Mr.BIG(Mr.ビッグ/ミスター・ビッグ)とは、SNKの格闘ゲーム『龍虎の拳』シリーズなどの登場キャラクターである。
概要
サウスタウンを陰から牛耳る組織の幹部。二本の短い棒を用いた棒術使い。スキンヘッドに髭、サングラスという如何にもマフィアらしい威圧感のある風貌をしている。同じ組織に属するギース・ハワードとは対立しており、街の支配権を巡って争う関係にある。
元はアメリカ陸軍の特殊部隊に所属していたが、作戦中に墜落事故を起こしたジョン・クローリーを助けるために命令違反を犯し、除隊処分となる。本名は「ジェームス(ジェームズ)」。彼の棒術は特殊部隊時代にある部族から学んだものだという。軍に残ったジョンは武器を横流しする協力者となっていたが、『龍虎の拳2』の頃には露見し彼もまた懲戒処分を受けている。
初代『龍虎の拳』では不敗の格闘家として知られたタクマ・サカザキを支配下に置くため、娘のユリ・サカザキを誘拐して脅迫した。CPU戦では中ボスとして7戦目で対戦する(最終ボスはMr.KARATE)。
『龍虎の拳2』ではギースが開催した第1回「KING OF FIGHTERS」の邪魔をするため、非正規の出場者として他の選手を次々に闇討ちにする。前作の件でユリはスキンヘッドがトラウマになっており、本人に再開した際には「ハゲ」呼ばわりされて全力で拒絶された。真の決勝戦ではギースに呼び出されて始末されそうになるが、これを返り討ちにして街から追放する(実際には修行のため日本に向かっていた)。
『龍虎の拳2』を最後にサウスタウンの正史には長らく登場せず、『龍虎の拳』が『餓狼伝説』の前日譚である以上、彼ではなくギースがサウスタウンの覇権を奪う未来が確定しているのが辛いところであった。
それから30年以上の時を経て、2025年発売予定の『餓狼伝説』最新作『餓狼伝説 City of the Wolves』にDLCキャラクターとして登場することが発表された。ギースの死後、息子のロック・ハワードが成長した後の時代のため既に60歳前後と思われ、髭が白髪になっている。スタッフによれば、ロックを描くにあたりギースとメアリー(ロックの母)が出会った頃を考えると必須になったという。
他作品におけるBIG
『THE KING OF FIGHTERS(KOF)』シリーズにおいては第3作『'96』から登場。パラレル設定の本作では『餓狼伝説』時代のギースと共演しているため、年齢差が逆転してギースより年下になっている。こちらでもギースとサウスタウンの勢力争いをしており、『'96』のエンディングではギースを暗殺しようとするほか、本人が出場していない『XIV』でも刺客を送っている。
『'96』ではギース、ヴォルフガング・クラウザーと共に「ボスチーム」として登場するが、初登場時に最終ボスだった二人とは異なり中ボスである点をいじられることがある。他の二人の専用BGMが出典作におけるテーマ曲のアレンジであるのに対し、BIGはテーマ曲の「工場のブルームーン」ではなく新曲「DUST MAN」を用意された。
ボスチームの中では色物的な脚色が強く、登場シーンでは美女二人を同伴して「彼はすごいのよ」と言わせたり(何がすごいのかはスタッフも考えていない)、「ハッピーかい?」「デリ〜シャス!」などの変なボイスが多い。『ネオジオバトルコロシアム』ではさらに悪化し、映画「サタデーナイトフィーバー」のような決めポーズを取るようになった。
担当声優
キャラ性能
両手に持った棒によりパンチ攻撃はリーチが長いわりに振りも早く、特に弱パンチは使いやすい。必殺技は地を這う飛び道具「グランドブラスター」、棒を交差させて高速で突進する「クロスダイビング」、相手を空中に投げて下から滅多突きにする超必殺技(隠し必殺技)「ライジングスピア」など。
- 初代『龍虎の拳』ではジャンプができないという欠点を持つが、ガード判定に無防備な部分がある同作の仕様のため立ち中段として機能する技があり、しゃがみガードを崩せないということは無い。但しBIGは立ちガード中の頭部にこの隙があり、立っているのに高めのジャンプ攻撃がガードできないことがある。リーチが長い上に攻撃力と防御力は共に最強クラスであり、CPU戦では厄介な敵となる。アーケード版では隠しキャラクターでプレイヤーが使用するには1人プレイのBIG戦で乱入してもらう必要がある。
- 『龍虎の拳2』では普通にジャンプができるようになった。「グランドブラスター」が気力が少ないと殆ど隙が無くなるため、特にCPU戦では連発して削りに使える。
- 『KOF96』では『龍虎』で使わなかった蹴りを使うようになり、新技の「カリフォルニアロマンス」が対空や連続技に使える。「グランドブラスター」は射程は短いが隙が少なく、ヒット時はダウンを奪うなど接近戦向きの性能になった。一方で、やられ判定が特殊なのか他のキャラには入らない連続技を食らってしまい、BIG限定の即死コンボも存在する。
- 『ネオジオバトルコロシアム』ではそれまでイマイチ使えなかった必殺技の「スピニングランサー」がボタン同時押しで咄嗟に出せる上に無敵判定のあるダブルラリアットのような性能になり、高い防御性能を持つ。同じくあまり使えなかったボタン連打技の「クレイジードラム」もコマンド技に変更されて暴発しづらくなり、発生が早くなって連続技や削りに使えるようになった。
余談
- 『龍虎の拳2』の挑発のボイスに「お味噌スープ!」というそれなりに知られた空耳がある。本来の台詞は「Over so soon?」(もう終わりか?)。
- 『KOF96』には「クレイジードラム」「スピニングランサー」「カリフォルニアロマンス」を続けて繰り出す乱舞系の超必殺技が没技として存在し、その後も正式採用されていないため正式な技名が無く「棒どつきスピニングちょっと対空」という開発時の仮称で知られている。(参考動画)

関連動画
関連項目
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