ネクロマンサー (necromancer) とは、
本記事では上記1.について記載する。
ネクロマンサー(necromancer)とは、霊魂や死者を使った何らかの魔法・魔術を行う者である。またそういった要素を用いて行う魔法・魔術の類をネクロマンシー(necromancy)と呼ぶ。
概要
死者の霊を呼び出して話を聞いたり占いを行う、いわゆる「口寄せ」「降霊」(交霊)が元来のネクロマンシーである。「口寄せ」「降霊術師」も英語ではネクロマンサーの範疇に入る。
日本語での表記では、死霊術(しりょうじゅつ)、それを使う術者を死霊術師(しりょうじゅつし)などとも。
だが日本では、後述する「サブカルチャーでのネクロマンサー」の影響が強いためか、イタコなどの「口寄せ」、つまり霊を呼び出して話をするだけの者をネクロマンサーということはあまりなく、ネクロマンシーと言えば「死霊や死者を操る術」といったニュアンスで、ネクロマンサーと言えばそのような「操り術の使い手」といったニュアンスで語られることが多い。
語源
これらnecromancerやnecromancyは英語である。
現在わかっている範囲での語源としては古代ギリシャ語に行き着くようで、「死者」を意味する「νεκρός」(ネクロ)と「占い」「託宣」を意味する「μαντεία」(マンテイア。現代ギリシア語発音ではマンデイア)を合わせた「νεκρομαντεία」(ネクロマンテイア。現代ギリシア語発音の場合はネクロマンデイア)が元になったようだ。
このギリシア語からラテン語やフランス語を経て、英語necromancyとなったわけである。
占い
こういった語源からもわかる通り、元々は占いの術である。祖先や死者の霊を呼び出して彼らから知識を得る……つまりはシャーマン、口寄せ、降霊、日本で言うイタコの類であった。
「~占い」を表す英語は語尾に「-mancy」(マンシー)が付いていることが多い。例えば「夢占い」は「oniromancy」(オナイロマンシー)、「水占い」は「hydromancy」(ハイドロマンシー)である。それは上記の語源をみればわかる通り、「マンシー」の部分に「占い・託宣」という意味があるためだ。
黒魔術へ
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などのアブラハムの宗教の聖典ではこういった占いや口寄せを戒めている。
そのため、キリスト教の価値観が主流となった中世ヨーロッパでは、大っぴらに行われる民間信仰行事ではありえなくなり、秘かに行われる黒魔術、魔術儀式的なものへと変化した。いわゆるグリモワールの中にもネクロマンシーに相当する術が記してあるものが存在する。
「黒魔術」からの連想なのか、「necro-」(ネクロ)が「nigro-」(ニグロ。「黒い~」)に置き換わっていたこともあるという。
サブカルチャーにおいて
TRPG、コンピューターゲーム、ファンタジー小説、ライトノベル、漫画などのサブカルチャーの創作作品においては、ネクロマンサーは単に「死霊を呼び出してお話をしたり知識を得たりする口寄せ師・占い師」ではなく、「死霊やアンデッドモンスターを操る術を使う者」として描写されることがある。
上記のようなアブラハムの宗教的価値観のためか、もしくはアンデッドモンスターが一般的に醜悪であるためか、あるいは死体を弄ぶことに倫理的問題点を感じるためか、ネクロマンシーもたいていは邪悪な術として、あるいはそうでなくても忌み嫌われる術として設定されていることが少なくない。
関連静画
関連項目
- 占い
- 魔法
- 魔法使い
- グリモワール
- オカルト
- 死体
- アンデッド
- ニューロマンサー
- にじよめちゃん
- ユークリウッド・ヘルサイズ
- ルナ(Shadowverse)
- 獅子劫界離
- エステル=ローゼンタール
- 死霊魔術師メメント
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