三橋貴明「はい後半です。この対談をやりたかった最大の理由っていうのが、私がなんかカテゴライズされてるってことなんです」
三橋貴明「レッテル張りですけどね、それで「三橋は保守派だ」と。でどうも保守派って名乗ってる日本の、多くとはいいません一部は、「保守派の経済学は新自由主義でなければならない」みたいな固定観念があるみたいなんです。これたぶんね、多分に小泉(進一郎)さんの影響だと思います。小泉さんは靖国神社行きつつ竹中(平蔵)さんの言う事聞いてバリバリな規制緩和とか財政均衡主義とかやりましたけど、プライマリーバランスとかもそうなんだけど、それでなんか結びついちゃってて、「三橋はなんか日本を愛するとか言ってる割になんであいつはケインズ主義的なこといって、共産主義者だ!」とかいってよくわかんない、バラバラなんですよ!」
三橋貴明「違う違う、だからもうめちゃめちゃなの。ただしあの人たちの頭の中だと、ハイエクとかフリードマンかな、ハイエク・フリードマンが共産主義に対抗するっていうような状況・環境下においてケインズを否定しちゃったから、どうもミックスされているみたいなんですよね」
倉山満「ああ~なるほど。その定義で言うと新自由主義が保守派で、それに対して皇居に記念日の度に行って旗振りながら竹中さんの悪口言ってた人が真性保守ですか?もう本当にそれぐらいの次元が低いようなレベルのレッテル張りしかなされてないんで、それでTPPっていう問題が海の向こうからやってきた。「保守は賛成すべきか反対すべきか」」
三橋貴明「「真性保守は賛成すべきだ」とか言ってやってるわけですよ。なんなんだ」
倉山満「真性保守って何ですか?みたいな。「皇室典範に賛成の人はTPP反対しないといけない」とかあるいは逆とか、関係ないですよね」
三橋貴明「関係ありません。だから要はこういうことだとも思うんですね。まず問題がいっぱいありますよ。でそれぞれ一個、価値観はバラバラだけど私は「国民経済を成長させましょう」って価値観を持ってますと。それに基づいてこれはこう、これはこう、これはこうと。でたとえば靖国の問題とか皇室の問題とかで日本が引いちゃうってことは別に日本が縮小しちゃうって話じゃなくて、外から攻められているわけですよ、思想戦で。ということは中国の思想戦なりアメリカがやられちゃうってことはそれは駄目、国民経済的にも駄目。だからこういう感じで一つ一つ判断していけばいいんだけれども、なぜか枠で捉えようとして、その枠の中でこの問題についてはこう、この問題に対してはこうという勝手な判断が誰かでなされていて、決まってるんですよねボーンって。だからちょっとでもそれに反すると「三橋は保守派じゃねぇ」だから最初から名乗ってねぇじゃんってんだけれども、そういう批判の仕方をしてくるので、なんだろうなぁ、これはでも実は今に始まったことじゃなくて、それこそフランス革命からずっとそんな感じ」
倉山満「そうですよね。TPPなんか行政問題で皇室典範は政治問題。本当はぜんぜん違う次元で一つの答えで全部整理整合しなきゃいけないみたいな話ですよ。じゃあそれこそフランス革命で言うと、王政復古なのかナポレオン帝政なのか共和派なのかってこれ政治問題ですよね」
三橋貴明「そうですね」
倉山満「でパリの街をきれいにするとかって清掃で大騒ぎするのって行政問題ですよね」
三橋貴明「もちろんそうです」
倉山満「本当にトイレがなかったんで町中に汚物捨ててたっていうんでそれはそれで重要で、片一方で王党派か帝政派か共和派かってこっちも重要で、でも違う次元じゃないですか、それをごっちゃにするようなところが日本人の政治問題と行政問題をごっちゃにしてる思想の脆弱性かなぁと」
三橋貴明「王党派だとドブさらいはしなくちゃいけないとか、帝政派はドブさらいをしてはいけないとか、なんで!?」
倉山満「だから皇室典範とTPPをごっちゃにするってそのレベルの話ですよ本当に」
三橋貴明「そのレベルの話ですね。でも一つ分からないのが、いわゆる真性保守とか名乗ってる人たちってTPP賛成してる人が結構いるわけですよね、でもTPPってあれは要は新自由主義とか新古典派経済学とかに基づいて美しいグローバリズムな世界が頭にある人が、アメリカの投資家がどうしたら一番儲かるかなって作りあみ出したプレイマークじゃないですか。それになんで反対したら文句言われなくちゃいけないの?って話なんで。要は中身分かってないのか、もしくはTPPっていうのをイメージで捉えているから単に「これは良いものだ」って勝手に判断しているのか、その辺がよく分からないんですよ。見てないんですかね中身」
