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食虫植物とは、自らの器官で昆虫を捕らえ、養分として利用する植物のことである。
曖昧さ回避
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概要
食虫植物の定義は人によって異なるが、①虫を何らかの方法でおびき寄せ、②おびき寄せた虫を捕らえて殺し、③殺した虫の養分を消化・吸収するという条件を全て満たすものを一般に食虫植物という。この条件の一部を満たす植物は非常に多いが、真の食虫植物となると世界中で12科19属（分類の仕方によって若干数字は異なる）、約600種類が知られているのみである。
食虫植物はその奇妙な生態から、しばしば恐怖の植物とされることがある。ファンタジーなどに登場する食人花はおそらく食虫植物をヒントに考案されたのであろう。しかし、パックンフラワーなどのイメージが強いためにしばしば勘違いされることだが、食虫植物は花で虫を捕らえているのではない。罠の役割をする構造は多くは葉や茎に由来し、花由来の構造は存在しないのである。また、食虫植物が捕らえるのは昆虫ばかりとは限らない。線虫を誘い込むための特殊な構造を持ったゲンリセアのような例もあるし、ハエトリグサはカエルだってかまわず食っちまう草なんだぜ。
食虫植物の中には素早い動きで能動的に虫を捕らえる種類もあり、逆にひたすら虫が罠にかかるのを待つ種類もある。捕虫方式は、①落とし穴式・②粘着（とりもち）式・③はさみわな（はさみ込み・閉じ込み）式・④袋わな（吸い込み）式・⑤誘い込み式の5種類に分けられ、大部分は落とし穴式と粘着式に含まれる。
食虫植物は典型的には湿地帯や痩せた土地に自生し、これらの環境では成長に十分な養分を得ることが難しい。そのため、虫を捕らえることでその養分を補っているのである。別の見方をすれば、そのような環境で虫を栄養にできるように進化したとも言えるだろう。しかし、食虫植物自身も通常の植物に備わっているような光合成能を有しており、虫を捕らえないと枯れてしまうというわけではない。また、ハエトリグサに調子に乗って虫を与えすぎたら枯れてしまった、という経験のある人がいると思うが、能動的な捕虫には多大なエネルギー消費というリスクが伴うものである。
日本でも、モウセンゴケ・タヌキモ・ムジナモ・ムシトリスミレの仲間が自生しているのを見ることができる。多くの自生地は天然記念物などに指定されている。
ここ数年、食虫植物の栽培がなぜか若い女性（と中年の男性）を中心に人気だという。国内にもベテランの集う愛好会が複数あり、初心者向きの種類もあるので、この機会に始めてみてはどうだろうか。
関連動画
関連生放送
関連静画
関連項目
- 植物
- ウツボカズラ
- 羽生…食虫植物の一種「ムジナモ」は日本では各地で絶滅し、残った自生地が羽生市にある宝蔵寺沼ただ一つのみである。羽生市のキャラクター「ムジナもん」は本種をイメージしたムジナのようなキャラクターである。
- マダツボミ&ウツドン&ウツボット…食虫植物をモデルにしたポケモン。マミる(?)コジロウの光景はファンの記憶に残っているはずだろう。
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