要は最終回のことであるが、『完結編』などと銘打った場合はそれよりもやや意味が重たくなり
以降のシリーズ続編製作は一切行わない、作品世界の根幹を明るみにし、謎を全て回収する、重要登場人物や主人公の死といった重要かつ重厚な展開が為される場合が多い。
特に、アニメーション作品や小説の映像化作品では、連続シリーズの最終回とは別に映画での完結編が製作される例が少なくない。これは、原作作品に映像作品が追いついてしまい、「一時的な結末」「一旦のしめくくり」「クール制故に必要な回」「テレビシリーズのラスト」として番組を終わらせなければならないとしての話を作らざるを得ない状況下において多発する。この場合、製作された完結編は「本当の結末」として全シリーズの時間軸において最も未来にあたる出来事を記すことになる(無論、「うる星やつら 完結編」のような例もあるため一概には言えないが)。
逆にこれを利用してわざと連続シリーズで終わらせず、不完全燃焼な最終回を造り、映画の興行収入を伸ばすため、映画でわざわざ完結させるということも常習的に行われている(「仮面ライダーディケイド」のように大きく非難を浴びた例もある)。
このため、人気映画作品や小説、漫画などでシリーズのクライマックスを執筆する、製作開始となると、その発表前から話題となり、作者側も受け手が必ず納得の行く終焉を作品や作中人物に与えなければならなくなるため、長期化したシリーズほどその製作は困難を極めることとなる。
完結が著しく困難に陥った著名な例として、『サイボーグ009』がある。この作品は「次に執筆する長編で完結」としつつも、あまりに話が壮大になりすぎ、プロジェクト自体が2度も中断してしまい、原作者石ノ森章太郎でさえ、全ての構想を萬画化することが叶わず、死没。後年になって遺族が小説の形で完結編製作プロジェクトを立ち上げ、数年がかりでようやく物語にエンドマークをつけることができたというものがある。萬画版もアシスタントが引き継いで執筆し、2014年完結した。小説では同じようなプロジェクトに新田次郎の『孤愁−サウダーデ』があり、こちらも絶筆作を引き継ぎ、完成、2015年に書籍に纏められた。
また、これは作者存命中に許された稀有な例だが、『シャーマンキング』は多くの謎と未回収伏線を残したまま打ち切りとなったが、作品人気自体が衰えなかったことで完全版刊行時に完結編執筆を許可され、4年越しに最終章に持ち込むことができた。
逆に作者が犯罪を犯したことで打ち切りなった『世紀末リーダー伝たけし!』は最終章執筆中だったため、作者の復帰後になんとか完結に漕ぎ着けている。
しかし、009のように製作者没後に完結が許された作品は多くなく、寧ろ全てを回収した円満完結作品の方が珍しい。大抵は「長くなりすぎ、結末を描けぬまま未完」「(作者、読者双方にとって)不本意な結末」となり、後年にシリーズ再開ということも多い(「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト完結編」はその典型である)。
現代の漫画作品(特にジャンプ作品)は、その看板作の多くが長期連載作だが、「いつまで経っても話が進まない」「早く最終回が観たい」といった作品が多くなりつつあり、「人気故に完結が許されなくなる」という例も散見される(「ドラゴンボール」「ルパン三世」などもこれに当たる)。逆に描きたいことが多すぎ、執筆ペースがアイデアの表現に追いつかないという「ベルセルク」のような例もある。
このほかに原作者が年内完結を宣言しながらも完結不能に陥った「バガボンド」のような例がある一方で、アイデアがさらに膨らんだことで完結巻を先延ばしにして無事完結した「AKIRA」のようなもの、完結巻を明言した「ピアノの森」「無限の住人」「あさりちゃん」のように宣言どおりきちんと完結した作品もある。
漫画作品における完結は、その執筆者個人の力量、即ち「きちんと最終回を描けるのかどうか?」もその作者の実力の一つといえるだろう。
映画では、当初2で全ての結末を付けられていた「ターミネーター」シリーズや役者の地位向上に伴い完結編を製作した「仮面ライダー電王」が、『人気故に再開』とされた例がある。
変則的な完結編では、スター・ウォーズシリーズがあり、シリーズ全体としての完結エピソードは「ジェダイの帰還」であるが、映画シリーズ完成の完結編はそれよりも過去を描いた「シスの復讐」で、シリーズを先に未来の出来事を描き、過去を明かすという、作品の欠落部をパズルのごとく埋め合わせて完結として作品であった(但し、数年後に「ジェダイの帰還」以後の物語が製作されることが決定し、2015年に『スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒』が公開、2017年にエピソード8が公開され、2019年のエピソード9で真の完結予定である)。
