概要
ジェネラル・ダイナミクス社は1977年に、F-16 SCAMP(Supersonic Cruise And Maneuver Prototype)と呼ばれる研究を自社負担で開始した。これは超音速巡航コンセプト(アフターバーナーを使用せずに超音速で巡航することで、十分な燃料を残しつつ行動範囲を広げる)を検証するためのプラットフォームを開発するためのプロジェクトで、F-16の主翼をクランクトアロー翼に変更した設計は航続距離が大幅に増加した。この研究成果に注目した米空軍はジェネラル・ダイナミクス社に初期型のF-16を2機提供し、改造させたものがF-16XLとなった。面積が増えた主翼下には27個ものハードポイントが設置された。[1]
F-16XLはその大きな主翼のおかげで機内燃料は元のF-16よりも82%多い(F-16と同じエンジンを2基搭載しているF-15Cの機内燃料の94%)。また、ミサイルは翼の下面に半埋め込み式に装備、爆弾もパイロンやエジェクター・ラックを使わずに1発ずつ翼の下面に直接搭載することで空気抵抗を大幅に減らしている。[2]
F-16XLはDRF(Dual Role Fighter)プロジェクトにおいてアメリカ空軍に提案された。デルタ翼機で機動性の向上と兵器搭載量の増加による、攻撃機としての性能を向上させていたが、DRFには機体性能と任務適合性で競争相手だったマクドネル・ダグラスのF-15Eストライクイーグルが採用された。
空軍からNASAに移管後、一旦は退役したが、2000年頃から、ロッキード・マーティンの飛行研究に使用されている。日本のFS-X(後のF-2)の候補としてアメリカ空軍から自衛隊に提案された事も有る。
機体名称『XL』の由来は、主任設計者である、ハリー・J・ヒレーカーが愛用していたゴルフボールに由来している。
関連動画
関連項目
脚注
- *F-16XL: WHY AMERICA DIDN’T GET THE BEST F-16
2021.8.8 - *「メカニックブックス8 軍用機の最先端」 B・スウィートマン 江畑謙介:訳 原書房 1985 pp.142-144
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