デウス・エクス・マキナ 単語

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デウスエクスマキナ

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デウス・エクス・マキナ (Deus Ex Machina)とは、直訳すればラテン語で「機械(仕掛けの装置)から現れた神」という意味(ここでのex英語でいうfromの意味で、一般に言われる「機械仕掛けの神」という訳は厳密には誤訳)。元はギリシア語apo mekhanes theos」(アポメカネス・テオス)からラテン語への直訳である(原典の内容により正確にすると「theos ex mekhanes」が正しいか)。

原典概要

 古代ギリシャ演劇で、話の収拾が付かなくなったときに、機械仕掛け[1]を用いて(この場合、舞台装置であるクレーンから釣られるなどして)神(内容によってはその使者)が演劇舞台に現われ、強引に大団円に持っていってしまう事が多かった。デウス・エクス・マキナはこの神のことをす。
 正確を期すと「機械仕掛けの舞台装置を用いて登場する神(役)」のこと。誤解しやすい点だが、演劇において神自体が機械仕掛け(ロボットやからくり人形)だったわけではない。神役は他の役と同様に人の役者が演じており、その神役が機械仕掛けの舞台装置を使ってよく登場したことから生まれた言葉である。
ものすごく端的に表せば、舞台装置を使って(マキナ)、神様を(デウス、閉幕させる人)、そこに出す(エクス)。を表した言葉である。

 神様が出てきて万事解決、と言うこのご都合主義的な物語手法は、古代ギリシャの時代から批判されていたりする。

ご都合的な解決への解釈

 単なる強引な閉幕の舞台装置をしていたが、そこから転じて、物語で大風呂敷を広げておきながら、それまでに伏線もない中で絶対的な力を持つ存在(いは物語越した事など)を脈絡なしに使用して理やりオチをつける演出方法をす。いわゆる「どんでん返し」の一つ。(例:夢オチなど)
 誤解されやすいが、絶対的な力を持つ存在等で終らせたからと言って、それが必ずしもデウス・エクス・マキナになるわけではない。それまでに伏張るなど、その結末に必然性や因果性があればデウス・エクス・マキナにはならない。(例:水戸黄の印籠など)
 また、デウス・エクス・マキナはあくまでご都合主義的な演出の一形態指す言葉であり、ご都合主義全般指すわけではない点にも注意したい。

 物語の整合性を壊滅させてしまう性質があるため、基本的にはこの手法は好まれない。

 ただし、不条理な展開を演出するため、あえてデウス・エクス・マキナ的手法を用いる場合もある。「不条理オチ」の一部として、不条理文学カフカなど)やショートショートホラー作品、現代演劇落語ギャグ漫画漫才コントなど幅広いジャンルで見られる。(例:突然の死爆発オチ隕石落下オチなど)
 その効果は一様ではないが、コンテンツ消費者に何かしらの強い象(不快感、驚き、恐怖、笑い等)を与えることになる。

 デウス・エクス・マキナを基本形として、これを応用発展させて活用する場合もある。以下にその例をあげる。
 神(など)だと思わせておいて実は…、というようにデウス・エクス・マキナ的展開だと読者を誤誘導したうえで、そこからさらに違う展開にシフトさせるケース。
 オチのつけかた自体はデウス・エクス・マキナ的であってもそれ以前に物の伏線を回収し終えており「物語の本懐」と言える部分にはすでに決着がついていて、「物語を終わらせるという事後処理」にのみ使用するケース。
 物を時系列で並べるとデウス・エクス・マキナとなるが、倒叙手法により先に結末を読者に明かすことで、物語の意味合いを変化させるケース。(倒叙に限らず、時系列を崩して叙述するケースもある)
 群像劇的手法を用いることにより、先に一人の視で物語を最後まで叙述し、これだけではデウス・エクス・マキナにしか見えないが、その後に別の視点(複数の場合もある)も叙述することで読に物語全体のからくりが明示されるケース。

その後の現代的な拡大解釈

 近年のいくつかの作品では、デウス(神)やマキナマシーン)の原義に引かれたか、機械仕掛けの神(人造物もしくはそのまんま外観が機械の神)、大がかりな機械仕掛けの決戦兵器や、あるいはこれまでの物を軽々とひっくり返すような然とした存在そのものに、「デウス・エクス・マキナ」の名を当てているものもあるようだ。(例:機神デモンベインからくりサーカス鉄のラインバレルなど)
 要するに、神様を出す、ではなく、神様を造る、という方向性に解釈されるケースが見られた。
 しかし、強い豪語するものが打ち破られるのもまたお約束であり、物のラスボスとして倒されてしまうことも多い。

 連載漫画テレビアニメなどでは、連載(放映)打ち切りにより物語の途中で理やりオチをつけることを余儀なくされ、結果的にデウス・エクス・マキナになってしまうケースもある。

関連項目

もしかして

脚注

  1. *古代ギリシャ都市国家群は、地中海に広がったいわゆる大ギリシャの諸都市も含めて、高度に機械文明が発達していた。エネルギーとして蒸気、力、重力、大気圧、太陽等を活用している。なものとして、ヘロン噴水聖水自販機アルキメデスによるにはりついた敵を払い落とす巨大腕ロボット式防御兵器、同じくアルキメデスによるソーラーシステムなどが知られている。
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