将太の寿司とは、寺沢大介による料理漫画である。
概要
パイロット版をマガジンSPECIALで掲載後、主に週刊少年マガジンで連載された寿司漫画。
悪辣な大手寿司チェーン店の妨害で母を亡くした小樽で寿司屋を営む一家の長男・関口将太が、北海道を飛び出し東京の名門で修行に励み、寿司職人として成長してゆく姿を描く。
連載中にテレビドラマ化やアニメ化もなされた『ミスター味っ子』と並ぶ作者の代表作の一つ。
やたら泣きだす登場人物や雑学を織り交ぜた長回しの罵倒、ギャグマンガでも看過できないような悪質な妨害行為、異様に口が悪く扇動されやすいモブ、トリップしたかのようなグルメリポートなどが特徴的。
韓国で大ヒットした日本の漫画の一つであり『将太の寿司』を知らないと日本人とは認めてもらえないらしい。
ニコニコ動画においては2018年ごろに静かなブームが起こっていたのか、使いどころが難しいBB素材がいくつか投稿されている。
登場人物
- 関口将太
- 主人公。物語開始時中三。父の代わりにコンテストに出たのを機に中卒で上京。小柄だが三日間寝ずに生姜を剥いたりとタフ。また嵐のなか一人で船を出すなど無鉄砲。経験値は浅いがたぐいまれな才能とチャレンジ精神で寿司職人として急速に成長して行く。
- 小畑慎吾
- 将太より半年早く鳳寿司で勤務を始めた雑用係の先輩にして相棒。通称・シンコ。仕込みなどで手を抜かないマメな性格だが逃げ癖がある。実家は山口県。
- 吾子飛男
- 将太にとって初めての後輩。素行不良で高校を退学になり遊び回っていたところを親に連れられて入ってきた。ジャンクフード好きで細かな味がわからなかったり隠れてタバコを吸ったりと問題行動が目立ったが彼も将太たちと働き始めるうちに職人としての心が芽生え、シンコに次ぐ将太の相棒として活躍するまでになる。
- 鳳征五郎
- 東京の名門・鳳寿司の親方。非常に器の大きい清廉潔白な人物で様々なヒントや「技は見て盗め」という鳳寿司の精神で将太の成長を促す。
- 藤田政二
- 親方を除けば鳳寿司一の古株。通称・大政。ガタイは良いがあそこは小さめ。既婚者であり一人娘を可愛がっている。
- 岡村秀政
- 鳳寿司の十年選手。通称・小政。女好きなノッポ。
- 佐治安人
- 通称・サージェント。初期はプロゴルファー猿のような顔で暴力を振るう嫌みな先輩だったが将太の努力する姿に感化され少しずつだが変わっていった。後にコンクール出場をかけた将太との戦いに敗れ五年勤務していた鳳寿司を離れて武者修行に。全国大会編では京都代表として将太の前に立ちふさがる。
- 富山雅子
- 気風のいい鳳寿司の配膳係。実家は豆腐料理屋を営んでいる。
- 宇崎辰巳
- 将太と同年代ながら築地中にその名を轟かせるサイヤ人王子っぽい髪をした目利きの名人。通称・百目の辰。初登場時から一貫していい人で様々難題に挑む将太に寄り添う。
- 渡辺久美子
- 細い体にふわふわの髪をした将太の同級生。ピアニスト志望であり、ウィーンへ留学したり発表会で直前に作曲したオリジナル曲を披露する才女。
- 笹木剛志
- 大手チェーン店である笹寿司の一人息子。ことあるごとに将太に絡み巴寿司を潰そうとしてくる。
- 笹寿司社長
- 短く固めた髪と冷たい目が特徴的な笹寿司を経営する剛志の父。ドラマ版によると下の名前は「虎雄」。息子以上の外道なのだが経営失敗によるストレスからか韓国編で登場したときは本当に同じ人物かと言うほど腰が低く憔悴した姿で描かれ将太たちを驚かせた。
- 関口源治
- 巴寿司を経営する将太の父親。腕は一級なのだが笹寿司の根回しで碌なネタを仕入れられず生殺し状態から脱するために一心発起して寿司コンテストで優勝を狙うが笹寿司の手がかかった者により乗っていた船が転覆し船体に体を強く打ちつけ一時的に両手が使用不可能な状態となってしまう。
