デルタ・クロウ-アンチ・リバースとは、アニメ「遊☆戯☆王ファイブディーズ」に登場するインチキ罠カードである。
概要
初登場はVSセキュリティ隊員戦。
スピードではクロウに追いつけないと判断した隊員は強制的にライディングデュエルに持ち込む。
先攻を取った隊員は、「ゲート・ブロッカー」で相手のスピードカウンターを封じ、「炸裂装甲」で攻撃を妨害、「砂塵の大竜巻」で伏せカードに対処、「インターセプト」で相手のアドバンス召喚による強力モンスターに対応するという、完璧な布陣を組んだ……はずだった。
だが、奴は弾けた。
「ゲート・ブロッカー」の効果に対するクロウの感想は「せこいカード使いやがって」。まだ正論だと思われていたが……。
クロウ「俺はBF-暁のシロッコを特殊召喚!」(レベル5)
クロウ「さらにBF-疾風のゲイルを特殊召喚。」(レベル3)
クロウ「そしてBF-黒槍のブラストを通常召喚だ!」(レベル4)
シロッコを特殊召喚されたことで「インターセプト」を突破される。だが、まだ「ゲート・ブロッカー」の守備力は上回ってはいないから大丈夫……。
クロウ「疾風のゲイル、効果発動!相手モンスター1体の守備力を半分にする!」
でも、「炸裂装甲」があるし、仮に罠カードで対処しようとしても「砂塵の大竜巻」があるから発動前に……。
クロウ「さらに手札から罠カード、デルタ・クロウ-アンチ・リバース発動!」
隊員1「手札から!?」隊員2&3「手札から罠だと!?」
罠カードは1度セットしてターンを経過しないと発動できないというのは遊戯王OCGをかじったことのある人なら常識といってもいいルール(マキュラ?なにそれおいしいの?)。
それを破ったのがこの「デルタ・クロウ-アンチ・リバース」である。この場面を見ていた多くのデュエリストがこのインチキっぷりに驚いたことだろう(実はほかのBFのほうがかなりのインチキなのだが……)。
そして隊員の伏せカードを全て破壊したクロウはシロッコの効果で攻撃力をブラストへ集約。「ゲート・ブロッカー」に攻撃し、貫通効果でちょうど4000のダメージを与え、後攻1ターンキルを決めた。BFの恐ろしさをセキュリティ、そして視聴者に見せ付けるデュエルであった。
補足しておくと、このカード自体に「自分フィールド上にBFと名のついたモンスターが3体以上存在する時、手札から発動できる」効果が備わっているために手札から発動したのであって、本当にインチキを行ったわけではない。とはいえ、それまでの常識を破るものであることは違いないため、セキュリティや視聴者が驚くのも無理はないだろう。
冒頭の今週の注目カードで紹介された「インターセプト」は発動すらされないという有様だった。紹介された残りの4枚はデュエル中にクロウが使用したカードの全てである。
アニメ5D's終盤、Z-ONEはアポリアとのデュエルで手札から罠カード「愚者の裁定」、「魔術師の至言」、「女教皇の錫杖」(いずれもOCG化されていない)を発動した。これに対するクロウのコメントは「汚ねーぞ!」であった。お前が言うな。
さらにその後の遊星とのデュエルでは同じく手札から発動できる罠、「女帝の冠」も登場した。
OCG版
RAGING BATTLE(2009年2月14日発売)でOCGに登場。なんとあのインチキカードがテレビの前の決闘者たちの手に渡ることになったのである。
通常罠 自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが 表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。 相手フィールド上にセットされた魔法・罠カードを全て破壊する。 また、自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが 3体存在する場合、このカードは手札から発動する事ができる。
※遊戯王カードWiki より引用
アニメでのクロウの説明では、自分フィールドのBFは3体以上であれば4,5体でも手札から発動できたようだが、OCGではちょうど3体でなければ手札から発動できないようになった。
同じ「3体存在する~」といったテキストでも、「継承の印」や「死の合唱」は4体以上でも発動可能であるという愚者の裁定が下っているので、間違えないように気をつけよう。
手札から発動するほうにばかり目が行きがちだが、もちろん、発動条件さえ満たせばセットしてから発動することも可能。条件もゆるいので、BFデッキなら採用を検討できるかもしれない。
弱点はセットカードしか破壊しないこと。最初から表側表示であった永続魔法等はもちろん、このカードにチェーンして発動された永続罠などに対しても無力。そのため、「レベル制限B地区」などの永続ロックに対してあまりその力を発揮できない。
アニメではクロウがセキュリティのデッキをがちがちのロックデッキといい、その程度じゃ俺はかわせねぇといったことを言っていたが、実際のOCGではロックに対してあまり力を発揮できないという状態である(ただし、実際のOCGでもアニメのように発動条件のある罠に対して使用すれば確実に破壊できる)。
ロックを突破するというよりは、「奈落の落とし穴」や「聖なるバリア-ミラーフォース-」などの発動タイミングに制限のある強力カードを破壊するために使うのがいいだろう。
条件(BF3体)さえ満たせば、メインフェイズ以外のフェイズであろうが、相手ターンであろうが手札からの発動が可能。「大嵐」や「サイクロン」を警戒して積極的に伏せてこない可能性も高いが、エンドサイクの要領で使用できる。
アニメでの初登場時の驚きやクロウのキャラクターやBF自体の強さなどもあって、インチキ効果もいい加減にしろ!といわれがちだが、現状、弱くはないがインチキというほどでもないといった立ち位置のカード。むしろ「BF-疾風のゲイル」のほうがよっぽどインチキ効果である(元制限(2015年10月制限解除))。
OCGで手札から発動する効果を持った罠カードは、現在このカードと「タキオン・トランスミグレイション」のみである。
ただし、前述の通り、アニメではZ-ONEや九十九遊馬が条件付で手札から発動可能な罠カードを使用している。
ついでに言うと、遊戯王ZEXALで、バリアン世界の神であるドン・サウザンドは「ヌメロン・ネットワーク」というフィールド魔法の効果でデッキから罠カードの効果を使用している。
罠カードを手札から発動可能にする、というカードであれば、「処刑人-マキュラ」、「バブルイリュージョン」、「ジェット・ロイド」が存在する。また、若干異なるが、セットしたターンに罠を発動可能にする「王家の神殿」、「黒翼の魔術師」(「バスター・モード」のみ)もある。
特に発動条件が容易な「処刑人-マキュラ」と「王家の神殿」は1ターンキルなどで悪用された末に禁止カードに指定されている。(「王家の神殿」は2015年にエラッタされて制限復帰)
罠カードはすぐに発動できない、というデメリットがある代わりに強力な効果を持っていることがあるので、その前提を崩すカードはやはりオーバーパワーになってしまうということだろう。今後新たに手札から発動する罠カードが登場する可能性は低い。したとしても、相応の調整が加えられるだろう。
このカードの影響なのか、遊星の「スキル・サクセサー」など、フィールド以外の場所(主に墓地)から発動する罠カードが登場するたびに「○○から罠だと!」とつっこまれるようになってしまった。
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