアヴェニュー 芦毛 1990 |
Classic Go Go | Pago Pago | |
Classic Perfection | |||
Eliza Blue | Icecapade | ||
*コレラ | |||
ブチコ 白毛 2012 FNo.2-w |
キングカメハメハ 鹿毛 2001 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
シラユキヒメ 白毛 1996 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
*ウェイブウインド | Topsider | ||
Storm and Sunshine |
クロス:Northern Dancer 5×5
掲示板
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最終更新:2022/07/03(日) 03:00
最終更新:2022/07/03(日) 03:00
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