- 溝口安二郎
- 将太が出場した新人寿司コンクールの審査員を務める食通。極上の物を味わうと手を叩く癖があることから柏手の安の愛称で親しまれているが本人は恥ずかしいからあまり連発はしたくないらしい。
- 武藤鶴栄
- 両端を伸ばした口ひげが特徴的な通称・料理人キラー。初期はやたら鳳寿司に恥をかかせようと執着していたが後に将太に課題のヒントを与えたりと少しだが温和になった。
- 前田貴志
- かなりの貧困家庭で育つ父親と将太のことが大好きな少年。
- 貴志の父
- 妻と死別した前田貴志の父。男で一つで息子を育てたりプロの漁師ですら船を出さない大時化のなか一人で理想的な鯛を釣って将太に献上したりと何気に凄いお方。
- 木下藤吉
- イタリア料理店の二階で暮らす将太と同じくらいの体格の米の名人。『将太の寿司2』では海外留学経験を生かした外国人向けのオシャレな寿司屋を経営しており息子も登場する。
- 奥万倉新一
- 将太と同じく新人寿司職人コンクールに出場する大人びた長身の青年。類まれな包丁のテクとそれを生かした細工寿司を得意とする元ヤン。グレていたのにはそれ相応の理由があり、同じく寿司コンクール決勝を争う清水のために即バイクを売って45万確保するなど本作でも屈指の善人なのだがそれ以上に幸が薄いイメージが強い。奥万倉、終わったか⁉
- 清水哲也
- いかにも職人と言った風貌のマグロの達人。登場してしばらくはマグロの買い占めなどで悪役然りとしていたがそれは妹の心臓移植のために大金が必要だったため仕方なく汚れ役に徹しなければいけなかたっためであり、雇い主に切り捨てられたのち将太一行に助けられてからは改心した。ただ先述のように妹の手術費を工面された後も自分が優位なときは煽ったりとやはり癖の強い人物と言える。コンクールでは年の功もあり将太を最も追いつめたと言っていいほどの活躍を見せる。
- 清川流也
- 寿司玄の一枚看板で十歳からツケ場に立つ「牛若丸」の異名を持つ丸顔の職人。握る手の動きが目視できないほどの早握りが最大の武器。
- 清川参治郎
- 「愛宕の天狗」と呼ばれる流也の父。鳳寿司の親方とは浅からぬ因縁…というか参治郎が勝手に拗ねらせてことを大きくしておりそれもあってか息子の対戦相手で鳳寿司代表の将太潰そうと躍起になっている。流也が敗北した際は殴りつけながら「死ね」と連呼するなど作中屈指の人格破綻者。
- 紺屋碧悟
- 隠れ家的な名店碧寿司の二代目。技術は天才的なのだがそれ以上に性格に難があり、笹寿司と遜色ないほどの妨害行為で将太を苦しめた。『将太の寿司2』でも登場するが傲慢な息子の態度に平謝りするほど腰が低くなっていた。
- 切島傀
- 笹寿司が絶対の信頼を置く麻酔針の使い手。実は切島傀自体はすでに死去しており、将太たちが戦う事となるのは自分を切島傀だと思い込んでいる弟の切島由太である。
- 高田早苗
- 元ボクサーという異色の肩書を持つ。さえない見た目に反して本を読み独学で握りを習得するなど天才肌。女っぽい名前のため将太からは一時四包丁の女だと誤認されていた。
- 岩崎民次
- 御年85歳になる全日本寿司協会会長にして全国大会決勝の審査委員長。厳しすぎる修行により若くして視力を失っているがそれゆえか他の感覚は研ぎ澄まされており、特に味覚には絶対の自信を持つ。識味の眉と呼ばれる瞳は普段閉じていて、本当に美味しいものを食べたときに開眼する。
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