ディヴィーナ(Divina)とは、2018年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牝馬。
父モーリス、母ヴィルシーナ、母母ハルーワスウィートという血統。
父のモーリスは香港GⅠ2勝をはじめ、GⅠで6勝を挙げ、2016年度の年度代表馬にも選ばれた名馬。産駒にはジャックドール、ジェラルディーナなどがいる。
母のヴィルシーナは、牝馬クラシック戦線でジェンティルドンナのライバルとしてしのぎを削り3冠レース全てで2着。その後マイル戦線に舞台を移し、ヴィクトリアマイル連覇を達成。産駒には新潟記念を勝利しているブラヴァスがいる。
母母ハルーワスウィートは、競走馬としては不利な尻尾のない競走馬であったが、現役時代に中央競馬で5勝を挙げている。種牡馬としては前述のヴィルシーナに加え、シュヴァルグラン、ヴィブロスなど3頭のGⅠを排出するなど優れた繁殖成績を残している。
2018年2月24日、モーリスの初年度産駒の一頭としてノーザンファームにて誕生。その後、母ヴィルシーナのオーナーでもあった「ハマの大魔神」こと元プロ野球選手、佐々木主浩氏がオーナーとなった。
育成時代から順調に成長したようであり、育成牧場からは「同じ時期の母との比較では小柄に出ていましたが、体幹もしっかりとしていて、フットワークには軽く、乗り味も母よりディヴィーナの方が柔らかさもありました。あと、勝気な性格は母と一緒でしたね」と語られるなど、上々の評判だったようである。
競走年齢に達し、ヴィルシーナを管理していた栗東の友道康夫厩舎へと入厩。
2020年7月、札幌シリーズをデビュー目標に調教を重ね、ダート重賞馬のウェスタールンド相手に併せ調教を行い先着するなど期待されたが、友道氏は「動きに物足りなさがある」と語り、加えて歩様にわずかな乱れが見られたため検査したところ、お尻の筋肉を少し痛めていたことが判明。成長を促すために放牧に出し、デビューを遅らせることにした。
放牧を挟んで2021年3月の中京競馬でのデビューを目標としたが、今度は調教中に脚をぶつけて負傷したため出走予定を取り消し。更に5月の第2回開催の中京競馬出走を予定していたが、今度はゲート試験の期限が切れていたため翌週に出走予定をずらすなど、デビュー前は不運が続いた。
2021年5月22日、第3回開催の中京競馬 5R 3歳未勝利戦、鞍上は岩田望来。11頭中4番人気に推されたこのレースでは先行策をとり、直線で上がり最速の脚を使い差し切って初勝利を挙げた。
2戦目は阪神 8R 3歳以上1勝クラスに出走。単勝1.7倍と圧倒的支持を受けたが3着に終わる。
短期放牧を挟み、3戦目は秋華賞の出走権獲得を目標にローズステークス出走を狙ったが、出走登録馬が多く、除外対象濃厚となったため、9月18日の金山特別(中京:1勝クラス)に変更。鞍上を川田将雅に替えて挑んだ金山特別であったが、ワイドエンペラーの末脚に屈し2着に終わる。
4戦目の3歳以上1勝クラス(阪神競馬)では上がり最速の脚を使ったものの、先行したアナゴサン、ダノンドリーマーを捕らえきれず3着に終わる。
5戦目、鞍上を西村淳也に替えて挑んだ12月の中京 3歳以上1勝クラスでは、先行策が上手くはまり見事に勝利を挙げ、デビューイヤーの戦いを終えた。
年明け初戦、1月の中京 4歳以上2勝クラスでは、短期免許で来日中の鞍上:クリスチャン・デムーロに導かれジャスティンカフェ相手に競り勝ち、連勝で3勝目を挙げた。
2戦目の武庫川ステークス(阪神:3勝クラス、鞍上:藤岡佑介)は6着に終わったが、3戦目の豊橋ステークス(中京:3勝クラス、鞍上:吉田隼人)ではしぶとく伸びを見せ、ハナ差で競り勝ち4勝目を挙げた。
次走はヴィクトリアマイル(GⅠ)を選択し、GⅠ初挑戦。鞍上は武豊に変更となった。ソダシ、ファインルージュ、デアリングタクト、ソングラインと好メンバーが揃い、ディヴィーナは14番人気と低評価であった。レースでは好スタートを切ったが、向こう正面で他馬に押し込まれる形となり、そのまま見せ場を作れず11着と敗退。
続く関屋記念(GⅢ)では、5番人気に推されたが13着と大敗した後、京成杯オータムハンデキャップを目標としたが、厩舎内で脚を負傷し放牧に出され、同年の戦いは終了。
年明け初戦、睦月ステークス(OP)から始動したが4着に敗れると、2戦目:京都牝馬ステークス(GⅡ)10着、3戦目:阪神牝馬ステークス(GⅢ)12着と大敗続き。この間、鞍上も福永祐一、坂井瑠星、池添謙一と替わったが、いずれの騎手ともなかなか手が合わなかったようである。
次走はヴィクトリアマイル決定。除外対象ではあったものの、アートハウスやアヴェラーレらが出走回避したため出走可能となった。鞍上にはミルコ・デムーロを起用。ソダシ、ソングラインに加え、二冠馬スターズオンアースも参戦するなど豪華メンバーが揃い、近走二桁着順が続き、OP競走でも勝ちきれなかったディヴィーナは16頭中15番人気、単勝224.9倍と全く人気がなかった。
迎えたレースでは、後方でレースを進めて脚をためると、コーナーで外を回して直線へ。最終直線では一気の加速を見せ、抜け出した有力馬たちを追走。惜しくもソングライン、ソダシ、スターズオンアースには届かず、親子二代制覇とはならなかった。しかし、ミルコ・デムーロの「神がかった」好騎乗に導かれ、抜群の手応えでGⅠ馬たちを追い込む姿は存在感を放ち、同時に競走馬としてのポテンシャルの高さを証明してみせた。
