固い、強い、おそい!とは、ゲームファイアーエムブレムに登場する台詞、およびそこから出来た概念である。
概要
出典は「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」。
序盤でアーダンを評して、仲間のアレクが言い放ったセリフである。アーマー系故に防御が固い、力がよく伸びるので腕っ節が強い、けどノロマで移動も遅い。
これがアーダンの能力をこの上なく明快に表していたため、以後も似た傾向のユニットを表すのに使われるようになった。
アーマーナイトの性質を現す言葉として用いられることもあるが、そうでないタイプのアーマーナイトもけっこういる。
というかシリーズの初代アーマーであるドーガがこれに当てはまらない、アーマーの割に速さが割と伸びるタイプである。
このため固い、強い、おそい!アーマーはアーダンタイプ、わりあい速さが伸びるのはドーガタイプと呼ばれたりも。
しかし聖戦の系譜は速さ至上の回避ゲーであり、この傾向はそのあともしばらく続いた。
このゲームバランス下では速さが低いことは回避できずに追撃されるため防御力が高くても耐久性能には疑問符がつく、追撃できないので攻撃面も厳しいと長所を台無しにして余りあるデメリットだった。
「固い、強い、おそい!」はもっと短く言えば「弱い!」だったのである。
聖戦では親世代のユニットを結婚させることで第二部に能力を受け継いだ子世代が登場するのだが、攻略本やサイトに「アーダンは誰とも結婚させない方がいい」などとまで書かれる始末。
まあ、アーダンと結ばれた女性はそれで満足しているかも知れないが。
まわりが美形ばかりの聖戦にあって目立つ厳つい風貌、愛嬌のあるキャラクターに恵まれたイベントからネタ的には愛され、彼を活躍させようというMブレマーもいたのは幸いか。
その後も斧使いでアーマーという異色の主人公、ヘクトルがこの両属性の地位を改善したりしつつも全体的には使えるアーマーといえば速さが伸びるタイプで、アーダンタイプは扱いづらい作品が続くことになる。
そんな中、ファイアーエムブレムifに強面で無骨な性格、高い守備力、上級Lv20に達しても1桁にしかならない速さを併せ持つまさにアーダンタイプのアーマーナイトであるブノワが登場した。
・・・のであるが、彼は生半可な物理攻撃ならば無に帰す圧倒的防御力に加えスキル「守備隊形」によって2回攻撃を防ぐことができるため壁役として非常に優秀。
ifは普通の前衛なら3戦闘持たないほどの高火力ゲーであるため、その環境下で安定して壁役がこなせるほど硬い彼の存在はゲームの難易度を変えてしまうほどの影響があり、if最強ユニットとの声もある。
さらに、サブカルチャーのトレンドが耽美から萌えに移り変わったことでキャラクターが多様化し、周囲がイロモノばかりの中で厳つい見た目だが実は小心者で、心優しい真面目な性格のブノワは好意的に受け止められ、誰を嫁にやっても安心できると言われるまでに至った。
性能やキャラ性は似ているのにここまで評価の差が生まれるというのは、世の中も変わったものである。
同じ任天堂繋がりでポケモンでも言われることがあり、ドサイドン先生やシュバルゴ等鈍足であること以外は優れた破壊力と高い耐久性を持つポケモンに対しても呼ばれることがある。こっちもこっちで弱点を突かれれば先制1発で倒れる場合がザラにあるような火力バランス下で、乱数要素なしで素早さが高い方からターンが始まるため、アーマーナイトが2回攻撃を受けてしまえば固さが活かせないのと同様に、遅いというのはそれだけで辛く、考えなしに使えば何もできずにやられてしまう。
しかしポケモンには行動順を逆転させるわざ「トリックルーム」が存在するため、彼らは突如として「固い、強い、速い!」に変貌し、速さの優位を失った敵に牙をむく。
この爆発力を主軸にするトリパはガチの対戦でも登場以来活躍し続けており、「固い、強い、おそい!」に振り切れたポケモンはトリパ要員として評価されている。
同じような言葉にスクライドのクーガー兄貴のセリフ「おまえに足りないものは情熱、 思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ。そして何よりもー、速さが足りない!」がある。
関連項目
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