群像劇とは、映画・演劇・小説などで使われるストーリー手法のひとつ。グランドホテル方式、アンサンブル・プレイ、群集劇とも呼ばれる。
概要
群像劇には以下の二つのパターンがある。
- 同一の世界観や舞台において、それぞれ別の人物による完全に独立した短編がいくつも同時進行しているもの。例えばひとつの学校内の複数の人物を別個に描くものがこれに当たる。
- 1と同じく、同一の世界観や舞台でそれぞれ別の人物による独立した複数の物語がつむがれるが、一見バラバラなエピソードに見える複数の人物のストーリーが、全体を通して知ることで一つにまとまり本当の姿を現す手法のこと。
1の場合であれば、いわゆる複数の主人公が存在する作品といえる。それぞれのエピソードはそれ単一で完結し、別のエピソードとの対比などをさせることはあっても、それぞれのつながりの必要性は薄い。また、映画や舞台などではエピソードは同時進行することが多い。
一方、2の場合であれば、ひとつの出来事に対して複数の人物の視点を借りることにより多角的な面から検証でき、取り扱う「事件」や「事象」が主人公となるストーリーといえる。また、エピソードは一つ一つ語られ、完結してから次のエピソードに進む場合もある。その場合、本来起承転結をたどるべきである物語が、いきなりクライマックス部分を持ってくることもあり、何故このような状況になったのか、登場人物らは何故このような状況に巻き込まれたのか…そういったことが別の人物のストーリーから徐々に明かされていくパズルのような謎解き要素もある。
もちろん、これらを折衷させた作品も多い。複数のエピソードの主人公たちが集まり最終的解決を図る作品や、複数の登場人物たちが絡み合うのを視点を移動しながら追っていくストーリーなども群像劇であるといえる。
共通していえることは、群像劇の全体像を認識することができるのは「神の視点」を持つ作者と読者/視聴者のみであり、登場人物たちには全体像が把握できていないことである。逆に言えば、全体像を認識できているキャラクター、いわゆるトリックスターや狂言回しなどはすなわち「神の視点」を持つということであり、裏で全てのエピソードを引き起こしている黒幕であったりするなど、物語にとって重要なキーパーソンとなることが多い。
ニコニコ動画では
ニコニコ動画で有名な群像劇作品は『バッカーノ!』や『デュラララ!!』などこの手の手法が大好きである成田良悟氏原作の作品が多い。映画ではガイ・リッチーやクエンティン・タランティーノなどが群像劇を得意としており、成田氏が影響を受けた作品もある。
主な作品(五十音順)
漫画・小説・ライトノベル
- ウォッチメン
- X-MEN
- オールラウンダー廻
- おやすみプンプン
- 境界線上のホライゾン
- テスカトリポカ
- デュラララ!!
- 東方儚月抄
- ニンジャスレイヤー
- バッカーノ!
- バトルロワイヤル
- Fate/Apocrypha
- Fate/strange Fake
- Fate/Zero
- ブギーポップは笑わない
- みつどもえ
- ゆびさきミルクティー
- 指輪物語
映画・ドラマ
- アイデンティティー
- 踊る大捜査線
- 仮面ライダー555
- グランド・ホテル
- コンテイジョン
- 11:14
- 仁義なき戦いシリーズ
- スナッチ
- DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)シリーズ
- トランスフォーマー(実写映画)
- HiGH&LOW
- パルプ・フィクション
- MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズ
- ラ・ボエーム(2008年の映画。原作はプッチーニのオペラ)
- ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
ゲーム
- IZUMO零
- ef - a fairy tale of the two.
- コールオブデューティシリーズ
- SIRENシリーズ
- 絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-
- ソニックアドベンチャーシリーズ
- DUNAMIS15
- ドラゴンクエストⅣ
- ファイナルファンタジーⅥ
- 「街」
- ライブ・ア・ライブ
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群像劇を好むクリエーター
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関連項目
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