昨日
俺は尊敬すべき男が撃たれて死ぬのを見た。与えられるべきではなかった傷でボロボロになった女の子に薔薇を残すためにそいつは死んだ。
今日
その子はそのことを覚えていない。三つの防音室が閉まっても俺は彼女の悲鳴を聞くことができる。
黒、白、黒、白、黒、白、灰色 - SCP財団より,2022/08/24閲覧
SCP-231-7とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『Special Personnel Requirements (特別職員要件)』。
なおこのオブジェクトは一部に性的な描写が存在する。といっても「エッチで淫ら」というよりはオブジェクトの異常性にまつわる部分でそれを描写せざるをえないというような内容であり、アダルトコンテンツというべきものではないが、SCP-ENでは現在アダルトコンテンツ表示となっているためここに言及しておくものとする。
それともうひとつ、この項目で扱う報告書は「SCP-231-7」となっているが、無論SCP-231-1 - SCP-231-6が存在していた。外宇宙の我々にはそちらの報告書こそ明かされていないが、「SCP-231」を理解する上でSCP-231-1 - SCP-231-6の詳細はそこまで重要でもなく、SCP-231-7の報告書にも十分すぎるほど記載があるため、SCP-231は本記事へのリダイレクトとする。
SCP-231-7 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Keter |
収容場所 | 機密事項 [1] |
著者 | DrClef |
作成日 | 2008年10月4日 |
タグ | k-クラスシナリオ keter scarlet-king アダルト 人間型 儀式 生命 生殖 知性 自我 |
リンク | SCP-231 |
SCPテンプレート |
SCP-231-7の特別収容プロトコルをまずは読んでいこう。原文ではこれに先立ち、まずこれを取り扱うべき職員の要件が記されている。この報告書自体、SCP-231-7の収容方法というよりはむしろそれを実行する職員がどういう人であるべきかを焦点としているフシがあり、前述の項目名になっているといえよう。
すべてのSCP-231-7担当職員は、2ヶ月間のサイト勤務の後に交代し、1ヶ月間心理学的カウンセリングを受ける必要がある。これは後述の内容から、SCP-231-7にミーム的効果があるとかそういう内容ではなく、その実験内容に精神的に苦痛を覚えるからという理解をしていただきたい。
SCP-231-7担当職員になった者はサイト入場を許可される前に厳しい心理学的検査を受けなければならない。個々の職員はミルグラム副重度検査で少なくとも72点を得点し、未婚で子を持たず、財団に完全な忠誠を示していないとならない。第II軸障害に対する通常の心理学的スクリーニング検査、つまりパーソナリティ障害を持っているかどうかということの検査は、Dクラス職員が処置110-モントークなる処置を実行する際にそれを耐えられるだけの精神的素養さえあればパスすることができる。
SCP-231-7の境遇に共感を示す、あるいはSCP-231-7を救出するかその救出に共感を示す願望を示した職員は直ちに他のプロジェクトへの転属を命じられる。なお実際に救出を試みた場合は即時終了となる。SCP-231-7収容チームスタッフはこの情報を他者に漏らさないことを要求される。更に勤務中は常に身元を隠すためにボイスチェンジャーつきのフルフェイスヘルメットをかぶり、制服を含め他の人員の前で脱ぐことも赦されていない。非番の日は個人用宿舎にてひとりで過ごすことを要求されている。
SCP-231-7担当職員となったことは公的記録としては記録されず、当該業務は当該人員の個人ファイルに記載されることもない。またこの収容場所も隠匿されており、SCP-231-7担当職員となった際はサイト-19から目隠しをされて航空機・自動車・地下トンネル・およびなにかしらを含んだ7つ以上の搬送方法で収容場所に移送される。この行程中に目隠しを外すことは即時終了要件となる。
上記の正規職員のほか、月に6名のDクラス職員が処置110-モントーク要員として送り込まれる。彼らは過去の犯罪歴から厳正な選定がなされ、暴力的性向を持つものは処置110-モントーク実行中の不慮の死の原因となるためこの目的には用いられない。
ということで、これでようやく特別収容プロトコルを解説できる。まず、SCP-231-1 - SCP-231-6に関してだが、後述するが既に収容は失敗している。これは各SCP-231個体の脱走及び自殺によるものであり、これをもとにSCP-231-7に関しては防音された留置房内に収容され、処置110-モントーク要員の6名のDクラス職員用の留置房が隣接していて、いかなる時でもカメラで房を隅々まで監視して、24時間体制で人員が配置されていなくてはならない。すべての扉は磁気的に施錠され、監視施設からの解錠でのみ開けることが可能。
SCP-231-7は処置110-モントークを行っているとき以外は必ず、医療用ベッドに拘束された状態で寝かされており、給餌は1日2度ヒポクラテスの誓いを行っていない医療職員により栄養管を通じて行われる。いかなる時でも、催眠剤・麻酔剤・その他認可されていない薬物はSCP-231-7に投与されない。
なお、ここまで引っ張ってきてなんだが、実は処置110-モントークの内容それ自体は報告書から記述が削除されている。明かされているのは、24時間毎にそれが行われる、ということだけだ。
