概要
創業は2006年だが、当初は違法に配信された日本のアニメに勝手に外国語字幕をつけた動画を共有する「海賊版サービス」だった。その後2008年にテレビ東京と提携し、正式に権利を取得して海外に向けてアニメを配信する窓口に姿を変えている。多くの日本のアニメ会社と提携して海外への配信を担当するだけでなく、製作委員会にも名を連ねるようになり、より主体的に関わった「クランチロールオリジナル」も2020年から展開している。[1]
かつては韓国ドラマも配信していたが、後に「KDrama.com」という姉妹サイトを新たに設立し、そちらに全て移設されたためCrunchyrollのメニューからは削除された。
クランチロールを運営していたEllation Holdings社は2021年にソニーグループに買収されてクランチロール社となり、2022年には同じソニーグループのファニメーション社と経営統合している。
海外向けのサービスなので、日本からクランチロールのコンテンツにアクセスすることはできない。
Crunchyroll-Hime
クランチロールのマスコットキャラクター的な何か。長いので略して「Hime」と呼ばれることも多い。
キャラクターはサイト内でコンテストを開催した結果、アメリカ在住のユーザー「Dahaebaik」氏のデザインが選ばれ、そのキャラクター原案を元に日本人アニメーター・イラストレーターのはなぢ氏がキャラクターデザインを行った。
(氏の公式サイト: http://sa2hanadi.tumblr.com/ )
クランチロールの外へ「出張」した事例
- アメリカ・その他で開催されるアニメコンベンションなどで登場する。
- 2015年夏アニメで放映された「うーさーのその日暮らし 夢幻編」第7話の冒頭にて、お知らせうーさー(CV:田村ゆかり)と共演した。CVはSailorBee(Victoria Holden)が担当している。なお氏はサンフランシスコにあるCrunchyroll本社オフィスで「Community Manager」という役職を得ている。
- 2017年冬アニメで放映された「けものフレンズ」第8話「ぺぱぷらいぶ!」では観客席のフレンズ達に混じってCrunchyroll-Himeが一瞬だけ登場した。なお、クランチロールはこの作品の製作委員会にも参加しており、同社の日本法人の代表取締役社長・ビンセント・ショーティノが「企画」としてオープニングのクレジットに表示されている。更にクランチロールの公式Twitterではサーバル役を務めた尾崎由香からのボイスメッセージが掲載されている。(→外部リンク)
動画配信以外の機能
1. Forum
配信されている動画にはそれぞれYouTubeと同じスタイルのコメント欄が用意されているが、それとこのフォーラム機能は別物である。読んで字の如く、フォーラム型の電子掲示板が設置されている。この機能は IPアドレスによる接続制限は無い。運営スタッフからの告知も大抵はここで掲示される。
2. Group
日本で言えばmixi に代表されるSNSサイトのコミュニティ機能に相当する。それだけと言えばそれだけの機能。
3. News
これも文字通り。記事は日本のIPアドレスでは404エラーが表示されるため閲覧不可能。ニュースは主として日本のアニメ・ゲーム・漫画に関わる記事が中心。なお日本人記者が少なくとも1名はいる模様。(→一覧)
4. Store
2013年1月より開始。アニメのBlu-ray Discやグッズの通販のようだが商品によってはあまり在庫が用意されていないらしく、油断してるとすぐ売り切れることもある。向こうの人達にはJ-ListやCDJapan等々、買おうと思えば別のECサイトもあるので、何も無理してここで買う必要も無いのかもしれない。後述する有料会員のプリペイドカードもここで売られている(6ヶ月分と1年分の2種類のみ)。
5. Manga / Simulpub (電子書籍)
2013年10月末より開始。講談社と提携して連載漫画を日本での連載誌の発売とほぼ同時に配信する。現在の目玉タイトルは「進撃の巨人」、「FAIRY TAIL」、「宇宙兄弟」など。台詞は全て英訳されたテキストが表示されるが、描き文字は日本語のままで、その横に小さく英訳の文字が表示される。有料会員は全話閲覧可能。無料会員は各作品の最新話のみ閲覧可能で、開くたびに広告映像が1回流れる。
