雄風 (ミサイル) 単語

ユウフウミサイル

1.5千文字の記事

とは、台湾(中華民国)が開発した対艦ミサイルシリーズである。

概要

1980年代からイスラエル対艦ミサイルの『ガブリエル』の改良として初代となる
『雄1』が運用を始めたのを皮切りに1990年代に『雄2』の運用を開始、
そして2000年代に『雄3』の運用が『雄2』と併用する形で開始され、
台湾防衛の要として配備されている。

雄風1型(MGB-1)

大陸側(中華人民共和国)がソ連対艦ミサイルコピーを配備したのを受け、
対抗措置としてイスラエルから初期の対艦ミサイルガブリエル』の購入+配備に
成功し、それを基にした開発が行われ以下のスペックを有することになった。

射程 最大40㎞
(ガブリエルMk2より若干短い)
最高速度 マッハ0.6(固体燃料)
弾頭 75㎏(榴弾)
誘導方式 ビーム・ライディング又は+
セミアクティブレーダー誘導
(何れも母艦からの誘導方式)
アメリカから購入した大戦駆逐艦、新造ミサイル艇、更に地対艦ミサイル仕様開発され、
2012年まで運用されていた。ちなみに開発初期の名称は『雄』であった。

雄風2型(MGB-2)

しかし、技術の発達で『雄1』の旧式化は急速に進んだため、台湾版『ハープーン』といえる
『雄2』が開発された。

射程 100㎞以上200㎞未満
最高速度 マッハ0.8(ジェットエンジン)
弾頭 190㎏(自己鍛造弾頭)
誘導方式 慣性誘導+アクティブレーダー
たは赤外線誘導
は『ハープーン』とべると射程・弾頭重量において劣る面があるが打撃効果を増すために
爆発時に高速の金属片を標に突させる自己鍛造弾頭と終末誘導に赤外線を加える電子戦対策
といった具合に台湾独自の工夫が見られ、更に航空機搭載が加わり運用の幅が増した。
その一方、射程を1000㎞以上に伸ばし、弾頭も増量した対地巡航ミサイルも保有していると
されるが未表の部分が多い。

雄風3型(MGB-3)

2000年代に入って大陸側の上戦力は大幅に増強され、空母機動部隊の運用も開始した。
これに対し台湾は戦力差を埋めるため音速対艦ミサイル『雄3』の開発で対抗した。

射程 100㎞以上300㎞未満
最高速度 マッハ3
(ラムジェト+ロケットブースター)
弾頭 150㎏(自己鍛造弾頭)
誘導方式 慣性誘導+アクティブレーダー
最高速度を増すことによって標艦が満足な対抗措置をとる前に破壊することを
し、同一標に2発を連続発射する双発モードも後述の誤射事故検証で明るみに
なっている。
なお、地上発射開発も行われているが2017年時点では水上艦での運用のみ。

誤射事故

2016年7月1日午前8時過ぎ、高雄海軍基地に停泊していたミサイル艇から本が1発
発射され、78㎞飛行したのち台湾領の島沖海没したがその手前で航行していた船を
貫通し、乗員4名が死傷する事故を起こした。調の結果、以下の事実明らかになった。

  • 当時、本に習熟していないミサイル艇乗員が試験に備えて予行練習をしていたが、
    上官が立ち会っていなかった。
  • 発射管制装置の安全装置が解除され、かつ、発射機に電コードが接続されたまま
    だった。=規則違反
  • を貫通したのは漁に搭載されていた発電装置を本の誘導装置が標と判断したもの。

ほぼ、台湾海軍内の規の緩み=ヒューマンエラーが原因だったのである。

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