窒素 単語

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窒素(ちっそ、Nitrogen)とは、タンパク質の部分となる「アミノ酸」など、すべての生物にとって必須元素のひとつである。透明の気体。

概要

地球空気中の約78%を占める気体。
参考として酸素は約21%、その他1二酸化炭素は0.03~0.04程度)

生物は窒素を酸素とともに吸い込んで、二酸化炭素とともに吐き出している。しかしながらまったく吸収されず、また生物の体になんらを及ぼさない。

空気中の窒素は基本的に窒素分子(N2)の形で存在しており、この窒素分子は自然界ではほとんど他の物質と反応を示さない。とにかく安定した不活性物質なのである。

アミノ酸など有機物原料となっている元素ではあるが、ほとんどの生物空気中の窒素そのものを取り込むことができず、窒素原子を含んだ化合物イオンの形で取り込んでいる。代表的な窒素化合物イオンに、アンモニウムイオンNH4+)、硝イオン(NO3-)などがある。アミノ酸もこれらのイオンなどが合成されたものである。地中の窒素化合物イオンは微生物アミノ酸分解して生成しており、それを植物が吸い上げて、動物動物と窒素化合物たんぱく質)が巡り、その排物や死骸として再び地中に窒素化合物が還元されていくのである。

語源

日本語の窒素は、ドイツ語の「窒息させる(sticken)」と「物質(stoff)」を組み合わせたStickstoffの直訳である。

「窒」そのものは「ふさがる、行きづまって進めない、動きがとれないさま」といった意味。

名前こそ「窒息」がであるが、実際のところ窒素は窒息に大して関わっていない。

もちろん窒素だけ吸い込んでいたら窒息する。

逆に高濃度の窒素を摂取すると多幸感で酔っぱらったような窒素中の症状(窒素酔いとも呼ばれる)が出ることから事故の原因となる。潜などを除き日常突然高濃度の窒素にされることはまずないが。

火薬の原料

窒素化合物は火の原料としても重要である。有名な爆発物にニトログリセリンという物質があるが、この「ニトロ」とはずばり窒素(正確には硝)のこと。戦国時代の逸話に「便所まわりの土から火を精製した」というものがあるが、これは尿から染みだしたアンニアから窒素化合物を取りだしていたのである。

肥料

また窒素は肥料の3大要素(窒素、リンカリウム)の一を担う。かつて窒素をふんだんに含む人や畜の尿が「肥」=を出して買う肥料と呼ばれたほど、農耕にとっては大切なものであり、ペルーで採掘される「グアノ」という化石(良質の肥料となる)を巡って外交問題、戦争に至ったこともあった。おせち料理の「たつくり」はイワシが肥料として活用されていたことに由来する。

窒素を活用した生産

20世紀初頭に開発されたハーバーボッシュ法によるアンニアの工業的生産が可となると、窒素を活用した化学肥料の生産が可となった。化学肥料は尿などにべて効果が高く、軽いためウン賃が安く済むなど多くのメリットがあり、農作物の生産効率が善、世界の人口は爆発的に増加した。

またハーバーボッシュ法は弾薬、火の生産をも向上させたため、その後の戦争化した。空気中の窒素を利用できるようになったことは、人類の歴史において大きな転換点の一つといえる。

問題

前述の通り、自然界ではあまり反応を起こさない窒素だが、高温環境下では酸素などと結合することがある。窒素化合物は「NOxノックス)」と呼ばれ、自動車などの排気ガスに含まれている。これらは硝などと同じく性を示し、の原因になるとして問題視されている。また紫外線を受けると空気中の炭化水素と反応し、や喉を刺する化学オキシダントの原因になる。

窒素どうしが二重結合で繋がったアゾ基(R−N=N−R')をもつ化合物は色を呈する物が多く、顔料や着色料などに多く用いられる。アゾ基をもつ抗リウマサラゾスルファピリジン(抗炎症のメサラジンとスルファピリジンがアゾ基で繋がっているのでこの名前)」は、尿コンタクトレンズが着色することがある。

潜水

においては窒素が非常に厄介な問題となる。

  • 窒素酔いによる判断の大幅低下によって事故の原因となる。(※前述のを参照)
  • 後に急な浮上を行った際など、血液に溶け込んだ窒素が気泡と化し様々なをもたらす。(減圧症
    • 浮上後も自然排出まで体内に長時間残留することから、繰り返しの潜で症状が出る場合もある。

特に後者は致命的な後遺症を残す場合もあり非常に厄介

詳しくは 減圧症潜水病) の項を参照。

深深度潜においては窒素分圧を減らしたり含まない、ヘリウムに置き換えた混合ガス等も用いられる。

動画において

ニコニコ動画的には、窒素そのものをどうこうするような動画はさすがにないが、液体窒素を冷却材として使った動画がよく見られる。

詳しくは 液体窒素 の項を参照。

低温の特性を用いた動画実験等も定番。液体窒素に漬けたバラが薄いガラスのように割れてしまう実験あるある高温の溶岩等と対させたり対決させたりといった実験も行われる。

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最終更新:2024/05/03(金) 22:00

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