イグナイター(競走馬) 単語

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イグナイター

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イグナイター(Igniter)とは、日本競走馬である。

2018年4月13日生まれ。鹿毛馬主野田善己。

名の由来は「点火」。育成の際、制御が効かなくなる面があったことからこの名前がつけられた。

な勝ち
2021年:楠賞(地方重賞)
2022年:黒船賞(JpnIII)、かきつばた記念(JpnIII)、黒潮スプリンターカップ(地方重賞)
2023年:JBCスプリント(JpnI)、さきたま杯(JpnII)、黒潮スプリンターカップ(地方重賞)、園田チャレンジカップ(地方重賞)

2022年2023年兵庫県競馬年度代表馬
2022年2023年NARグランプリ4歳以上最優秀、最優秀短距離年度代表馬

概要

血統

エスポワールシチービアンコ、*ウォーニングという血統。
ゴールドアリュール産駒で、ジャパンカップダートかしわ記念などのGIレースを9勝している。種牡馬としては地方で活躍するを多く輩出しており、2019年にはヴァケーションが全日本2歳優駿を勝っている。
は生涯戦績14戦2勝。中央でデビューしたが、3戦の3歳500万下を勝って以降は大敗が続き、2005年大井に移籍するも結局勝てずに引退し繁殖入りしている。
イギリス競走馬種牡馬。生涯戦績14戦8勝、GIではサセックスステークスクイーンエリザベス2世ステークス勝利をあげている。引退後はイギリス種牡馬となり後に日本へと輸出された。欧州日本問わずGIを輩出したが、2000年心不全を起こし死亡15歳という若さ逝した。

点火薬、着火する

イグナイター2018年4月13日に生まれ、1歳の時サマーセールに出され、野田善己に税別650万円で落札された。イグナイターと初めて出会った当時のことを野田「まるで恋に落ちたかのような気持ちだった」exitっている。

2歳

2歳になると東の牧田和弥厩舎に預けられ、2020年11月7日東京新馬戦ダート1600mでデビュー上は武藤。単勝オッズ4.8倍の2番人気に推されて出走し、2着のジンジャーブラッドに7身差をつけて圧勝した。

3歳

新馬戦圧倒的なパフォーマンスを見せつけたイグナイターだったが、次走の3歳1勝クラスでは3着となってしまう。その後、大井福永敏厩舎へと移籍、矢野貴之を背に京浜盃羽田盃へと出走するが、2着、8着と勝ちきれず、次走は地方所属でユニコーンステークス(GIII)新馬戦コンビを組んだ武藤を再び上に出走するも12着と大敗した。

そして、次走の夕凪賞でも2着になったところで今度は兵庫の新子厩舎に移籍。兵庫移籍後初戦のレースでは、田知を背に勝利。続くB1競争も勝利し、次走の名古屋重賞では2着となるも、次の楠賞では上を田中学に変え出走、好スタートを切ってハナをとり、そのまま逃げ切って勝利した。その後、次走のA2競争でも勝利をあげた後、再び田を上に兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)に出走した。序盤にハナを制してそのまま譲らず最終直線に入る。残り100m付近までるも、テイエムサウスダン、ラプタスに差され3着となった。

4歳

明けて2022年イグナイターは始動戦として高知黒潮スプリンターカップを選択。上は田中学。レース序盤から中盤まで先行勢としい先行争いを繰り広げ、残り400mを切ったところでハナを奪取、そのまま最終コーナーを回り直線に入ると他一気に突き放して2着とは7身差で勝利した。しい先行争いを演じたにもかかわらずの圧勝は地方の中でもイグナイターが突き抜けていることを示している。

次走は黒船賞(JpnIII)に出走。レースでは前走と異なり、ハナを譲り3~4番手で追走。第4コーナーに入ったところでインを付き、先頭に躍り出る。直線でヘリオスサクセスエナジー、ダノングッドの猛追を受けるもそれらを振り切って勝利した。地方勝利2018年エイシンヴァラー以来であった。