アニメーションの場合は基本的に完成作品が公開作品となるため、未完の絶筆、というものは多くは無いが、手塚治虫の最期のアニメ『森の伝説』は第一楽章、第四楽章のみ本人が手がけたまま逝去、数十年放置されていたが、息子の手塚眞が製作を引き継ぎ、2014年に第二楽章が完成、現在は最終となる第三楽章が製作中である。
これも広義には先述の遺族による引継ぎ完結の一種と言える。
音楽の場合、完結作は引退作品や解散コンサート、ラストアルバム、遺作といった形で著されることがほとんど。いかにもラストという風に作られたX JAPAN「THE LAST SONG」のような例もあればTHE YELLOW MONKEYの「プライマル。」ように敢えて明るいいつもどおりの作品であったりとさまざま。しかし、遺作と言う場合で完結する音楽家は死を意識した作品が多くなる(モーツァルト「レクイエム」、尾崎豊「放熱への証」、忌野清志郎「Oh! RADIO」など)。Syrup16gのラストアルバムはその全ての作品が五十嵐隆自身によるバンドの終わりを象徴する完結作といえる作品で、ラストライブでは文字通りの解散曲を新曲として披露し、その模様は十字架を浮かべた棺桶のようなジャケットのDVDに纏められた。(但し、数年後に再結成し、今ではラストアルバムではなくなった)
このほか、大滝詠一は『EACH TIME』というアルバムがアルバム作品としての遺作となったが、これは死の30年前に完成した作品であり、以後大滝が音楽活動をセミリタイアしたことで、以後アルバムが作られなかったために結果として遺作となってしまった作品である(シングルでは「恋するふたり」だが、これも死の11年も前の作品)。後に遺族により発見された音源にて32年ぶりのニューアルバム『DEBUT AGAIN』が製作され、オフィシャルにオリジナルアルバムに位置づけられるが、当然これは本人は関与しておらず、どちらかというとThe Beatlesのアンソロジーシリーズに近い位置づけの作品と言える。
一方で、Mr.Childrenはプロデューサー小林武史との決別作アルバムとなる『Reflection』のラストトラックを「未完」としている。これはこの作品の完成度が歴代最高傑作と成り得たことや、桜井和寿自身の「これが遺作となってもいい」という思いが表れているという。(当然ながら、まだバンドは現存しているので遺作ではない)
そして、ニコニコ大百科はニワンゴが破綻でもしない限りは永遠に未完である。ネバーエンディングとも取れるこの百科事典の最終記事とは何だろう? 果たして、ニコニコ動画や大百科の完結は如何なるものになるのであろうか? 書籍化や巨大アーカイブとしての終了? それとも運営会社の不祥事や倒産?
それは、未来の執筆者の君にかかっている!
全て閉鎖致しました。ご愛顧ありがとうございました。
掲示板
9 ななしのよっしん
2020/04/02(木) 18:50:29 ID: NBzzJxknCa
ダイの大冒険は魔王軍が全滅して、地上に平和が戻ったものの、魔界(地底)側の問題は解決しなかった!
※地上を消して、魔界(地底)に太陽を昇らせようとした。
大魔王バーンの強大な魔力を持ってしても、太陽だけは作れない
それだと地上に住んでる人間の他に、モンスター、竜、三種族にとって地獄になるのも本当
10 ななしのよっしん
2020/05/30(土) 17:54:09 ID: NBzzJxknCa
うしおととらは見事、話としての完結を成し遂げた!
円満終了を見れたのは、あれが初めてかな?
「将太の寿司」→「将太の寿司 全国大会編」で話として完結(巻頭カラーで話としての最終回)
魔神英雄伝ワタル、2ができたのは、大きな人気があったからか!?
自分も好きだったけど!
打ち切りになることなく、適切なタイミングで完結できるのはある意味凄い!
(伝説巨神イデオンは打ち切りになったものの、劇場版・発動篇で完結できた)
11 ななしのよっしん
2020/10/17(土) 21:06:33 ID: Ie3aAUPL9E
完結した作品を掘り返して未完の打ち切りにするのマジで止めて…
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/23(木) 13:00
最終更新:2025/01/23(木) 13:00
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