EZ2DJ(イージートゥーディージェイ、韓国語:이지투디제이)は、韓国産の業務用音ゲー、及びそのシリーズ。アミューズワールド(Amuse World)が開発している。
概要
5つのキーデバイスと、左側のターンテーブル、そして右側足元にあるフットペダルを操作して曲を演奏する(1P側の場合。2P側は左右対称になる)。
それらのさらに前には「エフェクトキー」と呼ばれる4つのキーデバイスが存在する。このエフェクトボタンを演奏に使用するモードも存在し、更には1P側と2P側の両方の全デバイス&全エフェクトキーを使用する最難関のゲームモードまで存在する。
また、今となっては珍しくも何ともないが、ロングノートを1作目から正式に採用していたり、後に「ソフラン」と呼ばれるようになったBPMの急な加減速ギミックを取り入れる等、当時の常識を覆した意欲作であるという点も特徴的である。
その意欲はナンバリングを重ねる毎に尖って行き、ターンテーブルのみを使用する「EZ2Catch」で最高潮に達したと言える。
ペンタビジョンのDJMAXシリーズとは兄弟の様な関係。EZ2DJの初期開発メンバーの内5名が独立してペンタビジョンを設立、「EZ2DJのオンラインゲーム化」を目指した結果、DJMAX Onlineが誕生した・・・という経緯である。
そのあまりにも・・・な形故か、後に韓国でも特許を取得したコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)に、半ば後出しジャンケンの様な形で訴えられる事になった。
無論、アミューズワールドもただ黙っていたわけではなく、「特許自体が無効」として逆提訴を仕掛け、その結果コナミの特許を無効化する事に成功している。特許のみならず、意匠権侵害についても「侵害しているとは言えない」という判決が下され、コナミの敗訴が確定した。
これで一安心・・・となる筈だったが、EZ2DJ等の成功に味を占めて様々な事業や物件に手を出した事が災いし、そのほとんどが収益に繋がらない・赤字拡大といった状況に陥ってしまう。その結果、皮肉にもアミューズワールド自身の手でEZ2DJの首を絞める結果となってしまった。
更にはコナミの踏ん張りによって、一度は無効になったコナミの特許が再び有効となる。そして「EZ2DJはコナミの特許を侵害している」との判決が下され、アミューズワールドの敗訴に至る。
もっとも、特許侵害が認められた作品がいずれも旧ナンバリングタイトルだった為、ほとんどが新作に置き換わっている現状では大した影響も無く、実際の所はコナミが「試合に勝って勝負に負けた」様な状態だったと考えられる。
アミューズワールドの敗訴後も、ちょくちょくEZ2DJのバージョンアップが続いているのがその証拠である。
そして、2012年にEZ2DJ Azure ExpressioNというタイトルで正式稼働開始する。
2013年にEZ2AC:Endless Circulationが稼働開始と同時に開発がアミューズワールドからSquare Pixelsに移行し、新シリーズとしての新作となった。
2020年のEZ2AC FINAL:EXを持ってACシリーズの展開は終了したが、現在はSquare Pixelsが開発を担当しているEZ2ON REBOOT:Rが事実上の後継作・並びにアーカイブとなっている。
シリーズ作品一覧
- Ez2DJ THE 1st TRACKS -R U Ready to Insida DJ Box?- (1999)
- Ez2DJ THE 1st TRACKS SPECIAL EDITION (1999)
- Ez2DJ 2nd TraX -It Rules Once Again- (2000)
- Ez2DJ 3rd TraX -Absolute Pitch- (2001)
- Ez2DJ 4th TraX -Over Mind- (2002)
- Ez2DJ PLATINUM -Limited Edition- (2003)
初期主要スタッフによる最終作品。ここからDJMAXに派生して行った。 - Ez2DJ 6th TRAX -Self Evolution- (2004)
スタッフ総入れ替え後に製作された作品だが、特に方向性がブレる事も無く、なかなかの良作に仕上がっている。
だが、この作品と前後してAmuse Worldの経営状態が悪化。ナンバリングはしばらく途絶える事となる。 - Ez2DJ 7th TraX -Resistance- (2007)
再度スタッフが総入れ替えされる。
少数メンバーによる突貫工事であったため、その完成度は非常に残念な事になっている。
最近では更にスタッフが入れ替わるも、地道なバージョンアップで少しずつ完成度を高め続けている。 - Ez2DJ 7th TraX -Resistance- Version 1.50 (2007)
- Ez2DJ 7th TraX -Resistance- Version 2.00 (2008)
- EZ2DJ 7th TraX CLASS R : CODENAME:VIOLET (2009)
おそらく日本国内で最も知名度の高い曲「神威」を排出したバージョン。
システムとしてはパスワードによるデータセーブ機能を導入した意欲的なバージョンだったが、異様なまでの解禁の重さと稼働途中で解禁パスワードが割られてしまったことから無かったことにされた。 - EZ2DJ Bonus Edition (2010)
- EZ2DJ Bonus Edition revision A (2011)
次作で開発スタッフが総入れ替えされたことから、7thから本作までを第2世代とすることが多い。 - EZ2DJ Azure Expression (2012)
"第3世代"の初回作。スクエアピクセルズ開発が公言されたのはECからだが、実際には本作の時点で関与が始まっている。 - EZ2DJ Azure Expression Integral Composition (2012)
- EZ2AC ENDLESS CIRCULATION (2013)
権利上の理由から、本作でシリーズ名が変更された。当初はシリーズ最終作として制作されていた。 - EZ2AC EVOLVE (2014)
基盤のアップデートが行われ、全体的なクオリティが格段に向上している。 - EZ2AC NIGHT TRAVELER (2016)
- EZ2AC TIME TRAVELER(2017)
- EZ2AC FINAL (2019)
一応20周年記念作。当初スクエアピクセルズとは別のチームが開発していたが、クオリティが非常に悪かったため以前のスタッフが呼び戻された。 - EZ2AC FINAL:EX (2020)
FINALの完全版。本作をもってEZ2ACの展開は最後となる。
なお、通常筐体の他に、1人プレイ専用筐体と小型筐体もリリースされている。
番外編
- Sabin Sound Star
2010年に韓国で稼働した音ゲー。本作の操作パネルから、ターンテーブルが3つの大きなボタンに置き換えられたものを使用する。7th traxが登場する以前にEZ2DJの後継作として開発されていた説が濃厚だが、実際の関連性はよく分かっていない。
ちなみに、一部でEZ2DJ出身と認知されている「Finite(Staの楽曲)」は実は本作が初出である。実際にBonus Editionに移植されたが、EZ2DJ側での使用契約を結ばずに無断での移植だったため削除され、その後FINAL:EXで正式に再収録されたという経緯がある。 - EZ2ON
EZ2DJのオンラインゲーム版。DJMAXはあくまでコンセプト上の話だったが、こちらは本当にEZ2DJの既存の楽曲が楽しめるという事で話題になった。
しかし、稼働から1年ちょっとでサービス中止が決定。 - EZ2ON REBOOT:R
2022年にSteamにて配信が開始されたリブート版。独占使用権を獲得したNeoNovice社を中心として、アーケード版の開発に携わっていたSquare Pixelsも開発に参加。DLCの形式で過去作からの楽曲移植も盛んに行われており、FINAL EXで最終作となっているアーケード版の後継作とも言える内容となっている。
関連動画
EZ2DJが有名になったキッカケのひとつ
EZ2DJが(色んな意味で)とても有名になったキッカケ
これが元でBMS等にも文字譜面が派生した、と言われている
関連項目
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