猫ミームとは、猫に関係するインターネットミームである。
当記事では、2024年1月末から特に見られるようになった、切り抜いた猫の映像に字幕を重ねてストーリー仕立てにしている動画群について説明する。
概要
実写の猫の映像を切り抜いて背景の前に並べて、字幕をつけて劇のようにストーリーを見せる動画群。
内容は投稿者の日常生活にかかわる話が多い。また、同一人物を表す猫が場面ごとに変わることも多い。声は当てられておらず、あったとしてもその動物の声が入る程度で済まされている。使用される猫は以前からミームにされていたものも多数含まれる。
猫を扱ってストーリー仕立てにしたものでは「Happy cat series」等の動画がTikTokに2023年時点で存在している。そちらにはHappy Happy Happy CatやBanana Catなど、現在の動画に登場することがある猫も登場しているが、「Happy cat series」ではあまり字幕は付けられておらず、架空の話も含めて扱われていた。
現在見られるスタイルの流行の直接的なきっかけは同じくTikTokと思われ、遅くとも2024年1月初頭ごろから「猫ミーム」という名称でこのスタイルの動画が流れてくるという投稿がX(旧:Twitter)上にある[1]。
猫という誰もが知っている素材を使っており、簡易的な編集でも作成できるためか、2024年1月末にYouTubeやニコニコ動画、X(旧:Twitter)等でも多く投稿されるようになった。
素材元の例
動画に使用されうる猫の素材が多数存在するため、素材元の特定は難しい部分が多い。しかし、先述したように以前から海外でインターネットミームとして扱われていた猫も多数組み込まれて動画の一部となっているので、そうしたものであればある程度元ネタの説明ができる。当記事では主なものや、ニコニコ大百科に記事があるものを簡潔に掲載する。
ニコニコ大百科の記事がないものは海外ミームを扱っている「Know Your Meme」としている。検索エンジンからの便宜のため日本語も併記。他にあれば追記をお願いします。
- Banana Cat(バナナキャット/バナナ猫)
- バナナの被り物をした猫。噴水のような涙をよく流す。確認できる限りでの初出は2019年で、TikTokでは先述したように2023年3月ごろからHappy Happy Happy Catとともに使用されていた。
- Chipi Chipi Chapa Chapa(チピチピチャパチャパ)
- 「チピチピチャパチャパ♪」という曲とともに首を振る猫。Christellの楽曲『Dubidubidu』の一節。2023年後半にこの部分を使ったMAD動画が増加し、同年12月に猫の動画と組み合わさってさらに流行。
- Happy Happy Happy Cat(ハッピーハッピーハッピーキャット)
- 「ハッピーハッピーハッピー♪」という曲とともに飛び跳ねる子猫の動画。2015年にTwitter(現:X)に投稿されたな○じま(@1Nssu)氏のペットショップの猫の動画が初出。曲は以前からインターネットミームにされていた「My Happy Song」で、もとはYouTubeでアカウントSuper Single Songs - Kids Songsによって投稿された歌の一節。2023年1月ごろにTwitter(現:X)で曲と音声が組み合わせられ、さらに3月ごろには中国のラー油『老干媽』を食べさせられる動画がきっかけとなりTikTokで流行した。
たまに「ハッピー」繋がりで米津玄師『KICK BACK』MV内のムキムキ米津になっていることがある。
- "Hey Hey You You" Cat Dancing(ヘイヘイユーユーキャットダンシング)
- アヴリル・ラヴィーンの『Girlfriend』(ヘイ!ヘイ!ユー!ユー!)に合わせて人間に腕をつかまれ踊らされている、青い帽子の猫。2023年10月ごろTikTokで流行。
- Huhcat(ハァキャット)
- 「Huh? Cat」とも。舌をベロベロしているヤギとそれに対して「はぁ?」という声でとぼける猫の映像。猫はBenChockyCatがTikTokに投稿した飼い猫のベンの動画、「はぁ?」はドラマ『Dr.House』の声、ヤギはYouTubeにJason Monk氏が投稿した動画から。ヤギの解読不能音声は配信者IShowSpeed氏の発言(1:06:52付近)を2倍速編集したもの。2023年10月ごろTikTokで流行。
- Maxwell the Cat(マックスウェルザキャット)
- 体を左右に揺らしている黒い猫。2017年に投稿された飼い猫の画像が2020年に3Dモデル化され、数年後から回転させられたり左右に動かされたりするようになった。猫ミームでは左右に動く方が比較的多く使われる。
- Oiiaioooooiai(オーイイアーイオオオオイアーイ)
- この言葉の音声が流れながら高速回転する猫。音声が止まると動きも止まる。2021年に音声が投稿され、2023年に出所不明の猫の映像と組み合わせたトランス楽曲の動画がbilibiliに投稿された。猫ミームではトランスでない音声と猫の回転映像が主に使われる。
- Pop Cat(ポップキャット)
- 大きな口をパクパクさせている猫。Xavier Archambault氏が投稿した飼い猫のクラッキングの映像を2020年にDiscordで投稿したところ、友人が口を大きく歪ませる編集を加え、これがTwitterに広まっていった。ちなみにブラウザゲームがあり、世界各国・地域でPopの数を競っている。
- Talking Cats Meme(トーキングキャッツミーム)
- 日本では「説教猫」とも。説教している・されているように見える2匹の猫の動画。説教する側は2023年1月に抖音に投稿された動画、される側はTikTok・Instagramに同年7月に投稿された猫の「グァンダン」の動画。12月に組み合わせられてTikTokで流行。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
- *それ以前にも「猫ミーム」という語句は投稿されているものの、「字幕と合わせたストーリー仕立ての動画」を指す投稿かどうか不明