オブジェクト(ヘヴィーオブジェクト)とは、鎌池和馬著のライトノベル『ヘヴィーオブジェクト』に登場する機動兵器のカテゴリーである。
既存兵器から発展した超大型機動兵器。サイズは本体で50m以上、機体にもよるが砲を含めた全長は100m以上にも及ぶ弩級サイズとなる。
機体形状は日本のアニメなどで主流のいわゆる人型兵器ではなく、球体状の本体にアームや各種ウェポン・推進機・無限軌道などを装備したもの。
かつてとある『島国』で開発された超大型兵器オブジェクトの台頭によって、既存の兵器は旧世代兵器と呼ばれる事となり、これまで培ってきた戦争の歴史を全てにおいて塗り替えた。
オブジェクトの特徴として、「オニオン装甲」と呼ばれる幾万もの湾曲した装甲板を球状に重ねていった積層装甲がオブジェクトの丸い形状を構成している。これは単なる堅牢な装甲に留まらず、衝撃の拡散に重きを置いている。
また損傷した箇所を部分的に取り換えるため、修理交換作業が比較的容易である。
装甲材も手抜きではなく、1枚1枚が高耐火反応剤の粉末をミリグラム単位で打つ職人の繊細綿密な作業の結晶。
絶縁体と導体を交互に焼き付けて防御率を低下させることなく(ケーブル用の穴を空ける必要をなくす)、充分な電力供給にも成功している。(プリント基板式送電装置)
オブジェクトは原子炉を遥かに陵駕する「JPlevelMHD方式」の動力炉を採用しており、石炭を一度どろどろに溶かし、構造をいじって再固化したものを燃料として使っている。燃料は一度投入すれば5年は交換せずに稼働できる。
既存兵器の戦闘機や戦車は今も戦場に投入されているが、戦場での主役の座はオブジェクトに明け渡している。近代戦ではオブジェクト対オブジェクトが主流となっており、オブジェクトを操れるエリート以外はほぼ役に立たない。それはオブジェクトという圧倒的な兵器に対しあまりにも無力過ぎた為である。曰く雑兵、虐殺に他ならないとの事。よってオブジェクトの敗北はそのまま自軍の敗北を意味する。
そのため、この世界の戦争は基本的に戦死者が極端に少ない。
自軍のオブジェクトが敗れれば速やかに撤退し、領土を明け渡すのがポリシー。幾ら戦車や戦闘機を集めてもオブジェクト1機にすらろくに敵わないのだから当然と言える。これが暗黙の了解となっているのが、この時代の戦争である。
どちらかといえばオブジェクト同士の代理戦争に近く、戦死者が少ない戦争と聞こえはいいものの、ある種の形骸化に他ならない。そのせいで兵の練度・やる気が低下し、曰く『平和ボケ』した兵が量産されているのだとか。
オブジェクトの勝敗によって決まる戦争は「クリーンな戦争」と言われている。が、そこは鎌池作品…裏では色々泥沼がある。
また、オブジェクトは第一世代機、第二世代機と分けられ、その後第三世代も作られようとしていたりする。
とある『島国』で最初に開発された12機のオブジェクト。
その圧倒的な力を持ってして、戦闘機等の既存兵器を「旧世代」へと追いやった。
アニメ第1話冒頭のオブジェクトは『子(ね)』と呼ばれる始祖の十二機の内の一機。
原作では簡単に語られる程度で設定もイラストも存在しなかったが、アニメ版にて詳細なデザインが興された。
戦闘機等による全方向からの攻撃を受け、最終的には太平洋上で核兵器の洗礼を受けるも、球体状の本体をアイスクリームのように溶かしながら残った兵装で敵対する14ヶ国からなる連合艦隊を全滅させた。その『記録』は今や伝説となり、歴史の教科書にも載っている。
アニメ版を見た方は「1回の核攻撃で半壊するなら、もう2、3発撃てば容易に破壊出来るのでは?」と疑問が浮かぶかも知れないが、そうされなかった理由は原作小説第8巻『ヘヴィーオブジェクト 70%の支配者』にて「どうしてオブジェクトが出来たのか?」という話と共にとある人物の口から語られている。世界観の根幹を成す話なので非常に伏せ字が多いが、まぁ大体意味は分かる。
電撃文庫マガジン Vol.46のインタビューにて『子』の造形について語られており、作られたのがとある『島国』なので全体的に和のテイストを散らばせ、主砲は二本差しの刀で足周りは忍者が使うような即席の筏をイメージしているとある。
