ジンキとは、綱島志朗が描いたロボ漫画作品シリーズである。
アニメ『JINKI:EXTEND』についても当該項目参照。
概要
2000年頃に月刊ガンガンWINGにて連載開始。
しかし、当時のエニックス出版事業の編集者一斉離反事件である『エニックスお家騒動』の影響により、2002年から月刊コミックブレイドにて『ジンキ・エクステンド』として連載再開。
それまでの話の続きではなく、前作から3年後の話となり、路線も前作より萌え寄りとなった。
ところが2006年8月頃にブレイドでの連載は中断。2007年に担当編集との意見のすれ違いによりブレイドでの連載は終了となる。
その後、2008年4月から月刊コミック電撃大王にて『JINKI -真説-』として連載再開し、完全版コミックスも『真説』名義としてアスキー・メディアワークスから刊行された。
ただし、物語の再構成が行われており、電撃大王連載分は初代主人公である『津崎青葉の物語』として完結し、完全版コミックスも『ジンキ』全4巻と『ジンキ・エクステンド』6巻から9巻、『真説』のみで構成されている(『エクステンド』1巻から5巻までの完全版は従来通り『エクステンド』名義で刊行)。
2009年からは月刊ドラゴンエイジにて系列誌の月刊ドラゴンエイジPureで連載していた『オリハルコン・レイカル』と入れ替わる形で『ジンキ・エクステンド リレイション』を連載開始(電撃大王には2010年から自身が挿絵を担当した『紫色のクオリア』の漫画版を連載した)。
進行中だった『エクステンド』ミッシングリンク編の直接の続きだった『真説』とは異なり、時間がまた飛び、新キャラを主人公にした新たな話がスタートした。
現在も同雑誌にてたびたび休載を挟みながらも連載していたが、結局また休載となり別の雑誌で新作が始まる事となった。
以上の経緯から見て分かるように、雑誌を4回も移籍しながらも連載を続けているという珍しい作品でもある。
ついでにレイカルも別の雑誌に移籍した。いい加減すっきり終わらせてくれ
2005年には『JINKI:EXTEND』のタイトルでアニメ化もされたが、評価は著しく低い。
また、2010年にはまさかのエロゲー化も果たした。
各作品の特徴
ジンキ(第1作)
全ての始まりとなった作品。南米のベネズエラが舞台。月刊ガンガンWINGにて連載。
無骨なメカデザインと泥臭い戦闘描写が特徴。
この頃は美少女キャラは少なめでサブキャラにおっさんが多く、現在でもこの作品が一番好きだという読者は多い。
また、開始当初は青葉を始めとするキャラの顔が現在よりも釣り目気味など、意図的に絵柄を変えていたが、読者からは結局不評だったために作者の初連載作『ライフ・エラーズ』のような絵柄に戻したという逸話がある。
ちなみに、この作品の頃から山口可動式アクションフィギュアが販売されている。
ジンキ・エクステンド(第2作)
中断期間を得て再開された続編。月刊コミックブレイドにて連載。
新主人公である柊赤緒が主人公の東京編と、前作の直接の続きとなるミッシングリンク編の二部構成。
ヒロインと同時に過激な描写も増え始める。
特に本作の第1話で前作に登場したサブヒロインが敵に○○○されたという事は有名。
その後も、敵にいろいろされる場面が多く描写されるなどで、前作から読み続けている読者からは賛否両論となった。
概要に書いてあるとおり中途半端な所で連載が中断し、また後述の『真説』『リレイション』などもあり、特に『真説』にてエクステンドと一部食い違う描写が描かれたことにより、ファンからは黒歴史化が心配されたが、完全版コミックスが刊行されたため、杞憂に終わった。
また、完全版最終巻には新規エピソードが収録された。時間軸がまた飛んでる上にまたやらかしてはいるが
『Re:VISION』の原作となっているのは本作である。
ちなみに、『ライフ・エラーズ』出身のキャラクターが一分設定を変えて再登場している。
繋がりがあるというよりはスターシステムのようなものだと思われる。
JINKI -真説-(第3作)
続編・・・と言うより、第1作及びミッシングリンク完結編。月刊電撃大王にて連載。
コミックス1巻分の尺であり、多少説明不足な部分も見られるが、概ね伏線を回収している。
その代わり『エクステンド』と矛盾した設定も生まれた(一応、最終話は『エクステンド』に続くような描写もある)。
ちなみに、連載時にどう見てもアレとしか思えないシーンがあった(とはいえ、自主規制により一部がカットされたが)ためちょっとした話題になった。
完全版コミックスにはこのシーンがノーカットで収録されている。
ジンキ・エクステンド リレイション(第4作)
『EXTEND』の続編。月刊ドラゴンエイジにて連載。
新キャラクターである少年・柊蒼旗が主人公。何気にシリーズ初の男主人公である。
過激な描写がより一層激しさを増し「歳なんか関係あるか!女は皆ブチ込むんだよ!!」 という名言や美少女の全裸浣腸などの名シーンをも生み出している。
ロボバトルはキングゲイナーのような能力バトルに移行し、初期の作品と比べてほぼ別物となっているため、やはり古参読者からは賛否両論である。
