火皿、雁首(がんくび)、羅宇(らう、らお)、吸い口からなる喫煙具で、「喜世留」とも書かれる。
江戸時代に一般に広まったとされ、時代劇や漫画に登場することが多い。ニコニコで言えば「花の慶次」などが有名ではないだろうか。
現在、喫煙具としては手軽さゆえに紙巻タバコが主流であるが、煙管の持つ風合いの良さやタバコ本来の味が楽しめると愛好家も多く、静かに嗜まれている。パイプ同様に器具の手入れが必要なので、雑に扱って吸うことも減らせるかもしれない。
大きく分けて、羅宇によって雁首と吸い口が繋がれている「羅宇煙管」と、火皿から吸い口まで全てが一体となっている「延べ煙管」がある。
羅宇煙管の羅宇は竹製のものが多いが、金属や木で出来ているものや、高級品では黒檀を使用しているものもある。羅宇以外の部品や延べ煙管では、真鍮・銀・金などが多く用いられる。
本体の価格は、1,000円以下の安価なものから、高いものだと数万~数十万円するものもある。(通販サイトでも取り扱われているほか、オークションでも入手できる)
江戸時代ではステータスとして、特注の煙管を持ち歩く人も多かったそうな。
現在入手できる刻みタバコは、シガレット(紙巻タバコ)やパイプに適するものが大半であり、日本製の煙管用刻みタバコは「小粋」のみである。しかし、ベルギー製の「宝船」「黒船」という煙管用刻みタバコも出回っている。
当然ですが、未成年の喫煙は法律により禁止されています。心も身体も大人になって、余裕をもってから楽しみましょう。
吸う前に刻みタバコを加湿しておくと、味がマイルドになってより楽しめる。
加湿は、タッパーなどの密閉容器に、刻みタバコと水の入ったコップ(水を含ませたスポンジや簡易加湿器)を一緒に入れておく。長く加湿し続けるとカビが生えるので注意。
吸い方は、それなり技術が必要なパイプに比べて簡単で、先端の火皿に刻みタバコを丸めて詰め、火をつけて吸うだけである。
紙巻タバコを吸うように勢い良く吸うと、煙が十分冷やされずに入ってくるため、むせたり辛味の強い味になってしまうことに注意。また、味を楽しむ・肺への影響を考えるのであれば口腔喫煙がおすすめ。
タバコの持ちは詰め方にもよるが、1,2分から長くても5分ほど。吸い終わったら灰皿や灰吹に灰を落とす。(カンカンッと打ち付けると雁首が痛むため指を添えると良い)
続けて吸う場合は再度タバコを詰めて……と繰り返す。
刻みタバコの代わりにシガレットを1cm程度で切り、火皿に入れて吸う方法もある。火皿に載せられるものであれば、パイプ用なども含め自分で刻んで入れれば吸うことができる。ハッカの結晶を乗せて吸うこともできる。
一回で燃え尽くしてしまう紙巻きシガレットより自分で数量を決められるので、定期的な休みで長く吸いたい場合は細かくすることで節約することもできる。
タバコの味は、煙が内部で冷やされるうえに煙管がヤニを吸着するため、まろやかで甘みのある味とされる。
しかし、タバコの種類・湿度・詰め方・煙管の長さ・羅宇の材質など、味の変化する要因が多いため、一概に評価するのは難しい。煙管の面白い点でもあるので、色々試してみるのも一興である。
日常の手入れは、基本的にパイプ用のモールや紙縒(こより)などで煙管内の掃除を行う。
ティッシュで作った紙縒は耐久性に乏しいため、用いないほうが無難。
上記の手入れだけでは煙管にヤニなどが付着していくため、定期的に大掃除を行う。
羅宇が金属製でない場合は、無水アルコールを含んだモールを通して掃除すると良い。(水分の多いアルコールを用いると羅宇が水分を吸って変形したり割れることがあるため)
延べ煙管の場合は、そのまま焼酎などのアルコールに漬けておくだけで簡単に掃除が出来る。
オークションなどで手に入れたものや、年季の入っているものは身体に悪い可能性があるため、使用する前に念入りに掃除をすることをおすすめする。
江戸時代初期のまだサツバツとしていた頃、帯刀できない町奴の連中が旗本奴に対抗するために、総鉄製の煙管を拵えて持ち歩いていたとか。
喧嘩煙管と呼ばれ、40~50cm程度の棍棒の一種のような使い方になる。
煙管についてひと通り知ることができるので、興味のある方はどうぞ。
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最終更新:2024/11/08(金) 07:00
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