SCP-231-7は、女性で年齢は█から██の間、とのこと。秘匿されているが要は若年の少女ということになろう。彼女は他のSCP-231とともに、Children of the Scarlet King (緋色の王の子ら) と名乗る組織が所有する倉庫を警察が襲撃した際に回収された。新聞では『警察セックスカルトを襲撃、7人を救出』という見出しで報道された。しかし、救出から24時間後、SCP-231-1は何かしらのアノマリーを出産しその際に死亡。このアノマリーによって数百人の犠牲者を出した。財団はSCP-231-2 - SCP-231-7の身元を引き受け、処置110-モントークの制定に動いた。
この最中、SCP-231-2は胎児摘出中に死亡、SCP-231-3は自殺、SCP-231-4はSCP-500を投与され体内からアノマリーを排出したが残骸がアノマリーと化して母体ごと多数の人間を殺害。SCP-231-5は処置110-モントークに失敗して出産したアノマリーに殺害され、SCP-231-6はその境遇を憂いたエージェントと共に逃亡しようと試みたが財団がエージェントを終了しようとした際に流れ弾にあたり死亡。いずれのケースでもアノマリーを出産しており、多くの死傷者を出している。
ということもあり、SCP-231-7はガチガチに拘束した上で自殺すらできないようにし、処置110-モントークを適切に行っている。この処置110-モントークはO5評議会員も認める通り悲惨であり、処置の中には暴力的ななにかも含まれているという。特別収容プロトコルにおいても、監視こそしなくてはならないが、聞こえてくるSCP-231-7の声が悲惨であればその音声を切ることは許されている。あまりの悲惨さに、財団への忠誠度をテストするためにSCP-231-7の任務につかされるという噂があるらしいのだが、O5自身は「そのような噂は真実ではない」と回答している。
しかも処置110-モントークが適切かどうかはSCP-231-7の情動反応によるものらしく、財団は処置110-モントークになれて情動反応が薄れてきたSCP-231-7に対して、「記憶処理を行って1から何も知らない恐怖を与えるべきだ」「いや間隔を不定にすることでいつ来るかわからない恐怖を」のような話し合いがなされていたりする。
一切記されていない処置110-モントークについては、多くの読者が筆者であるDrClef氏に尋ねていた、そしてその際にDrClef氏は笑っていたという。DrClef氏の盟友であるAdminBright氏はSCP-ENのFAQ (旧版、Rev.54あたりを見ること)にて「素人が代役を演じているロッキー・ホラー・ショー」「乾燥したチョコチップクッキーをミルク無しで与えるんだ、そして残りの人達は彼女を見て笑う」「まずゾウがトランペットを吹いて、(中略)プルトニウムの原子分離でしめます」などとからかったかのように回答している。
SCPの新世代の旗手と持ち上げられるdjkaktus氏はTale『ひとりっきりで怯えてろ』を執筆したが、その作品における処置110-モントークは「彼女に就寝前に絵本を毎日読んであげること」となっている。「処置110-モントークで怯えるべきなのは、SCP-231-7ではなく、報告書を読んだあなただ」という皮肉である。
しかしながら「セックスカルトから救出された女の子」「その子達が出産するアノマリー」という情報から、多くの人は「Dクラスによる幼女の強姦なのではないか」と思ったようである。事実、Eskobar氏のエッセイ『禅とデータ削除済』では、以下のように言い切られてしまっている。
110-モントーク処置がド素人が代役やってるロッキーホラーショーだというのはすべて冗談です。貴方が真っ先に思いつくのは暴力的な強姦でしょう。さらに、暴力的な強姦以外の何かで埋めるために、それ以外の発想をする必要があります。貴方がどんな結論を導こうと自由ですが、この検閲は貴方をひとつの結論に導こうとします。まったくとんでもないヤツだ。
禅とデータ削除済 - SCP財団より,2022/08/24閲覧
実際のところ、処置110-モントークがどんなものかは読者に想像の余地を与えるものにはなっているが、「読者が想定したそれは、あなたがそれを彼女に与えているんだ」とつきつけられているのだ。
報告書を読んだら、その後ページのソースを確認いただきたい。そこには長い詩が書かれている。この詩はどうやら、本報告書で語られていない部分に触れているようだ。
そして先述のO5のメッセージの下には小さく、こう書かれている。
彼らが彼女を助けようとしているなどという言葉を信じるな。何を悩む必要がある?彼らにとってはあるべきものがあるべき場所にあるんだぞ。
SCP-231 - SCP財団より,2022/08/24閲覧
O5は「彼女を助けたいとは思っている」というものの、「ひとりの命」と「世界」が天秤にかけられている状況で、本当に少女を助けたいと思うのだろうか。彼女1人の人権を剥奪するだけで、世界は救えるというのに。
SCP-2317 - 異世界への扉は7つの鎖、うち6本が破壊されていて、破壊されるたびに大きな災いが起きたと説明され、同じ著者で意識したかのような番号が付番されている。これは偶然なのか?ぜひともSCP-2317も読んでいただきたい。
また、SCP-4231 - モントーク・ハウスやタフトの提言 - 緋色の王でもSCP-231-7が間接的に言及されている。
ジョークオブジェクトではSCP-999-JP-J - マスター・くすぐりオバケがSCP-231-7の助産師をつとめた模様。ムキムキマッチョスライムのもと、お産は上手く行ったのか?
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最終更新:2024/11/08(金) 00:00
最終更新:2024/11/08(金) 00:00
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