次走は夏競馬の中京記念(GⅢ)に決定、鞍上はミルコ・デムーロが継続騎乗。前走GⅠでの好走が評価されて、2番人気に推された。レースでは前走同様後方からレースを進め、直線で追い込みをかけたが、逃げたセルバーグを捕らえきれず2着に終わる。
続く関屋記念では中団でレースを進め、直線で上手く抜け出したものの、上がり最速の脚を使ったアヴェラーレにゴール板直前で捕らえられ2戦連続で2着と善戦が続く。
次走は府中牝馬ステークス(GⅡ)を選択。出走馬たちは重賞で善戦する馬の多い混戦模様であったが、その中で2番人気に推された。レースでは明確な逃げ馬が不在ということもあり、掛かった状態で先頭に押し出されたが、大逃げのような形で先頭に立ってからは落ち着きを見せ、大きくリードをキープしたまま直線へ。直線では後方から猛追してきたルージュエヴァイユやライラックとの叩き合いを制し、8度目の重賞挑戦で嬉しい重賞初勝利を挙げた。レース後、鞍上のデムーロは「直線は長かったですが、バテませんでした」と語り、オーナーの佐々木氏は「ミルコがうまくやってくれて、やっと勝てた」と興奮しきりであった。
次走はエリザベス女王杯(GⅠ)を選択。馬番は前年覇者である7番ジェラルディーナの隣、8番に決まり、親子二代対決が隣り合うという珍しい構図となった。人気は夏の上がり馬ブレイディヴェーグやジェラルディーナ、3歳牝馬三冠で善戦の続いたハーパーらが人気を集める中、1勝クラス以来となる2000m以上の距離設定が不安視され、8番人気と穴馬扱いであった。レースは後方待機で進め、3~4コーナーにかけて良い手応えで上がっていったが、デムーロ渾身の追い込みも届かず7着に終わった。
次走は香港競馬からの招待を受諾し香港マイル(GⅠ)に出走。鞍上は主戦騎手・ミルコ・デムーロの弟であるクリスチャン・デムーロに乗り替わったが、見せ場を作ることはできず、初の海外遠征は11着に終わった。レース後、高松宮記念が引退レースとなることが発表された。
年が明け、前哨戦を使わず高松宮記念(GⅠ)に出走することが決定。鞍上はミルコ・デムーロに戻った。
当日は前日から降りしきる雨の影響で重馬場での開催となった。迎えたレースでは、スタートで出遅れてしまい万事休す。4コーナーから外に膨らませ直線勝負にかけたが重馬場が響いたか伸びきれず、ナムラクレアの猛追を凌いだマッドクールから大きく離された11着に終わった。
長くしぶとく良い脚を使え、叩き合いで見せる母譲りの勝負根性が特徴的。中京や東京、新潟など左回りのコースを得意としている。
入れ込み癖があったり、位置取り争いで掛かってしまったり、先頭に立つと物見をするなど、やや気難しい面が課題。
父モーリス、母母ハルーワスウィートと晩成傾向の強い血統であり、5歳時に挑んだヴィクトリアマイル前後に「ようやく本格化が始まった」と評さるなど、同馬も例に漏れず晩成型のようである。
モーリス 2011 鹿毛 |
スクリーンヒーロー 2004 栗毛 |
グラスワンダー | Silver Hawk |
Ameriflora | |||
ランニングヒロイン | *サンデーサイレンス | ||
ダイナアクトレス | |||
メジロフランシス 2001 鹿毛 |
Carnegie | Sadler's Wells | |
Detroit | |||
メジロモントレー | モガミ | ||
メジロクインシー | |||
ヴィルシーナ 2009 青毛 FNo.12-c |
ディープインパクト 2002 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ウインドインハーヘア | Alzao | ||
Burghclere | |||
ハルーワスウィート 2001 鹿毛 |
Machiavellian | Mr. Prospector | |
Coup de Folie | |||
*ハルーワソング | Nureyev | ||
Morn of Song |
クロス:サンデーサイレンス 4×3(18.75%)、Haro 5×5×5(12.50%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)、Lyphard 5×5(6.25%)
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掲示板
8 ななしのよっしん
2023/12/10(日) 16:42:58 ID: koqChOIVX0
香港マイル、この馬の近走のマイルの戦績の割にめちゃくちゃ舐められてるので本命でいくぞ
9 ななしのよっしん
2023/12/14(木) 17:09:53 ID: igdJLAhRDM
来年の高松宮を最後に引退か…1200走ったことないけど大丈夫か?
10 ななしのよっしん
2024/03/29(金) 09:15:18 ID: cktFkySJJ7
>>9
デビュー戦を(レース経験のある同世代未勝利馬達をも退けて)勝った競馬場だからということなので。
お疲れ様でした。貴女も大魔神に良い仔を届けてあげてね。
>>6-7
"-ina"を指小辞と解釈して、小さなdiva(女神)/ 女神ちゃん、てな感じに訳したのかな?
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/26(木) 12:00
最終更新:2024/12/26(木) 12:00
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