もしかして? → Windows 10
何もしてないのに壊れたとは、パソコン初心者が故障時に発する常套句である。
概要
賢明な読者諸君にはお分かりの通り、基本的に何もしなければパソコンは壊れないのである。
この言葉は、それを理解せずにパソコンを操作したり、不安定な環境でパソコンを運用し続けた初心者の末路である。
「何もしてない」と言いつつ、実際は致命的な操作ミスや不用心なブラウジングを行っていたり、操作が適切であったとしてもハードウェア本体に負担が掛かるような運用方法をとっている場合が殆どで、本当に何もしていない割合は限りなく低い。
(一応、本当にハードウェアの欠陥だったりする場合も有るには有るが…)
パソコンに詳しくない人から相談を受けた際、「何もしていないのに壊れた」と言い出したら要注意である。
この台詞を語る人は往々にしてパソコンの仕組みや理論に詳しくないので、修理のついでに仕様を無視した要求や、予算に見合わない性能を求めてくる可能性がある。
故にパソコンに詳しい者からは、「地雷ワード」として忌み嫌われる一文でもある。
なお、一口にパソコンに詳しいと言っても、セキュリティに詳しい者、プログラミングなどに詳しい者、ハードウェアに詳しい者、自作分野に詳しい人、メーカー製PCの修理や相場に詳しい者、OfficeやPhotoshopなどのソフトウェアの操作に詳しい者など、専門分野は異なる場合も多い(無論、数分野に明るい人も居るが)。
プログラミングに詳しいと言っても、必ずしも対処や修理が容易くできるというわけではないので、然程詳しくない人はパソコンなどに強いという人に意見や支援を仰ぐ場合は注意しよう。
本当に何もしてないのに壊れる例
実際、初心者だろうがプロだろうが、操作ミスしたわけでもなく、適切な運用をしているにも関わらず壊れる可能性はゼロではない。
以下にその可能性や要因を例として挙げる。
なお、こういうケースは稀なので実際は上記のような初歩中の初歩的なユーザーのミスに起因する例の方が圧倒的に多いという事を予め断っておく。
また、こういう場合にはそのままのハード構成でリカバリ(復旧)出来ないことが多い。
ぶっちゃけると以下に関してはほぼネタなので、そうそうないケースだとは思うが、0%というわけでもない。
が、それでも学校やネカフェなどの共用PCや、会社に置いてある誰しもが簡単に物理的に接触できるPC、めちゃくちゃ不衛生な環境でもなければそうそう無いと思われるので、あまり真に受けないようにしていただきたい。
他の生物によるもの
虫などの侵入・活動に起因するショートなどや、ネズミや猫などの小動物による各種コード破損によるショートなどの要因によって電源やマザーボードなどが故障するというケース。
害獣・害虫対策及びペットの躾けを徹底する他、他の生物が嫌がる成分をこれでもかというほど塗布するなどの対策を施す他ないと思われる。
ペットを飼っていたり、ネズミが入ってきている疑いがある世帯ではコードやコンセントのプラグ周辺はよく見よう。
天災によるもの
雷や地震、火事などにより物理的に破壊されるケース。
日頃から防災意識を高める、天災に対する保険に加入するなどの対策以外は特にない。
天災ゆえに、ある程度は諦めるしかない面もある。
家の近所に落雷し、パソコンを含む家庭内のあらゆる家電製品が全滅したというケースもある。
火災対策は火の周りに注意したり、コンセントプラグ付近のホコリなどに注意してトラッキング火災を予防する他ない。
ハードウェアの不具合・故障
不手際以外の要因として最も考えられるケース。
パソコンの各種部品の不具合や不良により故障した場合である。
上記の他の要因の可能性が否定でき、かつ不適切な使用などが認められず、その上で決定的にハードウェアの不具合が疑われる場合は、メーカーや販売店に問い合わせるべし。
保証期間外であったり、対応出来かねるという返答があった場合は自力で復旧出来ないなら諦めよう。
年季が入ったPCで多いのは、マザーボードについたボタン電池の寿命(6-7年くらいを過ぎると)、マザーボードのコンデンサの劣化による破裂(コンデンサの品質と温度に左右されるとか)、液晶モニタのバックライトの寿命(LEDバックライトが2008年頃から採用されあまりみられなくなった)、電源制御回路の異常(落雷や停電が契機になりやすい)など。
PC以外でもルータの寿命(ものによっては5年位過ぎると)や、ネットワークケーブルの断線などが原因の場合もある。
ハードディスクのクラッシュはあまり年数の経っていないPCでも起きる上に、発症頻度は上記原因よりも多い[要出典]。バックアップは忘れずに。
SSDは理論的寿命が存在するが、普及してから年数がまだ少ないせいか2016年の時点ではあまり寿命による故障の話は出ていない[要出典]。
第三者の手によるもの
悪意を持った第三者による工作やイタズラにより、正常に動作しなくなる場合。
例を挙げるとすれば、学校などの不特定多数が触れるパソコンにおいて、タスクバーを隠し、デスクトップのアイコンも削除・非表示にした上で、普段の状態のデスクトップ画面のスクリーンショットを壁紙にするといった例。(実際に筆者も学生時代にイタズラで仕掛けたことがある)
他にも、PCから部品の抜き去るといった窃盗行為、悪質なソフトウェアを無断で導入する、根本的に物理破壊を施すなど。
これに関しては原因が特定できたなら、当事者間で済ませるほかない。
何にしても、故障かな?と思ったら自分で調べたり問い合わせたりする癖をつけよう。
これはパソコンに限った話ではないが、困った時に調べる癖をつけておかなければ、最終的にあらゆる意味で損をするのは自分自身である。
増して、今の時代はスマホが普及しており、環境は整っている。
逆に、助けを求められた詳しい諸兄も、今後は依頼者自身である程度の対応はできるような調べ方のアドバイスなどをしてあげると、今後自身に振りかかる負担も多少は軽減される、かもしれない。
自動アップデート
最近のOSは自動的にパッチを適用してくれる機能が標準でついており、デフォルトはオンになっていることが多い。
セキュリティ上この機能はオンのままにしておくことが望ましいのだが、稀にバグのある状態に合わせて開発されたアプリケーションが、自動アップデートのバグ修正に伴って動かなくなるということが起こる。
また、パッチ自体に不具合があって適用されたPCの一部に深刻な不具合を生じることも最近では珍しくなくなった。Microsoft社のWindows Updateも2014年辺りから年に1回以上の頻度でトラブルを起こしている。
こういった事例は、まさに「何もしていないのに壊れた」といえ、もはや「基本的に何もしなければパソコンは壊れない」とまでは断言できない世の中になりつつある。
とはいえセキュリティリスクと秤にかければ、やはり自動アップデートをオンにしておく方が一般人には良いだろう。しかし、2016年5月に同社のWindows 10の無料アップデートキャンペーンが、Windows Updateを通じてユーザーの積極的な操作なしに行われたことは、自動アップデートに対するユーザーの信頼を裏切るものであり、これも「何もしていないのに壊れた」に含めても良いといえよう。
関連動画
関連項目
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