CH-47とは、アメリカ合衆国で開発された輸送用ヘリコプターである。
概要
1960年代に開発・運用が開始されアメリカを中心とする西側諸国で幅広く運用されているヘリコプターである。なお、運用と平行して改修が続けられた結果、100年を越す運用が続けられる見通しである。
構造
アメリカ軍の「牽引式155㎜榴弾砲1門+弾薬+運用砲兵をセットで輸送できる」という要求に応じ、v-107(CH-46)を大型化したものである。操縦席上後方と機尾上部にローターを備えた『タンデム・ローター』はそのままに、エンジンを後部パイロンの左右外側に設置、燃料タンクは胴体外側のバルジに設けることでキャビンの容積を増やした。
この結果、機体自体の重量と同等の10tの積載量を確保し、人員なら最大55人(+乗員3名)、軽車両(ジープ、ハンヴィーetc)2両を機内に搭載する能力を備えた。また、航続距離も積載時700km、未積載時には2000kmを飛行できる。
一方で胴体15m、幅4mと任務上大柄な機体のため被弾し易く、比較的安全が確保された地域で運用するのが常石だが2000年代から始まった対テロ戦争では待ち伏せ攻撃で撃墜被害が出ている。
また、前方ローターがその構造上、斜め前方に下げた状態で配置されているため着陸時に地面から130cm程度に達するためローターの旋回範囲に入ってはならない。
派生型
- MH-47
特殊作戦用。航続距離を伸ばすため空中給油用プローブを備えている。 - ACH-47
ベトナム戦争時に試験運用されたガンシップ型。機関銃だけでなくスタブウイングを追加してロケットランチャー、機首にグレネードランチャーも追加していた。AH-1が登場したことで御役御免となった。 - モデル234
民生用バージョンたが追加された装備(気象レーダー、大型化したバルジ)は軍用モデルにもフィードバックされた。
運用例
デビュー後はベトナム戦争を皮切りにアメリカ軍が係わった戦争、平和維持活動、災害支援には必ずと言ってよいほど参加している。
フォークランド紛争ではイギリス、アルゼンチン双方がCH-47を運用した。しかしイギリス側は輸送していた徴用貨物船がアルゼンチン軍の空爆で撃沈され、一時的に使えるCH-47が1機のみととなってしまった。しかしアルゼンチン側の1機が鹵獲されたことで部品を確保でき、本国から補充分が届いた後も停戦まで活躍し続けた戦功により、戦時中のコールサインである『ブラボー・ノーベンバー』の名を使いながら2020年現在でも運用中である。
日本では1984年から航空自衛隊、1986年から陸上自衛隊での運用が開始されたがその運用史(2020年時点)で最大の山場は2011年の福島第一原子力発電所事故であろう。
この事故では東日本大震災で誘発された大津波により原子炉の冷却機能が喪失し核燃料を冷却水に浸さなければならなかったが津波による瓦礫と原子炉の損傷で生じた放射線による被曝の危険から地上からの対処が極めて困難と見られたため本来は林野火災用の散水用バスケットを用いた冷却水散布が3月17日に実施された。この際、乗員、機体とも放射線を抑制する防護装備を備えたうえ、原子炉上空を通過しながら実施されたが横風に煽られて効果が薄いと判断されたため地上からの放水に切り替えられた。
これとは別に防衛省では核燃料の反応を抑制するホウ酸をホバリング状態で原子炉に散布する『鶴市作戦』も計画されたが乗員のリスクが高すぎると判断され見送られている。
当然のことながら東日本大震災を含む通常の地震災害、水害、林野火災対応にも従事しているが2004年のスマトラ島沖地震、2010年のパキスタンにおける水害の災害支援活動にも参加しているが何れもおおすみ型輸送艦で輸送された際はローターを外した上でブルーシートで梱包して現地へ向かっている。
作品
動画
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