強欲で謙虚な壺とは (ゴウヨクデケンキョナツボとは) [単語記事]

強欲で謙虚な壺とは、遊戯王OCGの極めて強欲な謙虚な魔法カードである。

強欲で謙虚なカード

名前	強欲で謙虚な壺
種類	通常魔法カード
効果	自分のデッキの上からカードを３枚めくり、その中から１枚を選択して手札に加え、残りのカードをデッキに戻す。「強欲で謙虚な壺」は１ターンに１枚しか発動できず、このカードを発動するターン自分は特殊召喚する事ができない。
パスワード	98645731

謙虚な概要

強力なドローソース、強欲な壺の調整版ともいえるカード。厳密には「手札に加える」処理の為サーチカードの一種だが、ドローソースと見られることも多い。

発動した瞬間にカードを引ける点や、デッキに対し3枚も干渉できる点が非常に優秀である。使用しただけでは手札の総数は変わらないものの、かなりの確率でキーカードを引くことが可能。

ただしその制約として、同一ターンに複数発動できず、使用ターンは特殊召喚が不可能となる。

が、前者はこのカードを初手で複数枚引いた場合にのみ、厄介になるくらいである。
また後者も、特殊召喚を毎ターン行うようなデッキタイプでなければ、とくに邪魔にならない。
「成金ゴブリン」や「貪欲な壺」と見比べてみると、このカードの発動のし易さやキーカードを引き当てる確率が、いかに高いかが分かる。

総じて、扱いやすく汎用性のある強力なドローソースといえる。非常に腐りにくく癖のないカードであり、特殊召喚を主としない限り、どのようなデッキでも投入が検討されうる。不安定ながらもロマン溢れるファンデッキにも、環境を支配するガチデッキにも、このカードは良質な安定剤として作用するだろう。

とはいえ、このカードにも「マインドクラッシュ」や「ライオウ」などの天敵が存在するほか、序盤で2枚以上来ると機能不全になりやすいといった問題もあるので過信は禁物。また、ほかのサーチカードにもいえることだが、「Ｍ・ＨＥＲＯダーク・ロウ」を出されると非常に苦しくなる。

昨今ではそのターン特殊召喚が不可になるデメリットが痛く、先行制圧を狙うデッキには下記の金満で謙虚な壺や、強欲で金満な壺などが使用されることが多い。

一方で、「ふわんだりぃず」のように通常召還を複数回行うテーマや、自分ターンで特殊召喚しないことが多い「神碑」など環境クラスのテーマで重宝されることが多い。故に、OCG・TCGでは無制限だが、マスターデュエルで2023年 1月10日より準制限カードに指定された。

強欲な価格

そのあまりの使い勝手の良さからか、最近では特殊召喚を頻繁に行う「BF」や「ライトロード」でさえ複数枚投入される傾向にある。当然、特殊召喚をあまり行わない「メタビート」などのデッキには、是非とも3枚投入しておきたい。

こういった背景もあり、このカードのレートの高騰は凄まじいものがある。2011年 8月現在、このカード1枚の価格は2,500円前後を維持している。これでも一時に比べればまだましな方で、時に3,000円を超えることもあった。まるで謙虚さを感じさせない値段である。なお、3枚セットで購入する際、手数料が減る関係か相場は9,000円となっている。同じ「壺」でもどこぞの貪欲な壺とは度量が違う（悪い意味で）。

先述したとおり、どのデッキにも入りうる（邪魔でないなら複数枚いれておきたい）ので、デッキを複数個所持しているプレイヤーの中には、このカードの値段で妥協、あるいは経済的な挫折を経験した者も多いのではないだろうか。

謙虚になる価格

上記のような価格の中、2012年 1月の「ＧＯＬＤＳＥＲＩＥＳ２０１２」（1箱 3000円）に再録されるが、3～2箱に1枚の封入率の為、さほど市場の値段に影響を与えなかった。

同年8月にも「ＴＨＥＧＯＬＤＢＯＸ」（1箱1 200円）で再録されるが、収録カードが今までの「ＧＯＬＤ　ＳＥＲＩＥＳ」のカード全てであるため、（他の収録カードにも同じことが言えるが）実質4箱に1枚の封入率となっている。

だが上記の度重なる再録や、9月の制限改訂にて準制限カードに指定されたためか、市場価格も2000～1500円と全盛期に比べてかなり落ち着いてきた。
そんな中、同年12月発売の「ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ　ＤＥＣＫ－炎王の急襲－」（1箱1050円）にて再録された為、このカードも高嶺の花のような存在ではなくなるだろう。

2013年 9月には制限解除となり、炎王の急襲以外のストラクチャーデッキにも再録されるようになったため、さらに値段が謙虚になった。

謙虚な後継カード

恐らくこのカードと同じく謙虚な部分を受け継いだカードが後年登場した。

金満で謙虚な壺
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はカードの効果でドローできない。
(1):自分のEX デッキのカードから3枚、または6枚を裏側表示で除外して発動できる。
除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中の1枚を選択して手札に加え、
残りのカードを好きな順番でデッキの一番下に戻す。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。

強欲で金満な壺と同じくEX デッキのカードを裏側で除外するコストを持つが、あちらとは違い裏側表示でないカード(ペンデュラムモンスター)も除外対象にでき、ランダムではないので自分が除外するカードを選べ、メインフェイズ1の開始時限定でもない。

効果はと言うと強謙に近く、こちらは6枚除外すればデッキトップから6枚目までのカードをサーチできる。昨今では1枚から初動できるデッキテーマも多く、それらの安定性を高めるために採用されることも多い。
また、相手に与えるダメージが半減するデメリット効果は先行1ターン目ならあまり気にならないし、攻撃し終わった後で発動することもできるため、強金にはないメリットも多い。