韓国語(한국어)または朝鮮語(조선어)とは、韓国および北朝鮮の公用語である。2ヶ国で用いられているにもかかわらず、単に「韓国語」と表記することに抵抗を示す人々もいるため、度々議論の対象とされている。詳しくはWikipedia「朝鮮語の呼称問題」を参照のこと。ただし、本項では以下「韓国語」の語を用いる。
韓国語は、アルタイ諸語の一つに数えられることの多い言語である。日本語とは文法的に似通っている面があるが、両言語の関係は不確かなことが多く、依然として不明である。母語とする人は、韓国および北朝鮮を中心に約7,500万人程度と推測されている。
北朝鮮で主に用いられている言葉と、韓国で主に用いられている言葉との間には方言程度の違いがみられる。発音にも若干の違いがあり、例えば「李」という姓は、韓国では「이」(イ)だが北朝鮮では「리」(リ)と読まれる。ただし、対応関係さえ頭に入れておけば両方の文を読むのは比較的簡単であろう。
韓国語を表記する際に用いられる文字(朝鮮文字)はハングル(한글)である。ハン(한)とは「偉大な」、グル(글)は「文字」を表し、総じて「偉大な文字」という意味である。なお北朝鮮では「ハン」が「韓(한)」につながる事を嫌って、チョソングルチャ(조선글자、「朝鮮文字」の意)もしくはウリグル(우리글、「我々の文字」の意)と呼んでいる。
ハングルは、15世紀に李氏朝鮮(朝鮮王朝)の第4代国王・世宗が、学者に命じて作らせたと云われている。
それまでの朝鮮語は漢字の力を借りて表記していたが、それでは発音などの関係から完全に表記できず、そのため漢字に対する教養のある貴族階級はともかく、庶民は言いたい事があっても自由に表記できない。王はこの事を憂えた…というのが文字創製の理由である、と云う。
そのため当時は「訓民正音(훈민정음)、民に訓(おし)える正しい音の意)」という呼称であった。
しかし、せっかく作られたにもかかわらず、漢字文化を重視する両班(朝鮮の上流階級)からは、「独自の文字を持つことは野蛮人の行うことである」との反発が強く、俗な文字であるとして諺文(언문)、または主な使用者が女子供であった事から女文字・子供文字などと呼ばれて遠ざけられ、世宗の時代以降は衰退した。周時経(1876年~1914年)の命名によってハングルという名称が使われるようになったのは、19世紀末から20世紀初頭と言われている。この時期、政治的にも「独立」が強く意識され、独自の文字であるとしてハングルも再評価されたのであった。
日本統治時代の朝鮮および20世紀中葉の韓国においては、いわゆる「漢字ハングル混交文」が主流になった。これは、日本語の「漢字かな交じり」と同じように、「漢字語」は漢字で、「固有語」や「外来語」はハングルで書くというルールである。しかし、1960年代以降は学校教育から漢字が遠退けられ、徐々にハングルだけで文章を書くようになった。
日本語の単語は「和語」「漢語」「外来語」に分類できるが、韓国語の単語も「固有語」「漢字語」「外来語」に分類することができる。中でも「漢字語(한자어)」は相当な割合に達しているが、そのかなりの割合が日本語由来の漢字語である。このため、ハングル化している「漢字語」の漢字を復元することによって、日本人はかなり容易に韓国語の文章を読みこなすことができる。
一例を挙げよう。例えば、韓国語を学んだことのない日本人が、
제1조(목적) 이 법은 수산업에 관한 기본제도를 정하여 수산자원 및 수면을 종합적으로 이용하여 수산업의 생산성을 높임으로써 수산업의 발전과 어업의 민주화를 도모하는 것을 목적으로 한다.
という文を読んでも、算用数字の「1」以外は何も理解できないと思われる。しかし、この太字部分は本来は「漢字語」なので、日本語の漢字に置き換えると次のようになる。
第1条(目的) 이 法은 水産業에 関한 基本制度를 定하여 水産資源 및 水面을 綜合的으로 利用하여 水産業의 生産性을 높임으로써 水産業의 発展과 漁業의 民主化를 図謀하는 것을 目的으로 한다.