続くかきつばた記念(JpnIII)も前走同様ハナを譲り先行策を取る。3コーナーカーブに入ったところで先頭のラプタスから2番手で追走し、直線を向いたところで大外からラプタスを抜き去り、ヘリオスの追撃も振り切ってゴールインダートグレード競争2連勝を成し遂げた。

次走はGI級初挑戦となるマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)に出走。フェブラリーステークス連覇を成し遂げたカフェファラオ南部杯を連覇し、今回で三連覇のかかるアルクトス東京スプリント競争などJpnIII3勝の実績を持つシャマルに、前走、前々走で対決したヘリオス、前走のかしわ記念で2着となったソリストサンダーなどの強が出走する中、イグナイターは5番人気に推された。レースではヘリオスハナを取り、イグナイターインに付き先行策を取る展開になる。直線に入るとイグナイターいたインを付こうと脚を伸ばすもカフェファラオヘリオスを差し切れず、さらにシャマルにも差され4着に終わった。とはいえ、地方の中では最先着であり、1着のカフェファラオとは0.2差であるため、十分健闘したといえる。

さらに次走は前走と同じJpnIかつ2022年度は盛岡で開催されるJBCスプリント(JpnI)に出走。こちらも出走は強ぞろいで、昨年の同レースを勝ち、ドバイゴールデンシャヒーンで2年連続2着の実績を持つレッドルゼルカペラステークスリヤドダートスプリント北海道スプリントカップ勝利するなど中央・地方海外問わず活躍しているダンシングプリンス、前走で先着されたヘリオス、昨年イグナイターに先着した兵庫ゴールドトロフィーを始めGIII級3勝の実績を持ち、2022年フェブラリーステークス2着、かしわ記念3着とを示し続けているテイエムサウスダン、昨年のクラスターカップを勝って以降の7戦は勝利からは遠のくもうち5戦は2着という善戦続きのリュウノユキナ、イグナイターと対戦経験のあるラプタスなどが出走していた。レースではダンシングプリンスが先頭となる中、イグナイターは前走同様インに位置取りながら先行策を取る。最終直線に入った際には群に囲まれるも必死込を捌いて前に出ようとする。そして、ダンシングプリンスの後ろに付き追走するも、突き放され、1着のダンシングプリンスとは4身ほど離された5着に終わった。前走同様地方の中では最先着である。

4歳最終戦兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)に再挑戦。先行策を取り、中先頭のオーロラテソーロの番手に付き追走するも、直線を向いたところでイグナイターとその内にいたオーロラテソーロの間からラプタスが抜け出しイグナイターを突き放して1着でゴールインイグナイターオーロラテソーロを差せず、さらにシャマルサクセスエナジーに差され5着に終わった。

こうして、イグナイターの4歳戦は幕を閉じた。ダートグレード競争含め重賞3勝をあげ、には勝利を逃すも地方の中ではトップクラスがあることを示し続けた。そのことを評価されてか、2022年度のNAR年度代表馬NAR4歳以上最優秀NAR最優秀短距離兵庫県競馬年度代表馬に選出された。兵庫所属年度代表馬の受賞は1996年のケイエスヨシゼン以来26年ぶり2頭となる快挙で、サラブレッドとしては初。4歳以上最優秀と最優秀短距離に関しては兵庫所属では初の受賞であった。

5歳

明けて2023年5歳の始動戦は昨年同様黒潮スプリンターカップ中2番手で追走し、3コーナー手前で先頭に立って、そのまま2着以下を突き放して勝利。2着との着差は9身差で、公開調教も同然のレースであった。

その勢いに乗って連覇のかかる黒船賞(JpnIII)に出走する。今回はしくスタートが付かず、スタート直後外に寄ってケイアイドリーと接触してしまうアクシデントを起こすも、何とか第1コーナーに入るまでには4番手に付き追走。中、シャマルに交わされ5番手となり、直線に入るとインをついて脚を伸ばす。しかし、シャマルに3身以上突き放された3着となり黒船賞連覇達成を阻まれることとなった。