三橋貴明「そうです」
倉山満「だから恐ろしく大根切りする言い方をすると「超巨大な国際的な流れ作業」じゃないですか。だから「流れ作業に賛成ですか反対ですか」って言われたらそら「賛成です」っていいますよ。で現実の流れ作業どういうルールでやるんですかってそれは現実の行政問題で、じゃあどういうものが出てくるかによってやるしかなくて、でTPPのとき私反対論表明したのは野田さんが「やります」「じゃあTPPの中身なんですか」「分かりません」そら賛成できるわけないに決まってるじゃないですか」
三橋貴明「本当ですね」
倉山満「だから「流れ作業に賛成しない奴は頭がおかしい!」ってそらそうなんだけど「野田さんはどんな流れ作業やろうとしているのか分からないのに賛成も反対もできないじゃないか、どっちかというと反対じゃないか」というとクレーマーがわけわかんないって言われたんですよ」
三橋貴明「今の「流れ作業」っていうのを竹中(平蔵)さん式に言うと「自由貿易」って話になるんですよ。で「自由貿易に反対ですか」って言われると「いや別に賛成だけど」「じゃあTPP賛成だね」「えっ?」」
倉山満「その間にものすごい細かい議論があります。TPPとかいったら本物の専門家で実際に交渉している何人かしか分からないじゃないですか」
三橋貴明「分からないですね。ただしそういうのを国民に説明すると「分かんない」って思ってる人たちよりは「まずい」って思ってる人たち、国民が損する話結構あるから、それで「自由貿易です」ってそれこそスローガンだけを掲げて押し通そうとしている時点で絶対に胡散臭いわけですよそういうものっていうのは。だいたい私に言わせれば自由貿易だっていろいろな前提が無ければ皆がハッピーになることなんて無いわけですよ。たとえば「資本移動の自由が無い」とか「完全雇用が成立している」とか「セイの法則がある」とか、今はぜんぜん全部成立していないわけだけども」
三橋貴明「ハハハ。そうなんですよね。それにもかかわらず「自由貿易だからやるんです」なーんて言われたらですね、なんだろうなぁやっぱりこれねケインズの時代にも同じようなことがあってケインズがこういう言葉を残しているんですよ「経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられるよりもはるかに協力である。事実世界を支配するものはそれ以外には無いのである」っていうことなので、結局色んな思想とかが、既得権益って言葉は使いたくないんだけれど、ある程度の利害関係がある人と結びついちゃってるっていうのが現実の世界で、結果的に利害関係がある人が強い、声がでかい、マスコミとかあるいは財界とかで声がでかい場合にその裏にある思想が正しいことだっていうことになっちゃって国民の間に広まってみんな損するっていうパターンをやってるだけじゃないかなぁと思うんですけども」
倉山満「本当にそうで、経済の話でもそうですけど憲法の話もそうで、結論だけ賛成か反対かだけっていう大根切りの議論が恐ろしくあって、本当のことは憲法論なんてどんなに細かいことはいくらでもいえますけど二つしかなくて、「日本国憲法を一字一句変えたくない」か「それ以外の人」かなんですよね、いろんなありようがありますけども」
三橋貴明「大きく分けるとそうですよね」
倉山満「そうそうそう、じゃあどういう理由でこれを守りたいのかあるいは変えたいのか、っていう中身を見ないと。で賛成派反対派でもたとえば今憲法変えたくないっていうのも「もっとひどくなるから」っていうんだったら賛成しますよ私。「今変えたらもっとひどくなるから変えたくない」という話だったら分かりますけど、でもやっぱり「変えたいか変えたくないか」その二者択一しかないっていうですね、「自分の頭で考えろ」といいながら賛成か反対かの結論だけを誰かに丸投げしてしまう、そしてそれに反する結論を言う奴は敵だ、相手の中身を聞こうとしないっていう」
三橋貴明「左翼もそうなんだけど、いわゆる「保守派」って呼ばれている人たち、私入ってませんよしつこいようだけど、あの方々ってすっごい逆に細かいところ、さっき言ったけど「保守」っていうか「保守派」っていう架空の何でしょうねぇ、架空の概念っていうのがあって、その中でカッチリ決まってるんですよねこの政策はこうこの政策はこうこの政策はこうと、それにちょっと外れちゃうといきなり仲間割れを始めるわけですよ」
