有明(列車)とは (アリアケとは) [単語記事]

有明とは、かつて国鉄→JR九州が運行していた特急である。

概要

1967年 10月に運転を開始した特急で、電車化されたのは3年後の1970年 10月。
山陽新幹線博多開業後は山陽新幹線と接続する役割を持ち、博多から熊本・鹿児島方面への旅客輸送を担当していた。

1988年 3月には途中停車駅が鳥栖駅・久留米駅・大牟田駅・熊本駅・八代駅・水俣駅・出水駅・川内駅のみ停車の最速達便1往復の列車名を「スーパー有明」に変更、これは「スーパー」を冠する初めての列車名であった。1990年 3月には前述の「スーパー有明」を含む783系ハイパーサルーン使用車両の列車名を「ハイパー有明」に変更する。

1992年 7月のダイヤ改正後は西鹿児島（現在の鹿児島中央）への列車は「つばめ」の担当となった。これに伴い「ハイパー有明」の列車名は廃止されている。
さらに九州新幹線新八代～鹿児島中央間が開業した後は「リレーつばめ」がメイン列車となった為、「リレーつばめ」の補完と豊肥本線乗り入れの役目を担っていた（※「リレーつばめ」の後ろに「有明」が連結される事がある）。

2011年 3月12日に九州新幹線が博多まで延伸され、山陽新幹線と相互乗り入れを開始した。「有明」は廃止されずに朝と夜の時間帯に新幹線を補完する形で博多駅～長洲駅間（上り2本・下り3本）と博多駅～熊本駅間（上下1本）が設定される事となった。これ以外の「有明」は新幹線に移行する形で運転取り止めとなった。また、門司港駅～博多駅間は「きらめき」が担当する。

九州新幹線全線開業以後は利用者数が低迷し、運転区間短縮、運転本数削減が徐々に行われた。2014年のダイヤ改正では熊本駅発着の1往復を廃止し、長洲駅発着の2.5往復のみとなった。さらに、2018年のダイヤ改正により2往復が削減され、平日朝の上り1本のみの運行となった。それでも状況は好転せず、2021年 3月12日を以て廃止。54年の歴史に幕を下ろした。

九州新幹線輸送障害時の臨時列車

九州新幹線開業以降「有明」はほぼ廃止され、特に博多駅～熊本駅間の特急列車は全廃した。しかし、九州新幹線が何らかの障害で長期的に運休になった時には代替輸送として、博多駅～熊本駅間に鹿児島本線経由で臨時特急が運行されることがある。臨時特急が運行される時は、無名特急若しくは「有明」として運行される。臨時特急が運行されたのは2019年 1月現在で以下の3例が存在する。

2012年 11月12日、熊本駅付近でクレーン車が転倒し、九州新幹線の架線が破断。復旧するまで臨時特急が運行された。
2016年 4月15日、前日の熊本地震前震で熊本駅～熊本総合車両所間で回送中の車両が脱線。在来線は被害がなかったため、臨時特急が運行された。なお16日未明に本震が発生し、在来線も被害を受けたため臨時特急はこれ以降運行されなかった。
2019年 1月3日、熊本県熊本地方を震源とする最大震度6弱の地震が発生。九州新幹線は終日運休となり臨時特急が運行された。

臨時列車運行時は予備の787系、783系が使用される。車両が足りない場合は日中の「きらめき」を運休させて車両を捻出することもあった。

「有明」データ

廃止時のデータ（2018年3月17日～2021年3月12日）

会社：JR九州
運用線区：鹿児島本線
運用区間：大牟田駅→博多駅（平日のみ1本）
使用車両：787系
停車駅：大牟田駅→瀬高駅→羽犬塚駅→久留米駅→鳥栖駅→博多駅
787系編成図

1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車

DX,G│個4 自由席自由席自由席（B）自由席自由席自由席

※DXはDX グリーン席、Gはグリーン席、個4は4人用グリーン個室、Bはボックスシートあり。

過去のデータ

九州新幹線全線開業前（～2011年3月11日）

会社：JR九州
運用線区：鹿児島本線・豊肥本線
運用区間：
門司港駅・小倉駅・吉塚駅・博多駅～熊本駅・水前寺駅・武蔵塚駅・光の森・肥後大津駅（30本）
※内訳：
- 門司港駅←水前寺駅：1本（28号）
- 小倉駅～熊本駅　　：4本（13・21・27号、8号）
- 小倉駅←水前寺駅　：1本（14号）
- 小倉駅←武蔵塚駅　：1本（16号）
- 小倉駅～光の森駅　：10本（5・7・9・11・15号、12・18・20・22・24号）
- 小倉駅～肥後大津駅：2本（19号、10号）
- 吉塚駅～熊本駅　　：2本（17号、4号）
- 吉塚駅←光の森駅　：1本（6号、光の森駅→熊本駅間は普通列車として運転）
- 博多駅～熊本駅　　：4本（25・27・29号、2号）
- 博多駅→武蔵塚駅　：1本（1号）
- 博多駅～光の森駅　：3本（3号、26・30号）
停車駅：
●は全列車停車、△は一部の列車が停車、－は通過。