次走は3歳以来となる南関でのレースとなるかしわ記念(JpnI)。ここでこれまで上を務めた田中学から笹川翼に変わった。他の出走として、昨年の帝王賞メイショウハリオや昨年のJBCレディスクラシックヴァレーデラルナ、前走先着されたシャマルに、マーチステークスを勝ったハヤブサナンデクンなどが出走していた。レースでは中5番手に付き、第3コーナーから前に出て外を回り直線に入るも、伸びることなく7着に終わった。掲示板を外すのは3歳のユニコーンステークス以来であった。

次走はさきたま杯(JpnII)。ここでも因縁のシャマル突、他ニュージーランドトロフィーゴドルフィンマイル1351ターフスプリント勝利したバスラットレオンに、地方重賞3勝をあげるも前走のイグナイターの出走したかしわ記念で故障し競走除外(出走取消)となったスマイルウィなどが出走していた。スタート後、シャマルは最後方となる予想外の展開となった(シャマルはその後最終直線で上の川田将雅が下し右後肢跛行で競走を中止した)。第2コーナーに差し掛かって以降、ギシギシ、スマイルウィ、バスラットレオンが先行争いを繰り広げる中、イグナイターはその後ろで追走。第3コーナーあたりでギシギシが後退しスマイルウィが先頭に立つも、イグナイターは位置を変えず追走。最終直線に入ると、イグナイタースマイルウィとバスラットレオンの間から一気に抜け出す。バスラットレオンを差し、スマイルウィとしい競り合いを繰り広げ、最後はクビ差で勝利をあげた。何と地方ワンツーという結果となり、昨年のかきつばた記念以来のダートグレード競争での勝利であった。ちなみに、兵庫所属馬のJpnII勝利は初の快挙であるexit

この後は夏休みに入り、コリアスプリント(GIII)していたが出走わず、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)からのJBCスプリント(JpnI)という前年と同じローテで挑む。その前戦として地元重賞園田チャレンジカップ上を田中学に戻し出走。単勝1.2倍の1番人気を背負い出走した。レース序盤はすんなりハナを取る。中、高知アポロティアモに番手でガッチリマークされるもそれを意に介さず、3コーナー手前に入ったときにはもう彼の独壇場。アポロティアモを突き放してそのまま最終直線に入り、最後は流して余裕のゴールイン。2着のアポロティアモにおよそ2身半の差をつけての勝であった。「点火」である初戦は見事に着火、あとはこの勢いに乗ってJpnIを制するだけ…。

そして予定通りマイルチャンピオンシップ南部杯笹川翼を背に乗り込む。3コーナーまではレモンポップに追走することができたが、4コーナーに差し掛かるとおいて行かれてしまい、終わってみれば大差をつけられてしまった。それでも3着のレディバグは半しのぎ切り、2着は死守。兵庫県競馬所属馬として初めてのGI級連対exitを果たし、地方大将としての意地を見せた。

この後はJBCスプリント(JpnI)に出走。前走東京盃大井1200mのレコード更新したドンフランキーは回避したが、同クラスターカップで破りコリアスプリント勝した4歳リメイクが立ちはだかる。他にも昨年同レース覇者ダンシングプリンス、同2着リュウノユキナ、世界駆けるバスラットレオン、おなじみラプタス、南関東スプリンター筆頭ギシギシやなどの強が出走、15頭中9頭のダートグレード競争or際競争重賞勝利経験のあるが集うレースとなった。
レース本番ではスタート直後、ダンシングプリンス騎乗の岩田望来が落するアクシデントがあるも、きっちり先行策をとる。そして、直線で抜け出し先頭に躍り出ると、競りかけてくるリュウノユキナを振り切り、さらに差し切りを図ったリメイクをきっちりしのぎ切り、1身半差で勝利。ついに大きなタイトルに手が届いた。兵庫所属馬としては初のJpnI制覇exitであり、笹川翼、新子厩舎、野田善己もそれぞれ初のJpnI制覇、野田善己は2日前が誕生日であり、遅めの誕生日プレゼントを受け取ったことになる。また、エスポワールシチーは2回産駒のGI級勝利を達成し競走馬時代に同レースを制しているので、子2代の制覇も達成している。

