ダンテ(競走馬)とは (ダンテとは) [単語記事]

ダンテ(競走馬)(Da nte)とは、1942年生まれのイギリスの競走馬である。黒鹿毛の牡馬。

通算9戦8勝[9-1-0-0]

概要

父 Nearco、母 Rosy Legend、母父 Dark Legendという血統。
父ネアルコはイタリアのフィデリコ・テシオ氏が生産した14戦14勝無敗の名馬だが、種牡馬としてはまだ結果が出ていなかった。
母ロージィレジェンドはフランス産でフランスで4勝。イギリスに購入され繁殖牝馬として活躍した(後述)。
母父ダークレジェンドはイギリスで生産されダービーステークス3着のあと戦火を避けインドで走り通算19戦8勝。
国際色豊かな血統である。

競馬の本拠地から離れたノースヨークシャー州ミドルハムのエリック・オールソン卿によって生産された。
セリに出したが3500ギニーの元値に達せず主取りとなり、オールソン卿の所有のもので地元ミドルハムに本拠地を構えるマット・ピーコック調教師に預けられた。

4月に地元ストックトンでデビューすると、(片田舎の記録なので相手もよくわかっていないが)5ハロン戦で3馬身差、4馬身差、6馬身差の圧勝を重ねた。

戦時下によりニューマーケットで行われた、伝統の2歳重賞として現存するコヴェントリーSでも4馬身差で危なげなく快勝。

1度ストックトンに戻り1つ勝ちを積み重ねた後、2歳G1として現存するミドルパークSに出走すると、ここでも2馬身差で勝利した。

地元では北の期待馬として話題になっていた。

それでも陣営は2000ギニーステークスに強行。レースでは一度は抜け出すも、Court Mart ialに目が見えない左側から強襲され、クビ差で初敗北を喫した。

その後戦争は終結したが戦時下で準備されたためニューマーケットで開催されたダービーステークスでは本馬は万全ではないとみて10-1(11倍)のオッズを付けるブックメーカーもいた。しかし蓋を開けてみると、直線でMi das、Court Mart ialから2馬身抜け出す快勝。ミドルハム出身の馬としては1869年のPretender以来となった。また、後に大種牡馬として語り継がれるNearcoの産駒として初のクラシックホースとなった。
この勝利は地元ミドルハムで祝われ、教会の鐘が鳴り響き、舞踏会が催されたという。

その後セントレジャーを目指していたが、直前で体調不良を理由に回避、引退した。実はダンテはもう片方の目もよく見えない状態だったという。

タイムフォーム社の創設者の1人フィル・ブル氏は「今世紀最高の馬の1頭」と表現した。

ダンテはノースヨークシャー州のチークストンスタッドに迎えられ種牡馬として供用された。「片田舎」で供用された種牡馬としては成功をおさめ、1950年産のイタリア大賞やミラノ大賞優勝馬 Toulouse、1951年産の2000ギニーSやセントジェームズパレスSやエクリプスS 優勝のDarius、女王陛下所有のオークス馬Carrozzaなどを出し、1956年に死亡した。

ダンテは死後も地元の英雄として語り継がれ、1958年にはノースヨークシャー州ヨーク競馬場にダービーの有力な前哨戦となるダンテステークス(2023年の格付けはG2)が設立された。

直系子孫は南アフリカの英雄Hawa iiや自分のダイナコスモス-トロットサンダーがいるが、現在絶滅していると思われる。また、Top villeがMontjeuやYeatsなどの母父となるなど今でも影響を与えている。