3DMarkとは、Windows用ベンチマークソフトである。フィンランドのFuturemark社が開発、リリースしている。
概要
3DMarkは初代となる「3DMark99」をはじめ、WindowsのDirectXで採用される基本的な描画および演算に関する技術に関して、点数に表してPCの性能を評価するソフトウェアであり、特に2000年前後の自作PCブームでは、この数値に一喜一憂する自作ユーザーが多数現れた。中にはこのソフトしか使わないPCもあったとか。
最新版は2013年にリリースされた「3DMark」で、WindowsパソコンのほかにAndroid搭載のスマートフォン、タブレット端末向けのベンチマークも用意されている。
また、バージョンによってはゲームとして遊ぶことができたものもあるとか。
3DMarkの各バージョンのデモについては関連動画を見るべし。
経緯
フィンランドのメガデモ制作グループであるFuture Crewのメンバーを中心に、3Dアクションゲーム「MAX PAYNE」のレンダリングエンジン「MAX-FX」の開発を行うに当たって、DirectXでの動作をテストする目的も含めて制作された「Final Reality」が起源となっている。
このデモによって、当時「Voodoo Graphics」などを搭載した3D専用のグラフィックカードを使わなければまともなゲームが期待できないと思われていた中で、nVIDIA社の「RIVA 128」 といった2D兼用ビデオカードでも十分な性能を引き出すことを証明するきっかけにもなった。
この成功を元に、さらなるMAX-FXの熟成を含め、Futuremark社を設立して本格的なベンチマークおよびメガデモソフトの開発に取りかかった。最終的に、2001でMAX-FXは完成され、MAX PAYNEもリリースされた。
2003からは独自のレンダリングエンジンを開発し、最新のDirectXに対応させて将来的なグラフィック性能を試すソフトへと変貌した。そのために、このバージョンからリリース時点で非常に重いものとなっている。
各バージョンについて
3DMark99
DirectX 6対応。のちにPentium IIIに搭載されたSSE、およびAMD K6-2に搭載された3DNow!に対応すべくDirectX 6.1に対応させた3DMark99 MAXをリリースした。
3DMark2000
DirectX 7対応。いち早くハードウェアT&Lに対応させている。
このベンチマークによって、nVIDIA社の「GeForce 256」が他のビデオチップを圧倒する性能を見せつけ、Voodooシリーズなどの3D専用チップをもしのいでトップの座に君臨するようになった。
このとき社名を「MadOnion.com」 としている。
3DMark2001
DirectX 8対応。
バーテックスシェーダーとピクセルシェーダーに対応したベンチマークが加わったほか、ミニゲームも追加されている。
ただしリリース当初はかなり重いものとなっていた。
3DMark03
DirectX 9対応。このバージョンより独自のレンダリングエンジンとなった。一部シェーダーモデル2.0に対応している。
メガデモでは4つのストーリーを持たせたものとなり、従来よりも見応えのある長時間のデモとなっている。
しかしリリース当初は非常に重いものであったことと、ゲーム用のレンダリングエンジンでなかったため、ゲームプレーの指標となる物ではないとの批判もあった。また、特定のメーカーに依存したエンジンにしているのではないかとの嫌疑もかけられるようになった。
当時はGeForceとRADEONへとビデオチップが集約され、全面対決を始めていた頃である。
3DMark05
デモ内容はさらに重さを増している。また、エンディングでは地元フィンランドのバンド「Poets of the fall」のナンバーが採用されている(MAX PAYNE2でもメインテーマを手がけている)。
3DMark06
DirectX 9.0c対応。シェーダーモデル3.0対応し、マルチコアCPU(マルチスレッド)対応になった。
全体的には05のデモをマイナーチェンジしたものとなっているが、別途デモが追加されている。
また、2001以来となるミニゲームが追加されている。
Windows XPに対応する最後のバージョンであるため、XPユーザーにとっては標準的なベンチマークとなっている。
3DMark Vantage
2008年にリリースされ、DirectX 10および物理処理演算エンジンであるPhysxに対応。Windows Vista以降対応。
音付きのメガデモはなくなり、ベンチマークのみとなった。また、オンラインでのスコア比較も可能となっている。
3DMark11
2010年リリース。DirectX 11、Physxに対応。Windows 7以降、およびDirectX 11を適用したWindows Vistaに対応する。
3DMark
2013年リリース。PC版はDirectX 11対応で、前半は非常に軽いものであるが、後半になるにつれて重くなる。
また、スマートフォンなどでも3Dグラフィックスゲームがプレーできるのに合わせ、Android版もリリースされた。
関連動画
3DMark2000:町の中を飛び回ったりヘリを撃墜したりマトリックスしたり。音楽もイケてるため、1日じゅうぶん回した人も多いはず。
3DMark2001:クリーチャーがうねうねしたり、マトリックスごっこしたり。蝶々のシーンがめちゃくちゃ重い。
3DMark03:第2次大戦の世界観のデモ。要求スペックうなぎ登り。
3DMark06:宇宙大戦。以上。
3DMark11:遺跡をめぐろう。
関連項目
- ベンチマーク
- タマネギ(madonion.com)
- Second Reality
- Final Reality
- MAX PAYNE(マックスペイン) - 2001まで使用されたレンダリングエンジンはこのゲーム向けのもの
- Unigine - ロシアのベンチマークソフト
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