ワンオペとはワン・オペレーションの略である。
日本語にすると「一人でシフトに入る」となる。
元より一人しか入れない狭い店舗形態[1]もあるが
労働が過剰でなく普通に問題なく業務が回っている場合にはあまり用いられない。
比喩として過剰な事象を全部ひとりでやっている状態を指す場合もある。(戦闘など)
概要
店員・従業員・担当者一人ですべての業務をこなさなければならない状態になるため
過労による従業員の健康的問題や労働基準法違反など社会問題と化している。
(労働基準法違反は犯罪であり、ちょっとした違反ではない)
特に飲食店などの来客数・作業量・作業工程ともに多い業態で大きな問題となる。
人数に冗長性がなく、傷病によって最後の1人が休めばその瞬間に営業は不可能。
- 注意力が散漫になるため、ケガや重大なミスを起こしやすい。
- 店の広さによっては一か所で管理しきれず、火元から離れる必要性も出てくる。
- 来客に気づかない、気づいても対処できないといった問題もある。
- 万引きや強盗といった犯罪に巻き込まれれば成すすべがない。
- 客としても、諦めて帰るか机の上が食べ終わった食器に囲まれて長時間待たなければならない。
- 現状がそのまま店や会社に対しての悪評となってしまう。
- 交代要員が居ないため、激務・長時間労働であっても休憩や仮眠を取ることもできない。
- 心身ともに疲弊するため、続けていれば店舗の存続も危うい。
発端
ワンオペの存在自体は最近始まったものではないが、
ワンオペという言葉が世間に知られるようになった要因は「すき家」のワンオペである
ツイッターによる拡散、メディア報道などによりワンオペが発覚し世に知られることになる。
原因
元々が大人数で行うことを前提とした作業量であったり
業種・業界の人手不足・不人気・バイトが集まらないといったものが挙げられる。
「しなくてはいけない」「するのが当然、美徳」
「どんなに多忙であってもお客様をおもてなし」といった思い込み・日本人の悪習も後押しする。
ワンオペをしたからといって昇給があるわけではないし、時給が倍になるわけでもない。
従業員を安価な消耗品として使い潰そうとする、するのが当然といった
老害や根性論を是とするブラック企業・本部の存在も未だに大きい。
悪徳フランチャイズなど、加盟店からロイヤリティだけは抜くくせに
自己責任とワンオペオーナーに丸投げする場合も。(→フランチャイズ)
24時間業務形態を取っている場合、人手不足で夜間は閉店しようとしても
夜間休業=24時間営業でない=契約違反=違約金など、その他制裁措置も豊富。
改善策
改善策としては「人数を増やす」「辞める」以外に取れる手段はあまり無い。
(1)人手不足を解消する。
- 少なくとも2名以上で作業を分担できればワンオペではなくなる。(楽とは限らないが)
人数の余っている近隣支店からの応援…を出せるほど人手は余っていない。 - 極論、給与・時給を増やせば人は集まるのだが
- 日本では人件費すら「余計な経費」として捉えるため、昇給を行うことはほぼ絶対しない。
(海外では無能はあっさりクビにする反面、優秀な人材に対する金払いは良い)
- その他、学生やフリーターに対して業界や店舗が魅力的に見える広告や動画でアピールし入りたくなるようなイメージアップを行う。結果的に応募者が殺到すれば優秀な人材も選び放題。
…もちろん、それができれば誰も苦労しないのだが。
- かといって従業員に対して「毎日24時間働け」といったシフト強制は違法。
(2)少人数でも可能な業務形態にする。
- 単価の非常に高い高額商品を売るなら別であるが
単価が安かったり薄利多売の場合は利益にならなければ赤字。
言うは易し行うは難しである。
退職は妨害できない
(店長を除き)店員が残り少なくワンオペ寸前、これ以上辞めたらガチでヤバイ場合など
「人手不足なのに辞める気か!許さんからな!」というのは強制労働にあたるため違法。
※退職に関しては労働者側の意思が優先されるため、雇用者側に決定権はない。念のため。
違和感や理不尽があれば相手の言い分を鵜呑みにせず必ず調べてみよう。
ワンオペだが逆の場合
もちろん、フィクションにありがちな優秀器用な天才キャラであったり
分身の術が使える訳でもなければ無理。身体はひとつである。
関連動画
関連項目
脚注
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