PC-6601とは、日本電気ホームエレクトロニクスが発売していたパーソナルコンピュータである。通称「ろくろく」。
後継機種としてPC-6601SRがある。こちらは専用のテレビ機能つきディスプレイとセットで「テレビパソコンMr.PC」という名称で呼ばれ、広告では「六本木パソコン」というキャッチコピーもあわせて使われていた。
PC-6601は1983年11月21日に発売された8bitパソコン。同年7月に発売されたPC-6001mkⅡの上位機種である。3.5インチのフロッピーディスクドライブを内蔵し、添付のフロッピーディスクに日本語ワープロ、表計算、ゲームといったアプリケーションソフトを収録した。
これにより、買ってすぐ使えるということを大きくアピールして、PC-6001から始まっていた「ソフトウェアプレーヤー」的な思想をさらに一歩進めることとなった。
PC-6001mkⅡからの機能向上点は、上記のほかには、漢字機能と、音声合成機能が若干強化された程度であり、画像表示能力等は同じである。
漢字機能については、本体内蔵の漢字ROMには変更がなく、学習漢字+αの文字数しかなかったが、添付の日本語ワープロソフトでは、フロッピーディスク側に文字フォントを持たせることで(当時の8bitパソコン向けワープロソフトではそれほど珍しい手法ではなかった)、JIS第一水準の漢字をすべて使用できるようになった。
さらに、オプションとしてJIS第一水準の漢字すべてを収録した拡張漢字ROMカートリッジを用意し、これをBASICと添付の日本語ワープロソフトどちらでも使用できるようにした。
音声合成機能については、PC-6001mkⅡの持つ機能に加え、音声に音階と音長を指定できるようになった。つまり「歌う」ことができるようになったわけである。
たったこれだけの違いではあるが、ただしゃべらせるよりは格段にできることが増えたのは間違いない。音階は不正確で、長く歌うことができない(1行ごとに文字列を音声合成LSIに渡すデータに変換するための時間がかかる)が、それでもその機能を生かし、当時FM大阪のラジオ番組「カモン・コンピュート」でDJや歌手を務めた。
PC-6601SRは1984年11月20日に発売された8bitパソコン。同時に発表されたPC-6001mkⅡSRと、フロッピーディスクドライブの有無以外、機能はほとんど同等である。
PC-6001mkⅡSRと本機は、先述のテレビ機能付きディスプレイと組み合わせた場合にテレビ映像やビデオ映像とパソコン画面のスーパーインポーズが可能になっているが、本機はさらに左記の組み合わせの際にテレビ番組の予約ができ(録画ができるわけではない)、またキーボードがワイヤレスでも利用可能になっている。このあたりには、すでに「パソコンテレビ」としてスーパーインポーズなどの強力な映像機能が話題になっていた、シャープのX1シリーズへの対抗意識があったとも言われている。
「Mr.PC」という名称と、「六本木パソコン」のキャッチフレーズは、初心者層とともに、今までパソコンへの興味の薄かった層へのアピールも狙っていたものと考えられる。しかし、初心者層にはMSXという強力なライバルがあり、またそれ以外の層への浸透はなかなか難しかったようで、販売面では成功したとは言いがたい。
この後、パソコンをソフトウェアプレーヤーにするべく、標準でアプリケーションソフトをバンドルするという考え方は、日本電気グループのパソコンではしばらく鳴りを潜める。
PC-88VA、PC-8801MCなどを経て、98Multi CanBe、98MATE ValueStarで大々的に復活するのは、10年近くも後の話である。
PC-6601の発売当時、今で言うパソコンは「マイコン」と呼ばれることのほうが多かった。当時はコンピュータといえば汎用機のような大型ラック筐体サイズが標準的なイメージであり、机や冷蔵庫サイズのワークステーションなどを「ミニコン」と呼ぶほどだった。卓上サイズのコンピュータは更に小さいという事で、MicroなComputer、略して「マイコン」である。
更に、当時はまだコンピュータを個人が持つこと自体が珍しかったため、自分のコンピュータ(MyComputer)という意味合いもあった。この考え方は、個人用途のパソコン(PersonalなComputer)、つまり現在一般的に呼ばれる「パソコン」に繋がる。
今のWindowsのような共通のOSはなく(そもそもそんな多機能で汎用的なOSは乗せられないほど性能が低かった)、各メーカーはさまざまなマイコンをリリースしていた。メーカーは差別化のため、独自の機能を追加したものも少なくない。
その中でも、PC-6001mkⅡの音声合成機能、そしてPC-6601で追加された歌う機能は、他に類を見ない際立った特徴となり、他機種のユーザーにも強い印象を残した。
しかしニコニコ動画では、β時代にもすでにPC-6001/PC-6601関連の動画が投稿されてはいたものの、ゲームソフトのプレイ動画が中心であり、レトロゲーム動画の一カテゴリという状態が長く続いた。
ところが、2007年9月にVocaloid2(初音ミク)がニコニコ内で流行ると、とにかく声っぽいものを発する装置やプログラムで歌を歌わせる人たちが急速に増加し、その流れに乗って、PC-6601を歌わせた動画も投稿されるようになった。
(この動画を皮切りに、9月中に5件以上、10月にも10件以上の投稿がある)
さらに10月には、「PC-6601が歌うタイニーゼビウス」が話題となり、VOCALOIDによるカバー版が作られるなどして、おっさんホイホイとしての立場を確立した。
(ただしこの楽曲は2005年に同人CDとして発表されたものであり、ニコニコ動画が初出ではない)
これ以降、「80年代PCを動かしてみた」動画が増えたような気がする。
当時のプログラムはカセットテープに保存する方法が一般的だったので、当時の一般的なパソコンにはプログラムを音声データに変換する機能がついている。投稿された動画の中には、この機能を使い動画音声でプログラムを配信しているものもある。この音声は人が聞くと「ピーガガガガ・・・」といったノイズとして聞こえる。聞くときは音量に注意。
PC-6601が出演したラジオ番組
掲示板
14 ななしのよっしん
2014/02/20(木) 02:30:57 ID: CFxL/59zrk
ISOによって、OSは何であり、何ではないかが厳密に定義されている昨今、
それに則るとN66-BASICは明確にOSではないことが議論の余地なく確定するわけだが、
>>11は学術機関で正しい教育を受けていないためか、
パソコンの電源を入れたときに立ち上がるものが例外なくOSであると
そういう勘違いをしているように見受けられる。
15 ななしのよっしん
2014/12/28(日) 20:04:24 ID: qGuMtq8qrE
>>sm24651479
よく出来てる!
16 ななしのよっしん
2017/01/15(日) 00:04:44 ID: hLICOjZvSU
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最終更新:2025/12/24(水) 21:00
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