怪獣王ゴジラ(映画)とは、1954年公開の『ゴジラ(1954年)』の海外公開バージョンである。
原題はGodzilla, King of the Monsters!
1954年に製作され、国内で空前の大ヒットとなったゴジラを海外に売り込むために一部に追加撮影を施した別バージョン。
後に国内に逆輸入され公開されているが、この際に上下にマスクを施してシネスコサイズとしたシネスコ版も製作されている。(コアなファンの間では、シネスコ版のみを『怪獣王ゴジラ』に分類し、スタンダード版は『Godzilla, King of the Monsters!』とすべき、との宗派もある)
国内では1956年に入ってから公開されたため、『ゴジラの逆襲』より遅い計算になる。
主にレイモンド・バー演ずるアメリカ人記者がゴジラ遭遇に巻き込まれる形のストーリーへと改変され、役者のセリフも強引に英語に吹き替えているが、一部作りが甘かったらしく日本語のまま(しかもゴジラが登場してもいないシーン)でゴジラ対策を喋っているシーンも残っているほか、さすがに日本人俳優をそのまま続投させるのは困難だったのか、山根博士や芹沢博士の追加シーンでは代役を務めた役者の顔が映らないように配慮されている。
また、最大の改変点として、オキシジェン・デストロイヤーの使用を拒む芹沢博士関連の部分で、オリジナルでは「世界中の為政者が黙っているはずがない」と言った風に『核兵器の使用』をそれとなく匂わせる部分が存在するが、こちらでは「悪人の手に渡っては大変なことになる」とかなりマイルドな表現に抑えられているほか、ラストシーンの山根博士の「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない」といった部分も削られ「こうして地球は救われた」とハッピーエンドであるかのような終わり方になっている。
後にアメリカでもオリジナルの54年版が公開されているが、オリジナルが公開されたのは21世紀に入ってからである。
また、シネスコ版は単純に上下にマスクをした貧乏ビスタの要領だったらしく、俳優の顔やゴジラ初登場シーンなどがそのまま見切れている状態になっている。
スタンダード版のフィルムは比較的良好であるらしく、過去に数度日本映画専門チャンネルにおいてオンエアされているほか、ゴジラFINAL BOXの特典として付属したほか、クライテリオン盤Blu-rayにおいてもオリジナル54年版とのカップリングで収録されている。
問題は国内で再編集されたシネスコ版で、こちらのフィルム状態は保管状態、映像状態ともに最悪である。
国内公開から23年しか経っていない1979年(昭和54年)に発行されたムック本において既にフィルムの現存数が1本だけとの記述があったという報告があり、丸ノ内東宝封切とされていることからも、元々フィルムが製作された本数自体の少なさが指摘されている。
また、ゴジラシリーズ復活となった年の1984年2月11日、兵庫県伊丹市の伊丹グリーンでの四本立て上映会(『怪獣王ゴジラ』以外のものは『ゴジラの逆襲』『オール怪獣大進撃』『ゴジラ対メガロ』)において、ゴジラが勝鬨橋を破壊するシーンで回転がおかしくなりフィルムが切れてしまう事故が発生して以降はしばらく上映会も行われなかった。
後に2014年にゴジラシリーズ60周年とギャレス・エドワーズ版『GODZILLA(2014年)』の公開を記念しての「発掘!お宝特撮特集」(ほかに『宇宙大戦争 ロングバージョン』『フランケンシュタイン対地底怪獣 オリジナルHD版』『キングコング対ゴジラ 高画質版』を放映)において2014年11月24日に初めてテレビ放送が行われ、この際に「今まで放送もソフト化も無かった この世に一本しかないフィルム」と銘打って「大胆に上下をマスクした」という売り文句とともに放映された。
この際にリマスター等の類は行われなかったとみえて、かなりフィルムに雨傷が残ってしまっていたほか、ゴジラがオキシジェン・デストロイヤーで退治されるシーンには前述の回転傷が残ってしまっていたが、これが却って実況民では盛り上がり、「傷がゴジラを倒すビームだ」と言った具合にネタにされていた。
なお、当時の上映を知っている者も実況に参加しており、30年前からコマ飛び箇所等もそのままだったとのことなので、逆に言えば30年間それ以上の劣化は防がれていた、とも取れなくもない。
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/12/19(日) 01:10:23 ID: p5dhQsTq0Z
存在自体は昔から知ってたけどレンタルでも置いてなくて見る機会が無かったけど
DMMの動画でようやく見る事ができた。
代役や追加撮影の不自然さのツッコミ所はあれど
そこが逆に主人公をどうにか溶け込ませようと頑張ってる感がなかなか味わい深い
特に大戸島の文化を主人公に解説する通訳さんとか
日本語で話しかけようとする主人公に発音が変だなと流暢な英語でツッコむ芹沢博士とか
このへん見ていて微笑ましかった
主役の人も嵐や東京襲撃に巻き込まれるシーンで
大風に煽られたり瓦礫に押し潰されそうになったりと体張って演じていて
その時に一緒にいる日本人を気遣う描写に何かしんみりくるものがあるな
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
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最終更新:2025/12/06(土) 04:00
最終更新:2025/12/06(土) 03:00
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