CHELSEA(チェルシー)とは、明治が製造するキャンディーである。
概要
特徴・歴史
1971年に明治から発売されたキャンデー菓子。明治の主力商品の一角で、イギリスのスコットランドに古くから伝わるスカッチキャンデーをもとにして開発したキャンデーで、濃厚なバターミルク感と甘さを堪能できるのが特徴的である。また、バター以外にも爽やかな味わいが楽しめるヨーグルトスカッチ、現在はチェルシーアソートのフレーバーとして製造され、ピリッと効いたほろ苦い甘さを楽しめるコーヒースカッチがある。また、これ以外にも期間限定フレーバーを製造しており、1997年に発売されたカフェオレスカッチ、2003年に発売されたミルクスカッチ、2007年に発売された抹茶ミルク味、2008年に発売された桃ミルク味、2004年から2010年まで製造されたフルーツヨーグルト味などがある。
また派生商品も多数発売しており、1989年発売のチェルシーソフト(キャラメル)を皮切りに、チェルシーチョコレート(2010年発売)やチェルシービスケット(2011年発売)が製造された。ちなみに、チェルシーソフト発売以前には、チェルシーアーモンドという派生商品発売の先駆けとなったフレーバーが製造されており、大粒のアーモンドをチェルシーのバタースカッチで大胆にもまるごと1粒包み込んだフレーバーとなっている。(なお、1994年に販売を終了している。)
2024年3月4日、明治は販売を3月で終了すると明らかにした。同社広報は「市場環境や顧客ニーズの変化に伴う販売規模の低迷により収益性が悪化し、販売を終了せざるを得ない状況にあるため」としている。
チェルシー開発秘話
明治公式サイト内にあるチェルシーブランドサイトページでは、チェルシーが誕生するまでの様々な開発秘話が明かされている。
スカッチキャンデーとの出会い
チェルシーは発売2年前の1969年から「キャンディーの新しい分野を切り拓く」という意気込みの中、大型プロジェクトとして開発された。まずは「今までにない特長とおいしさ」を求めて徹底的に市場調査を行い、最終的にイギリスのスコットランドに古くから伝わるスカッチキャンデーに辿り着いたのであった。
ちなみにスカッチキャンデーの「スカッチ」は"スコット"ランドのスコットから来たわけでなく、英単語の「scorching("スコーチ"ング)」から来ている。スコーチングとは、スカッチキャンデーを作る工程の中で高温で煮詰める工程のことを指している。
こだわりの製法
チェルシーは、「流し込み製法」というこれまでのキャンデーの製法と一線を画した製法を採用した。「流し込み製法」は、練り合わせた原料をそのまま型に流し込んで作るという製法で、開発当時の日本では初の試みであった。この製法により、従来製法よりはるかに濃厚で滑らかなキャンデーを作ることが可能となり、なおかつそれまで5~6%が限界だったバター含有量を増やすことに成功したのであった。
商品名「チェルシー」の由来
という条件を設けて審査。そして、「チェルシー」(ロンドン市南西部にある地区の名前)と「キングスロード」(前者の地区内にある通りの名前)の2案に絞られ、これを消費者にテストしたところ、「愛らしい」、「女性的」、「甘い感じ」、「しゃれた感じ」という意見が多かった「チェルシー」に決定したのであった。
こだわりのパッケージデザイン
チェルシーのパッケージといえば、黒地に花柄で、右肩上がりに「CHELSEA」のロゴが描かれたデザインであるが、ここにも当時の開発者のこだわりが入っている。
前述の「これまでにない特長」を示すため、
という6つの条件のもと、当時の第一線で活躍するデザイナーにデザイン作成を依頼した。
厳正な審査で最終的に3案まで絞られ、その中から現在も使われ続けているあの黒地に花柄のデザインが採用されたのであった。
ちなみに、選ばれた理由としては「黒色と花柄がとてもよい」、「窓(透かし部)が開いていてよい」、「中の紙包みが可愛らしい」という理由が挙げられた。
チェルシーの唄
チェルシーといえば、かつて女性フォークデュエットのシモンズが歌う「チェルシーの唄」がCMソングとして流され、当時話題となった。ニコニコ動画では、この曲をVOCALOIDカバーさせた動画が数多く投稿されており、おっさんホイホイとなっている。
ちなみに、この楽曲を作曲した小林亜星がブランドサイトにこの曲についてのエピソードを寄稿している。
「まるっきり新しいキャンデーができるので、CMソングにも新しさを出して欲しい」という依頼で始めたんです。でも商品には"スコットランド伝統のおいしさ"があるということで、スコットランドやアイルランド民謡のような曲をイメージして作りました。
こうしたイギリスの古い民謡は、日本人は小学校唱歌の時代からなじみが深いんですよ。
音階的にも日本の唄と同じ五音階で、似てるんですね。それと、そのころ流行っていてビートルズなんかも影響されていたフォークソングのアコースティックな感じをプラスして、新しさを出したいと思いました。
それを、当時さわやかな歌声で人気のあったシモンズという女声デュオに唄ってもらったんです。歌詞の中にも「あなたにもわけてあげたい」ってあるでしょ。だから一人よりデュエットの方が合うんじゃないかなと思って。このCMソングは歌詞も素晴らしい。
作詞は亡くなられた安井かずみさんですが、なんべんもなんべんも出していただき、書き直していただいた記憶があります。彼女の代表作のひとつだと思いますよ。すごい年月の間このうたを使っていただいたということは、とっても光栄なことですしとってもうれしいです。ぼくもこのうたが、いまでも大好きです。
(「チェルシー ブランドサイト チェルシーの唄ページ」より)
関連動画
関連項目
関連リンク
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