三橋貴明「そういうことなんじゃないのと思いたくなるわけですよ」
三橋貴明「あー」
倉山満「だからバカとスパイ9:1の法則っていうのがあってですね、9人のバカがいたら1人のスパイはやりたい放題っていうですね、まずはそういう状況を一生懸命作る人が多いわけですよ」
三橋貴明「これなんでなんですか?我が強いからなんですか?それぞれが」
倉山満「いや9人がバカだからです。いやいきなりスパイがいて9人をバカにするって難しいですけど、みんながバカになっているときにスパイが入るってすごい簡単ですからね。明治なんかは山県有朋なんかがアメリカ共産党目をつけてて「絶対入れるか」ってやってたわけですよね」
倉山満「「が」アメリカ共産党に目をつけてて、こんなん絶対日本に入れてなるものかって最初からやってたんです」
三橋貴明「ああそっかそっか」
倉山満「前党三党の連中がソ連を作りましたから、元をたどれば」
倉山満「そうそう、でも大正期になって東京大学とか真っ赤っかになって京都大学も真っ赤っかになって」
倉山満「そうです。もう本当日中戦争に勝った後は本物の平和ボケで、今はもっといっちゃってますけど、で平和ボケしている時に共産主義で真っ赤っかになっちゃって入り込まれたわけですよね、みんなバカになっちゃって」
倉山満「でマルクスとかレーニン、特にマルクスっていう人は、ツッコミはものすごく正しいんですよね、「イギリスがこんな成功しているけどこんな悲惨な奴もいるじゃないか」ってそれだけ取り出してきて、それが全てかのように言って「社会は矛盾しているじゃないか!資本主義は駄目じゃないか!」って言うと、やっぱり「問題を解決しなきゃいけない」とかいうナイーブな東京帝国大の大学生は「かわいそうじゃないか!解決しなきゃいけないじゃないか!」と思っちゃうわけですよね。でもじゃあマルクスはじゃあどうすればいいのかの方法論がレーニンの「人殺し」しかないっていう」
倉山満「そうそうそう、だからマルクスがツッコミだけやってレーニンが人殺しをやるっていう、これがマルクス・レーニン主義の正体ですよね。で日本人のすごい強迫神経症的なところがあるのが「問題があると解決しなきゃいけない」と思っちゃうみたいなんです」
三橋貴明「思うみたいですね」
倉山満「まさに満州問題とかそうで、「朝鮮取ったじゃあ満州問題解決しなきゃ、満州取ったじゃあ大陸問題、大陸問題、英米」というように、最後地球全体の問題を解決するまで行っちゃうんですね。これ石橋湛山が批判していた「根本主義病」っていうんですけど。じゃあ今「中東問題解決しなきゃいけない」って言ってるアングロサクソンいるか?とか、あるいは「バルカン問題解決しなきゃいけない」って言ってるロシア人いるか?っていうと、「問題は解決しないから問題なんであって、常に対処療法を永遠に続けて苦しさに耐えましょうと、それが国家のあり方だ」って、むしろ保守主義じゃない国のロシアとか中国の方がそういう対応をとっているんですよね」
三橋貴明「要は「解決しないことに、あやふやな状況に耐えられない」ってことなんですよね」
倉山満「そうなんです。日本人すごいまじめなんで。本当に深刻な問題って宗教問題とか外国の侵略があるとか、江戸時代まで無かったじゃないですか」
倉山満「思いっきり7世紀ぐらいで解決しちゃって。でいきなりウエスタンインパクトがやってきて相手しなくちゃいけなくなって、それに対する思想性が脆弱すぎると」
三橋貴明「これはだから日本の状況っていうのは確かにワールドワイドでおかしな経済学とか政治思想とかはびこっているけれども、日本の問題ってやっぱり日本オリジナルなんですね。で結構「こういう問題あるじゃないか」「こういう問題あるじゃないか」って慌てて、「じゃあひっくり返しちゃえ!」なんか革命がおきる土壌が揃ってるって感じがするんですけども怖いですね」
倉山満「そうなんですね。それでもさせなかったのは昭和20年敗戦革命がおきそうになって、それを防いだのが昭和天皇の御聖断なんです」
三橋貴明「なるほどね」
倉山満「だから本当に昭和20年から日本の思想的敗戦が始まったんじゃなくて、その前からあったと。でそのことに日清戦争に勝つ前から気づいた人物がいるんですが延長してやりましょうか?」
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