イワナの怪とは、
- 岐阜県中津川市、福島県南会津町などに伝わる昔話。
- 1を元にして作られた田中貢太郎の1934年の怪談「岩魚の怪」。
- 1の福島県の昔話を元にして作られたアニメ「まんが日本昔ばなし」の「イワナの怪」。
- 3から派生した、ニコニコ動画の例のアレ発祥のインターネットミーム(→根流し)。
ミームの概略と、根流しで魚が死ぬ原理、根流しをしてはいけない理由については「根流し」の記事が悔しいけどわかりやすいので、そちらを参照。
ここでは1~3、およびその話に登場する「岩魚坊主」について説明する。
概要
釣り人が坊主と出会い、「この川では釣りをしないように」と伝えられる。釣り人は持っていた食べ物を坊主に与え、坊主は帰っていった。その後釣り人が坊主の言葉を無視して釣りを続けていると、大きな岩魚が釣れた。岩魚の腹からは先ほど坊主にあげた食べ物が出てきた。
大まかな話の流れは以上である。坊主は岩魚が化けた姿だったという結末である。祟りなどで釣り人が死ぬ展開も見られる。
インターネット上ではまんが日本昔ばなし「イワナの怪」が一部で有名であり、ニコニコ動画ではこちらの意味で多く使われる。「根」と呼ばれる毒のようなものを流して魚を殺して獲る「根流し」でよく知られている。樵たちはこれを行った結果、死んだ岩魚坊主の祟りで樵が一人亡くなっている。
しかし、田中貢太郎の怪談「岩魚の怪」では「根流し」ではなく「毒流し」となっている。そもそも毒を流さずに単に釣りだけをしている話もあり、特に祟られないまま話が終わることもある。そのため、「イワナの怪=根流し」「岩魚坊主と遭っても漁を続ける=死亡フラグ」ではない。
ただし、ほぼすべての話に共通する点として「岩魚坊主は必ず腹を割かれて死ぬ」ことが挙げられる。
なお、この民話は岐阜県中津川市の付知・加子母、福島県南会津町の水無川など複数の地域で伝えられてきた。田中貢太郎の怪談では、舞台は「木曽の御嶽つづきの山の間」となっており、岐阜県中津川市に近い長野県木曽地域のあたりとなっている。
また、イワナ以外にもウナギやタラなど別の魚が坊主などに化けて登場する話もあるが、話の流れはだいたい同じである。例えば、別の昔話である「鰻沢」では鰻が娘の姿に化けて登場する。
岩魚坊主が絵に描かれるときは、釣り人の前にいる場面では人間の姿で描かれることが多い。ただし、わかりやすくするためか、後世ではイワナのような顔をして二足で直立し、そのまま坊主の服を着ている姿が多い。水木しげるが描いた岩魚坊主もこのデザインである。
関連動画
関連静画
関連リンク
関連項目
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