Crunchyrollとは直接関係ないが、同様の試みは集英社でも小学館集英社プロダクションの関連会社であるViz Media社を経由し、「Weekly Shonen Jump」と題して電子書籍にて配信している。(→外部リンク)
Premium Membership (有料会員)
この手の配信サイトのご多分に漏れず、有料プランが設けられている。3ヶ月、6ヶ月、1年などの前払いにすることで月単位の価格が割引される。
Premium Membership |
Premium+ Membership |
無料会員 | |
視聴可能なタイトル | サイト内にあるもの全て(※2) | 同左 | 有料会員専用タイトルは視聴不可。(※3) |
サイマル放送 | アニメは日本での最速放送から1時間後(※1)、ドラマは配信開始からすぐ。 | 同左 | 配信開始から1週間後くらい。 |
画質 | 480p, 720p, 1080p から視聴可能。 | 同左 | SDサイズのみ。 |
外部機器による再生 | iOS系端末、Android、Google TV、Roku boxなどで再生可能。(→公式案内) | 同左 | iOS(Wi-Fiのみ)、Android(Wi-Fiのみ) |
広告 | 無し | 無し | あり |
サポート | メール、その他媒体でのサポートあり。 | 同左 | サポート無し |
価格(月極の場合) | 月額6.95USD | 月額11.95USD | 無料(広告でまかなう) |
その他 | 無し | 後述 | 無し |
- (※1)ただし必ずしも全ての作品ではなく一部の作品は1日~7日ほどのタイムラグが置かれることもある (例:THE IDOLM@STER、ダンタリアンの書架など)
- (※2)ライセンスの関係で接続元の国によって視聴できない作品もある。
- (※3)現在は無料会員でも、ごく一部を除いたほぼ全ての作品を閲覧できるが、ビットレート200kbps程度のSD画質でCMが3回挿入される仕様になっている。(OP明け~Aパート開始、Aパート終了後~Bパート開始、Bパート終了後~EDのそれぞれの間)
Premium+ Membership の特典
2015年3月2日の仕様変更で、従来のAnime Membership, Drama Membership, All-Access Membershipの3つに分けていた料金プランが一新され、上述の通り有料会員はアニメ・実写問わず全ての映像作品と電子書籍を閲覧できるようになった。
従来のAll-Access Membershipに相当する新設のPremium+ Membershipでは次のような特典が付与される。
- Storeで販売される全ての商品を特典価格に割引&送料が完全無料になる。(後者はアメリカ国内の発送のみに限られる)
- アニメコンベンションにおける優先入場権(クランチロール社が協賛するイベントのみ)、またノベルティーグッズの提供など。
- 専用コンテンツの配信。
- 各種新機能の優先βテスト。
- 専用バッジの発行。(ニコ動で言う所のスタンプのようなもの。プロフィールに表示される。)
Guest Pass(有料会員お試しパス)
正規のPremium Member(有料会員)には月1回Guest Pass(シリアルコード)が配られる。友人・知人等にこれを送り、それを受け取った人が自分のアカウントにシリアルコードを登録することにより48時間限定で有料会員と同じサービスを利用することが出来る。
外部リンク
- Crunchyroll - 本家本元。
- クランチロール株式会社 - 日本法人の公式サイト。
競合するサイト・事業者
- FUNimation - 同業他社の中では(恐らく)最古参と思われる(1994年創業)
- Anime Network - TBS系列の作品(アニメリコなど)の作品が多く集まっている
- niconico - ニコニコ動画の海外版。かつてはFunimationと業務提携する形でアニメを配信していたが現在は撤退。
- Hulu
関連項目
脚注
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