猿払村(さるふつむら)とは、北海道の宗谷地方にある村(地方公共団体)である。宗谷郡に属する。
概要
猿払村(2021年4月1日時点) | |
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面積 | 約589.99km2 |
人口 | 2,612人 |
村の花 | コケモモ |
村の木 | ナナカマド |
隣接 市町村 |
宗谷総合振興局 稚内市 天塩郡:幌延町、豊富町 枝幸郡:浜頓別町 |
稚内市の南に隣接するオホーツク海沿いの村で、北方領土を除く日本の村の中では最も北に位置する。
村名はアイヌ語の「サラプッ(ヨシ原の河口の意)」が由来。これは元々現在の浜猿払地区の特徴を表す語であったものが、付近一帯の地名に変わったものである。
漁業と酪農が主な産業で、特にホタテの漁獲量は全国一である。
かつて濫獲が祟ってホタテが獲れなくなった時期があり、その後しばらくは採炭と林業で細々と繋いでいたものの、炭鉱は閉山、林業も衰退し村の経済は完全に停滞してしまった。この時期の村の困窮ぶりは「貧乏見たけりゃ猿払へ行きな」と言われるほどだったという。
そんな中、猿払村漁業協同組合がホタテ漁の再起を賭けて稚貝の放流事業に乗り出したところ、これが軌道に乗り漁獲量は回復。その後も計画的な資源管理により安定した漁獲量を実現し、貧しかった猿払村は今や東京23区や芦屋市・軽井沢町といった錚々たる面子に交じって住民平均所得全国トップ10入りするほどのリッチな村へと変貌を遂げた[1]。
村内の主な地名
- 鬼志別(おにしべつ)
- 村役場がある猿払村の中心街。スーパー(Qマート)や公立病院、小中学校の他、知来別地区にある陸上自衛隊演習場の管理所と宿営地がある。ただしコンビニはない。
かつては国鉄(JR北海道)天北線の鬼志別駅があった。現在その跡地はバスターミナルに転用されている。
地名はアイヌ語の「オニウシペッ(川尻に・木が・群生している・川、の意)」または「オヌウシペッ(川口・豊漁・ある・川、の意)」が由来とされる。 - 浜鬼志別(はまおにしべつ)
- その名の通り、鬼志別地区から見て海側にある地区。猿払村漁業協同組合の事務所や、村内唯一のコンビニ(セイコーマート)、道の駅などがある。
- 猿払(さるふつ)
- 位置的には村の中央やや海寄りにある。村名と同名でいかにも村の中心街っぽい名前の地区だがそんなことはなく、小規模の集落とポロ沼と呼ばれる沼があるくらいである。かつては国鉄(JR北海道)天北線の猿払駅があった。
- 浜猿払(はまさるふつ)
- その名の通り、猿払地区から見て海側にある地区。港の周辺に集落が形成されており、この周辺からツーリングの定番として有名な村道エサヌカ線が走っている。
- 知来別(ちらいべつ)
- 猿払村の最北部に位置する地区。海沿いに漁港と集落があるほか、内陸部に陸上自衛隊鬼志別演習場がある。地名の由来はアイヌ語の「チライペッ(イトウ魚の・川、の意)」とされる。
- 浅茅野(あさじの)
- 位置的には村の南方にある。小さな集落やカムイト沼があり、かつて国鉄(JR北海道)天北線の浅茅野駅もあった。集落の近くに株式会社王子製紙が社有林を持っているが、遊歩道などが整備されていて一般人の入林もできる(要事前連絡)。
交通
道路
国道
道の駅
その他
浜猿払地区からオホーツク海沿いを通って浜頓別町に至る村道エサヌカ線は、原野と牧草地を突っ切る人工物のほとんどない直線道路ということで観光客に人気があり、稚内市から天塩町までを日本海沿いに走る北海道道106号稚内天塩線と共に「西のオロロン東のエサヌカ」と称されている。
鬼志別地区から知来別地区にかけて何もない緩やかな丘陵地帯をショートカットする道路とかも北海道らしくてオススメ。
鉄道
2021年現在鉄道は通っていない。かつて国鉄天北線が通っていて、小石駅 - 鬼志別駅 - 芦野駅 - 猿払駅 - 浅茅野駅 - 飛行場前駅が置かれていたが、民営化後の1989年にすべて廃止された。猿払駅以南の廃線跡はサイクリングロードに転用されたが、あまり手入れはされていないようで荒れ果てている箇所が多い。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
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