前述のとおり『真説』のおかげで、『エクステンド』とは地続きなのかパラレルなのか今ひとつはっきりとしていない。
しかし『エクステンド』完全版最終巻にて加筆された新規エピソードには本作の描写と繋がるものが散見されているため、実質地続きの続編とみていいかもしれない。
メインヒロインがガチでぶち込まれた上に孕まされました。
しかもまた「第一部・完」となり年代ジャンプを匂わすという超展開(ただし一応打ち切りではなかったらしい)。
大勢の読者はこの展開を見てこう思った。「もうやだこの漫画」と。
人狼機ウィンヴルガ(第5作)
現在進行中の作品。月刊チャンピオンREDにて2016年9月号から連載中。
これまでの作品の流れを一旦断ち切り、一部用語こそ共通しているものの舞台と登場人物は一新されている。
掲載誌が掲載誌であるためかむしろ来るべき所に遂に来たというべきか1話目からハードなバイオレンス描写が満載となっている(作者もTwitterにて「ひどい話なんです」とワンクッション置いている)。
現時点では歴代作との繋がりは明らかになっていないが、作者はTwitterにて歴代作の登場人物を出したいと呟いている。
詳細は人狼機ウィンヴルガの記事を参照。
JINKI:EXTEND(アニメ版)
初の映像化作品。
ストーリーは『ジンキ』『ジンキ・エクステンド』を内包し、アニメオリジナルストーリーとして再構成している。
・・・が、これを『EXTEND方式』と呼ぶ両作品の話を切り替えながら進行するもの(要するに『仮面ライダーキバ』や『バッカーノ!』と似たような方式)というものを使った上に、劇中で何の説明もない上にかなり唐突に話が切り替わる、さらに場面展開も飛ぶなど、とことん説明が不足している。
事前情報がなければ何がどうなっているのか理解が追いつかないために、意味不明だと言う視聴者も多数出てしまった。
また、ロボットアニメでありながら前述の『EXTEND方式』と尺の都合(1クール12話)故にロボットがほとんど活躍せず、話が進むたびにいつの間にか戦闘シーンが終わっていたりする事も多く見られるようになっていった。
何より本作が悪い意味で有名になっている最大の理由はOPアニメがどう見ても『機動戦士ガンダム』そのものである事だと思われる。
後述の比較MADを見れば分かるが、オマージュというものの類というよりは9割が丸パクリといってもいい程の出来。
ちなみにOP作画担当は大張正己。そしてEDアニメは『マジンガーZ』のパロである。
挙句、アニメの放送開始前はコミックスの帯に『すべてのロボットアニメは道を譲れ!』という大見得を張ったコピー文が添えられたことも嘲笑の対象となっている。
ちなみに、まったくの余談だが漫画『魔法少女プリティベル』の1巻帯にはこれと似たようなコピー文があったり・・・
早い話、アニメは黒歴史である。
一応、原作で未だなされていない青葉と赤緒の共演を一番早くやったという事や割と豪華な声優陣など見所もあるにはある。
また、OP・EDは映像に話題が行きがちだが、曲自体は普通に良曲である。
JINKI:EXTEND Re:VISION(ゲーム版)
初のゲーム化作品。ジャンルはアドベンチャー。開発は戯画が担当。
『リレイション』コミックス第1巻帯にてゲーム化が報じられ期待するファンも多くいたが、 発表されたものはなんと予想の斜めを行くエロゲーだった上に、作者の綱島志朗自らが原画を担当したために、多くのファンが色々な意味で驚愕した。
シナリオは『エクステンド』をベースにし、新キャラ・新メカを多数登場させている。
また、終盤はゲームオリジナルの展開となっている。
なお内容についてはお察し下さいである。一応、原作の小ネタを拾うなどファンサービスはそこそこある。
予約特典は戯画のエロゲー『BALDRSKY』のシステムを用いたアクションゲームである。ぶっちゃけこっちを本編にして欲しかったという人は多い。
余談
- キーワード検索で「ジンキ」だけで検索すると、「レジンキャスト」など単語を含む動画もヒットするので、動画を探す際には少し不便だったりする。
- 作者の綱島志朗は『スーパーロボット大戦Z』のコミックアンソロジー表紙イラストを描いたことがあり、『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』のED原画に参加している。
後者についてはジンキの参戦フラグではないかと推測するファンもいるが、後にTwitterの質問にて氏自ら「僕がウロウロしたから(参戦は)難しいかも・・・」と述べている。
関連項目
- 漫画作品一覧
- 月刊ガンガンWING
- 月刊コミック電撃大王
- 月刊ドラゴンエイジ
- unicorn table
- angela
- 綱島志朗
- 人狼機ウィンヴルガ
- オリハルコン・レイカル
- 打ち切り
- レーベン・ゲネラール
- レイプ
外部リンク
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