2歳でくすぶり、3歳で着火した「点火」は、その勢いに乗り4歳でJpnIII5歳JpnIIを手にし、そして、ついにJpnIで大きな爆発を起こしたのだ。年間通して安定した戦績とJBCスプリント制覇を評価され、2023年NARグランプリではミックファイアを抑えて年度代表馬を2年連続で受賞。当然最優秀短距離、最優秀4歳以上兵庫競馬年度代表馬も同時に受賞し四冠を獲得した。

6歳

けて6歳はサウジアラビアリヤドダートスプリント(GIII)への登録を行い、招待がかった場合は内戦線のフェブラリーステークス(GI)すことが発表された。レーティングリメイクより高い114と招待されるに十分な値で、笹川翼X(旧Twitter)カタールへの短期騎乗の後サウジに向かう可性を発表するなど海外挑戦は現実味を帯びていたが、「兵庫からの海外遠征に未知の部分が多すぎる」exitという理由から、この年からJpnIに昇格したさきたま杯(JpnI)を大標にフェブラリーステークスへの出走を選択した。笹川JRAの規定上騎乗できないため上は西村也となった。

レースは案の定ドンフランキー逃げる展開に。イグナイターは2番手につけ、そのまま4コーナーまでったものの、ドンフランキーが最初の600mを339という、ダートマイルとしてはあまりにも高速な脚を使ったのを追走してしまったこともあり、みるみる群へ沈んでいき、終わってみれば11着と大惨敗を喫することとなった。とはいえ、元々マイルが長いであった以上、負けるのは仕方なかったのかもしれない。

そしてドバイゴールデンシャヒーン(G1)の招待が届いたため、それを受諾し、そのドンフランキーと一緒に、中央地方という立場の違いはあれど、ドバイへの遠征を決めたのであった。そのドバイゴールデンシャヒーンは、イグナイター番号6ゲート番号1と最内を確保。ドンフランキー番号ゲート番号ともに3、ケイアイドリー(2023年北海道スプリントカップ(JpnIII)勝ち)が番号7ゲート番号5、リメイク番号11ゲート番号8となった。

レースは、ドンフランキー逃げイグナイターとケイアイドリーは中団に控える形に。そしてリメイクは後方へ。Colour Upが垂れるのをよける際、周りがさらに大きくよけて大混乱になりつつも抜け出すが、ドンフランキーとTuzは止まらない。最後はNakatomiとリメイクにも差されるも、きっちり5着掲示板を確保。賞6万ドル(2024年レートで848万4187円か)を獲得した。なお、このよける際の斜行と、の過剰使用に伴い、笹川騎手には前者は4月8日から11日の4日間の騎乗停止後者2000ディルハム(約8万2000円)の罰が科されることとなった。

ダート革が進む昨今の日本競馬界の中で地方として活躍を続けるイグナイター2024年からさきたま杯JpnIに昇格され、ダート距離路線が強化されたが、果たしてイグナイターは今後も活躍を続け、彼の後に続くダートたちの「点火」となり続けられるのだろうか。

血統表

エスポワールシチー
2005 栗毛
ゴールドアリュール
1999 栗毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ニキーヤ Nureyev
Reluctant Guest
エミネントシチー
1998 鹿毛
*ブライアンズタイム Roberto
Kelley's Day
ヘップバーンチー *ブレイヴストローマン
コンパルチー
ビアン
2000 鹿毛
FNo.4-n
*ウォーニング
1985 青鹿毛
Known Fact In Reality
Tamerett
Slightly Dangerous Roberto
Where You Lead
*プラデシュ
1994 栗毛
*ジェネラ Caerleon
Doff the Derby
Bareilly Lyphard
Barger

クロスRoberto 4×4(12.50%)、Hail to Reason 5×5×5(9.38%)、Native Dancer 5×5(6.25%)

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