ギョウジャニンニク(行者にんにく・行者葫)とは、ネギ科(クロンキスト体系ではユリ科)ネギ属の多年草である。アイヌネギ、キトビロなどとも呼ばれる。アイヌ語ではキト(kito)、またはプクサ(pukusa)。
学名はAllium victorialis subsp.platyphyllum(subspは「亜種」の意)
日本では北海道の平地や山地、本州では近畿以北の高地の林内、水湿地に群生している。カムチャツカ、千島、サハリン、中国、朝鮮半島、シベリアでも見られる。ヨーロッパの高山では、原種のAllium victorialisが見られる。
高さは40cmから70cm程になり、長さ20cmから30cm、幅3cmから10cmで根生の葉を持つ。葉には光沢があり、すずらんに似ている。ニンニクの名を持つとおり臭いがあり、地下にはラッキョウに似た鱗茎を持つ。花茎は長い。
6月から7月の初夏に花をつける。花は球状の花火形でネギの花に似ている。
本州では多くが自然保護区内に生息しているためあまり見られず、さらに生育速度が遅いため希少な山菜とされる。幻の山菜と呼ばれており、市場では高値で取引されるとか。北海道ではメジャーな山菜で、少し山に入ればのっつり採れるんでないかい?
ギョウジャニンニクの名前の由来は山にこもる修験道の行者が食べたことからと一般に言われている。また、ギョウジャニンニクを食べると滋養が付きすぎて修行にならないため、食用を禁じられたからとも言う。
北海道ではアイヌネギやキトビロ(キトピロ)とも呼ばれる。キトビロはアイヌ語の「キト(ギョウジャニンニク)」にネギやニンニクを意味する日本語の古語、「蒜(ひる:野蒜という言葉に生きている)」が付与されたものとされる。アイヌの人々もよくギョウジャニンニクを食した。北海道でよく見られる地名、「キトウシ(喜登牛、来止臥などの漢字を当てる)」は「ギョウジャニンニクの多いところ」と言う意味である。
5月上旬から中旬が食べごろ。採取するときは(他の山菜にも言えることだが)刃物で根元を切って、根は残しておこう。
ギョウジャニンニクは芽生えの姿が毒性のある植物と見分けにくい。外見の似た有毒植物にバイケイソウ、コバイケイソウ、イヌサフランなどがある。また、育つとスズランによく似ている。花を見れば一目瞭然だが、当然採取する時期には花はまだ咲いていない。葉のみを見分けるしか無いのである。
よくギョウジャニンニクの特徴を覚えておこう。少しでも怪しければ、回避すること!
主に葉、茎を食べる。葉はニラのような食感で、茹でればほうれん草のような食感になる。茎はニンニクの味。あまり食べ過ぎるとニンニクのように口臭の原因となるので注意である。
茹でて冷凍保存すれば、非常に長持ちし、保存食としても重宝される。アイヌの人々は乾燥保存させてたとか。
葉が分かれている部分に泥やゴミ、埃や枯葉が入り込みやすいのでよく洗う。赤い薄皮(ハカマ)は、成長するに従い剥がれる仕様。多く薄皮は2枚あり、根元の赤い薄皮は泥が付いていたりするので取ること。葉の直下にある赤い薄皮は面倒ならついたままでも大丈夫。念を入れるなら剥くこと。薄皮内部はネバネバしているのでそれも全て洗う。
まず、洗ったギョウジャニンニクをざく切りにする。形のまま食べたい場合は切らずとも可。ギョウジャニンニクを瓶の真ん中まで入れ、そこで味付けをする。瓶底に調味料が貯まる程度で良い。
味をしみこませるためにギョウジャニンニクははちきれんばかりに満杯にすること。瓶の蓋を閉め、1ケ月ほど寝かせると美味しい。冷凍にすると保存が効き、1~2年は持つ。
掲示板
8 ななしのよっしん
2022/05/06(金) 18:01:38 ID: uHWJfiBYYi
なんか品種改良とかで生育速度なんとかできんのかな
めちゃくちゃうまいのでもっともっと出回ってほしい
9 ななしのよっしん
2022/05/06(金) 18:09:37 ID: ntTqLsIWby
一般人は品種改良=遺伝子操作=体に悪いって早合点するし
改良自体時間も金もかかるから一本10円で買える頃には俺等しんでるゾ
10 ななしのよっしん
2022/05/06(金) 18:13:03 ID: 1ZtpJcL2bV
関東じゃ日陰で風通しがよい場所じゃないと育たないしな。
ニラとニンニクで妥協するしか。
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最終更新:2025/12/13(土) 05:00
最終更新:2025/12/13(土) 05:00
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