VOCALOID6とは、ヤマハ株式会社が2022年10月13日に発表[1]、同日に発売した歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」を搭載した音楽制作用ソフトウェアである。
概要
VOCALOID5の登場から4年を経過し、CeVIO AIやNEUTRINO、Synthesizer VなどVOCALOID以外の歌声合成ソフトが次々とAI技術を搭載しより自然な歌い方を実現する中、従来の波形接続型合成に代わり2019年に放映されたNHKスペシャルで製作されたAI美空ひばりでも用いられた新世代AI合成エンジン「VOCALOID:AI」を搭載。ヤマハが持つ膨大な実在歌手の録音ライブラリを基に、音色の特性や歌いまわしなどの特徴をAIに深層学習させ、従来の波形接続型エンジンでは再現できなかった音程やうねり、音色の変化を再現しより発音が滑らかになった高品位な歌唱合成を実現している。
また、AI合成の恩恵として人間のボーカルデータを取り込み、歌詞や歌い方をそのままボイスバンクで再現する「VOCALO CHANGER」や、ボイスバンクの母国語以外の歌唱にも対応する「マルチリンガル歌唱(日本語・英語・中国語)」も搭載している。
VOCALOID6 Editorは、従来のVOCALOID5同様にWindows/Macに対応、VOCALOID5 Editorで搭載された音楽制作を支援する豊富なプリセットやエフェクト、サンプリングはほぼそのまま踏襲している。加えてダブリングやハモリを容易に作成できるTAKE機能も搭載、オーディオトラックは従来通り合計32トラック(歌唱・オーディオ)までとなっている。
スタンドアローン動作のほか、プラグイン動作(VST3/AU)に対応、また新たにMelodyneと連携するARA2にも対応している。
AI合成エンジン搭載によりPCスペックもVOCALOID5より高いものが要求され、CPUはHaswell(第4世代)以上、メモリは最低8GB以上、64bitOSが必須となっている。
VOCALOID6 Editorで使用できるライブラリ・ボイスバンクはVOCALOID3以降のものとなっており、VOCALOID2以前のライブラリはインポート出来ない。また、AI合成による機能である「VOCALO CHANGER」「マルチリンガル歌唱」はVOCALOID5以前のライブラリ・ボイスバンクでは使用不可であり、VOCALOID5以前のライブラリ・ボイスバンクを使用する場合は従来型波形接続となり歌唱合成の品質はVOCALOID5相当となる。
VOCALOID6の歌声調整データはVOCALOID5で採用されている「VPR」ファイルを踏襲。「VSQ」ファイルの読込・書出、および「VSQX」の書き出しは出来ない。
標準付属ボイスバンク
HARUKA・AKITO・SAKURA・SHION・ASAHI・TAKU(日本語)/ ALLEN・SARAH・LUCAS・MICHELLE(英語) … VOCALOID6専用ボイスバンク
Ken・Kaori(日本語)/ Chris・Amy(英語) … VOCALOID5付属ボイスバンクと同等
標準付属DAW「Cubase AI」
VOCALOID6にはSteinberg製DAW「Cubase AI」のライセンスが付属する。
Cubase AIはヤマハ製もしくはSteinberg製オーディオ製品にのみ付属する高機能版DAWであり、別途DAWを購入する事無くそのまま音楽制作を始められるオールインワンパッケージである。
ただしアップグレード版には付属されないので注意。
製品一覧
- AI Megpoid(株式会社インターネット)
- Po-uta(ヤマハ)
- 符色(ヤマハ)
- ZOLA Project(ヤマハ)
- AI 音街ウナ(株式会社インターネット)
- 式狼縁(ヤマハ)
- 花響琴(株式会社インターネット)
- ゲキヤクV(ヤマハ)
- カゼヒキV(ヤマハ)
- galaco(ヤマハ / 株式会社インターネット)
- ついなちゃん(如月庵 / 株式会社インターネット)
- WhiteCUL(ZAN-SHIN / 株式会社インターネット)
- 初音ミクV6 AI(クリプトン・フューチャー・メディア)
- ボカロのCiちゃん(ヤマハ)
- 花奏(ヤマハ)
- 雪解(ヤマハ)
- 春日部つむぎ(ヤマハ)
関連動画
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脚注
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