最初に台頭した総合マルチロール型と呼ばれる汎用性の高い機体群。空・海・砂漠とあらゆる環境に対応できる汎用性の高さが特徴。対人・対戦車なども想定されている。
既に旧式で時代遅れであり、いずれも特化型の第二世代に苦戦を強いられている。
因みにメインヒロインである『お姫様』のオブジェクト「ベイビーマグナム」は第一世代に分類される機体である。
“かませ”と“救われる対象”の両方を経験していて、導入部の巻から見事に大破させられている。……が、この大破させられたことが、クウェンサーやヘイヴィアを「クリーンな戦争」の生ぬるさから目覚めさせ、同時に生身でオブジェクトを破壊することに繋がっていく。
各国でオブジェクトの配備が進んだ時期に開発された機体群。
オブジェクト同士の戦闘においてより高い戦果をあげられるオブジェクトが求められた。ゆえに総合型の汎用性の高さを殺し、性能の偏りを承知の上で長所を突出させた。
これらは目的・環境に合わせて部分的に特化させ、いずれも尖った機体性能などを持たされている。
「対オブジェクトに特化したオブジェクト」。いわばそれが第二世代全体のコンセプトである。
登場するオブジェクトは殆どがこの第二世代型である。
クウェンサーとヘイヴィアのドラゴンキラーコンビが良く破壊しているのもこの第二世代オブジェクトであり、性能を偏らせた結果出来た弱点を突いていき破壊していくと言うことが多い。
装甲ケチってると解ればそこを突いたり、外側が駄目なら別の箇所を狙ったり。
しかし破壊をしてもオブジェクトは超巨大であるため、爆破すれば閃光や音で目や耳がやられかけ、海で倒せば巨大な津波が起きる。倒せたと想ったらジェノサイドボウリングのようにオブジェクトが転がってきて必死で逃げるなどしなければならない。まさに命がけすぎるのである。
目下開発中の機体群。
オブジェクト開発に関わる一部技術者は、既に第二世代を超える「第三世代への道」を模索し始めていた。
実は第三世代構想への先駆け・技術ベースとなったのは「トライコア」であり、一部技術者からは第三世代へ至る可能性を秘めた特別なオブジェクトだと評価されている。(もっとも「トライコア」自体は第三世代に至れなかったオブジェクトであり、作中でも(笑)扱いされている。)
“第三世代を自称する第二世代”もあったが、そっちはピーキー度が増している。
「ヘヴィーオブジェクト AD >> 戦争とは知識と教養から生じる」より
「派手に息を吸うな。対空レーザーなんかオブジェクトだらけの戦場じゃ日常茶飯事だ。ヤバいのには慣れてる。このまま浅く小さく息を吸え。一度モニカ達の所まで戻ろう」
『もがもが。オブジェクトってのはあれば100門以上びっしり本体を覆ってやがるんでしょ。どうやったら生身の体で生き延びられるんだ!!』
「第二世代はオブジェクト戦に特化しているから意外と死角は多い。侮れないのは第一世代だ。旧式って言うのはまだ歩兵や戦車と闘う気まんまんで設定されているからな」(以下略)
掲示板
88 ななしのよっしん
2017/09/07(木) 19:14:38 ID: 1FhG7f10iQ
重武装っぷりが似とりはする
89 ななしのよっしん
2018/04/08(日) 01:04:21 ID: 89cpxX4OdU
いっそ普段はしぼんだ風船みたいに携帯できて
おひとり様につき一機レベルで普及してしまえばいいのに…いいのに
あとさらに巨大な機体でオブジェクトをボールにサッカーしてみたい
と思ったのは自分だけじゃないと思いたい
90 ななしのよっしん
2020/06/20(土) 19:58:04 ID: 9awRAozG+g
セルフコラボ小説でベイビーマグナムが白き女王にヨーヨー扱いされていたのはエグすぎた
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/29(金) 00:00
最終更新:2024/03/29(金) 00:00
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