ダイナフェアリー(Dyna Fairy)とは、1983年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
同父・同馬主のダイナアクトレスとともに、牡馬と混じって戦い抜いた女傑の一頭。
繁殖牝馬としても優秀な成績を残し、現代まで牝系は続いている。
白老・社台ファーム生産、美浦・鈴木康弘厩舎所属。馬主は社台レースホース。
主な勝ち鞍
1986年:京成杯(GIII)、牝馬東京タイムズ杯(GIII)
1987年:オールカマー(GIII)、エプソムカップ(GIII)、新潟記念(GIII)
父ノーザンテースト、母ファンシーダイナ、母父シーホークという血統。
父は言わずと知れた大種牡馬。母は通算16戦2勝。母父はモンテプリンス、モンテファスト兄弟を送り出したステイヤー型の名種牡馬である。祖母のファンシミンは社台伝統の名牝系を構築した名牝で、そのファンシミン系の発展に大きく寄与したのが本馬、ダイナフェアリーである。
1985年、2歳の11月にデビューすると新馬勝ちを収め、続く重賞戦でもメジロラモーヌに千切られたが2着を確保する。同期のダイナアクトレスがダービー挑戦を視野に入れ休養していた中、本馬は着々と力を付けていった。
翌86年1月に京成杯へ出走。相手にはニッポーテイオーやダイナコスモスなど有力馬がいたが、2着ニッポーテイオーに3馬身半差つけて快勝。続くきさらぎ賞3着、4歳牝馬特別4着と勝てないながら好走を続け、ダイナアクトレスが前走ゲート内大暴れが原因で桜花賞に出られないため、代役として桜花賞に出走。ここではメジロラモーヌと勝負する以前の問題で、22頭立て17着に敗戦。ダイナアクトレスがオークスに間に合うことから、本馬は裏街道を邁進することとなった。ニュージーランドトロフィーではニッポーテイオーに、ラジオたんぱ賞ではダイナコスモスに逆襲を許し、それぞれ2着、9着であった。
夏休みを挟んで牝馬東京タイムズ杯で復帰。3連勝の上がり馬アイランドゴッテスを4分の3馬身抑えて勝利を飾ると、ダイナアクトレスが怪我でエリザベス女王杯に出られないために急遽出走。メジロラモーヌの牝馬三冠の野望を打ち砕くには至らず、4着に敗れる。11月末にダービー卿CTに出たが11着に敗れ、3歳シーズンを終えた。3歳時は9戦2勝、重賞2勝。
4歳以後はマイル~中距離、それも裏街道に絞って戦い続ける。年始の金杯(東)を2着と幸先の良いスタートを切ると、東京新聞杯こそ6着に落とすが、中山牝馬S2着と復調。
夏に入るとダイナフェアリーは充実期を迎える。安田記念にダイナアクトレスが出走するためエプソムカップへと歩を進めると1番人気に応える快勝。続く七夕賞は同馬主でいとこのダイナシュートに華を持たせる2着になるも、新潟記念とオールカマーを連勝。普通、このローテからすると次は天皇賞(秋)だと考えたくなるが、ダイナアクトレスが毎日王冠で牡馬を一蹴した事から、ダイナアクトレスが王道、ダイナフェアリーがマイル路線に進むこととなった。
そのマイル路線では、スワンSとマイルCSを連続5着。確かに能力はあるのだが、マイル戦では本職の短距離馬相手には苦戦した。天皇賞に進んだダイナアクトレスは8着に敗れたが、続くジャパンカップで日本馬最先着の3着に好走している。
結局マイルCSを最後に引退。通算20戦6勝、重賞は全てGIIIだが5勝、2着も5回ある。
ここまで見て思っただろうが、本馬のローテーションは基本的に「ダイナアクトレスが進まない路線」を選択されている。一種の使い分けではあるが、ダイナアクトレスは幼少期より社台が誇る名牝として名高い馬であったことから、食い合いを避けたかったのだろう。ダイナアクトレスもダイナフェアリーも、選択された路線で確実な成績を残している、名牝である事は疑いようもない。
1988年より繁殖牝馬としての生活を始めたダイナフェアリーだが、子出しが抜群に良く、2007年(24歳!)の時に産んだステイゴールド産駒まで15頭もの子供を送り出した。因みにラストノートと名付けられたその子は2019年まで中央競馬や金沢競馬で149戦も走り続け、16勝をあげている。
代表産駒には青葉賞を勝ったサマーサスピションと、GⅡ4勝を挙げたゴツいブリンカーが特徴のローゼンカバリーの全兄弟がいる。ちなみにかのウォーエンブレムとの間に、22歳の時に子供を産んでいる。残念ながら血統登録のみで競走馬としては走ってないが。
ひ孫世代ではホクトスルタンやドリームシグナルが活躍、更に下の世代ではルヴァンスレーヴが子孫の中で初めてGⅠを勝ち取り、チュウワウィザードが故障で離脱したルヴァンスレーヴの後を継ぎダートGⅠ路線で安定した活躍を見せた。現代でも活力ある牝系として、主に白老ファームを中心に活躍馬を輩出している。
さて、リアルダービースタリオンにて初期牝馬に選出されたシュシュブリーズであるが、実はダイナフェアリーの玄孫である。つまるところ、リアルダビスタはダイナフェアリーの系統を繋ぐ事でもあるのだ。地道に走る馬を出す牝系なので、期待は大きい。良い馬買ったよ。
ダイナフェアリーは2007年の出産を最後に繁殖生活を引退。功労馬として余生を過ごしていたが、2015年に老衰の為息を引き取った。32歳という大往生であった。
ノーザンテースト Northern Taste 1971 栗毛 |
Northern Dancer 1961 鹿毛 |
Nearctic | Nearco |
Lady Angela | |||
Natalma | Native Dancer | ||
Almahmoud | |||
Lady Victoria 1962 黒鹿毛 |
Victoria Park | Chop Chop | |
Victoriana | |||
Lady Angela | Hyperion | ||
Sister Sarah | |||
ファンシーダイナ 1978 鹿毛 FNo.9-f |
シーホーク 1963 芦毛 |
Herbager | Vandale |
Flagette | |||
Sea Nymph | Free Man | ||
Sea Spray | |||
ファンシミン 1967 芦毛 |
Determine | Alibhai | |
Koubis | |||
Fanciful Miss | King Dorsett | ||
Hianne | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Lady Angela 4×3(18.75%)、Hyperion 5×4×5(18.75%)、Mahmoud 5×5(6.25%)
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最終更新:2024/12/21(土) 23:00
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