あとは、韓語の「이」(この)、「은」(は)、「에」(に)、「및」(および)、「을」・「를」(を)、「의」(の)、「과」(と)といった助詞や接続詞をちょっと勉強するだけで、次のように解読することができる。
第1条(目的) この法律は、水産業に関する基本制度を定め、水産資源および水面を総合的に利用して水産業の生産性を高め、もって水産業の発展と漁業の民主化を図ることを目的とする。
つまり、最初のハングルが理解不能だからと言って諦めたらそこで試合終了なのである。英語や中国語に比べ、韓国語との間の機械翻訳が比較的正確なのは、日本語と韓国語の文法が似通っていることと、このように単語レベルでも似たものが多いことが大きな理由である。
昔の韓国語の新聞・書籍には漢字がふんだんに使われているため、日本人にも理解しやすい。しかし、学校教育から漢字が追放されてしまった結果、今では当の韓国人たちが漢字を読めない、つまり昔の新聞・書籍を読めないという怪現象が発生している。また、例えば「公有地」も「共有地」もハングルで書くと同じ「공유지」になってしまうなどの同音異義語の問題も発生している。
ここで挙げた例は、いずれも丁寧な表現である。カジュアルな表現も別に存在する。
なお、「안녕」(アンニョン)は「安寧」を意味する。
連音化
パッチムの後にㅇが続く場合はパッチムの発音がㅇに移る。
二重パッチムの場合は左側がパッチムとして発音し、右側が連音化する。
パッチムが濃音の場合はそのまま連音化する。
パッチムがㅎの場合は脱落して発音。
パッチムがㅇの場合は、鼻から息を抜きながら発音する。
流音化
パッチムがㄴまたはㄹの場合はㄹになる。
無音化
パッチムがㅎの場合、後ろにㅇが続く場合は脱落して発音。
パッチムがㄶまたはㅀの場合はㅎが脱落してㄴ/ㄹが連音化。
弱音化
パッチムがㄴ,ㅁ,ㅇ,ㄹのどれかでㅎが続く場合はㅇになる。
激音化
パッチムがㄱ,ㄷ,ㅂ,ㅈのどれかでㅎが続く場合は対応するㅋ,ㅌ,ㅍ,ㅊになる。
鼻音化
パッチムがㄱ,ㄷ,ㅂのどれかでㄴ,ㅁのどれかで続く場合はㅇ,ㄴ,ㅁのになる。
パッチムがㅁ,ㅇのどれかでㄹが続く場合はㄴになる。
濃音化
パッチムがㄱ,ㄷ,ㅂのどれかでㄱ,ㄷ,ㅂ,ㅅ,ㅈのどれかで続く場合は対応するㄲ,ㄸ,ㅃ,ㅆ,ㅉになる。
口蓋音化
パッチムがㄷ,ㅌのどれかで이が続く場合は지/치になる。
日本語を逆再生した動画に「韓国語」タグがつけられることがしばしばあるが、これは日本語のイントネーション(アクセントとはまた別)が関係しているものと思われる。日本語のイントネーションは文頭が高く、文中から文末にかけてだんだんと低くなる場合が多いが、逆再生では抑揚があべこべになる。この奇異な抑揚と、もともと発音上の母音と子音の割合が似ている点が、韓国語を彷彿させる要因となっているのかもしれない。
ちなみに標準的な韓国語(ソウル周辺の話し言葉)は単語の切れ目ごとに高くする以外にはあまりイントネーションをつけない。したがって韓国語を逆再生しても日本語に聞こえることはあまりない。
ただし、もともと日本語と韓国語は発音が似ており、(逆再生でない普通の)韓国語を聞いても場合によっては日本語に聞こえることがある。歌に関しては西洋音階によりイントネーションのほうそくがみだれるので、より日本語チックに聞こえる。その好例が「斜め2ミリ」でおなじみの韓国語版To heartのOP音源を使ったフラッシュである。
掲示板
337 ななしのよっしん
2023/07/29(土) 18:25:33 ID: Hu6PsRLRQe
>>335
・日本語にない有気音無気音の対立の存在
・「濃音」という日本語どころか中国語にすらない子音の存在
・閉音節(子音で終わる音節)の存在
・そもそも母音の数が違うから「あ・い・う・え・お」に加えて更に行を増やさないといけないんだが…
まぁ仮名の導入は問題だらけだな
338 ななしのよっしん
2023/08/30(水) 17:42:48 ID: xyL3xuRvcP
グーグル翻訳にぶっこんでもちゃんとした訳が結構出るから、単語とか合ってればちゃんとした韓国軍の歴史を学べて面白い。
だけど軍事用語を変に訳すのと、グーグル翻訳もDeepLも勝手に文章を省略するから、結局英語文献読むのと同じ労力かかるわ。
それに北朝鮮のハングルは、意味の乖離や借用語の違い(北ではロシア語・中国語が主体)で、グーグル翻訳ぶっこんでもちゃんと約せるか怪しそう。
339 ななしのよっしん
2023/08/31(木) 16:32:50 ID: kX4aKZ7Von
DeepL翻訳がずいぶん前から韓国語に対応してたの知らなかったわ…
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最終更新:2023/12/04(月) 09:00
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