路線名	鹿児島本線																						豊肥本線
駅名	門司港駅	門司駅	小倉駅	戸畑駅	黒崎駅	折尾駅	赤間駅	福間駅	香椎駅	吉塚駅	博多駅	二日市駅	鳥栖駅	久留米駅	羽犬塚駅	瀬高駅	大牟田駅	荒尾駅	長洲駅	玉名駅	上熊本駅	熊本駅	新水前寺駅	水前寺駅	武蔵塚駅	光の森駅	肥後大津駅
下記以外 [小倉・博多～熊本・水前寺・武蔵塚・光の森・肥後大津]			●	●	●	●	●	－	△	△	●	△	●	●	●	●	●	△	△	●	●	●	●	●	●	●	●
2号 [熊本→博多]											●	－	●	●	－	－	●	－	－	－	●	●
4・17号 [吉塚～熊本]										●	●	△	●	●	●	●	●	●	△	●	●	●	●	●	●	●
6号 [光の森→吉塚]										●	●	－	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	各駅停車
28号 [水前寺→ 門司港]	●	●	●	●	●	●	●	●	－	－	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●
29号 [博多→熊本]											●	●	●	●	●	●	●	－	－	－	－	●

使用車両：787系

編成図

787系4両編成図（下記以外）

1号車 2号車 3号車 4号車

G│指自由席自由席自由席
787系6両編成図（1・5・8・13・16・20・27・28号）

1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車

DX,G│個4 指定席自由席（B）自由席自由席自由席
787系7両編成図（2・17・23・25・29号）

1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車

DX,G│個4 指定席自由席自由席（B）自由席自由席自由席

787系8両編成図（19号）

←肥後大津		小倉→		←熊本		博多→
1号車	2号車	3号車	4号車	5号車	6号車	7号車	8号車
G│指	自由席	自由席	自由席	G│指	自由席	自由席	自由席

787系11両編成図（4号・6号）

（4号）←熊本										吉塚→
（6号）←熊本						吉塚→	←光の森			吉塚→
1号車	2号車	3号車	4号車	5号車	6号車	7号車	8号車	9号車	10号車	11号車
DX,G│個4	指定席	自由席	自由席（B）	自由席	自由席	自由席	G│指	自由席	自由席	自由席

※DXはDX グリーン席、Gはグリーン席、個4は4人用グリーン個室、Bはボックスシートあり。

備考：2010年 3月ダイヤ改正時

九州新幹線開業後から2018年3月ダイヤ改正まで（2011年3月12日～2018年3月16日）

会社：JR九州
運用線区：鹿児島本線
運用区間：
- 吉塚駅←長洲駅（1本、博多駅→吉塚駅間は普通列車として運転）
- 博多駅～長洲駅（4本）
- 博多駅～熊本駅（2本、2014年 3月廃止）
停車駅：
吉塚駅 - 博多駅 - （二日市駅） - 鳥栖駅 - 久留米駅 - 羽犬塚駅 - 瀬高駅 - 大牟田駅 - 荒尾駅 - 長洲駅 - 玉名駅 - 熊本駅
使用車両：787系、783系

編成図

783系4両編成図

1号車 2号車 3号車 4号車

G│指自由席自由席自由席
787系6両編成図

1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車

DX,G│個4 指定席自由席（B）自由席自由席自由席
787系7両編成図（2014年ダイヤ改正以降）

1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車

DX,G│個4 指定席自由席自由席（B）自由席自由席自由席
783系8両編成図

1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車

G│指自由席自由席自由席 G│指自由席自由席自由席

783系8両編成図（2017年ダイヤ改正以降、1～4号車「かもめ 104号」、平日のみ鳥栖駅で連結）

←佐賀駅			吉塚駅→	←長洲駅			吉塚駅→
1号車	2号車	3号車	4号車	5号車	6号車	7号車	8号車
G│自	自由席	自由席	自由席	G│指	自由席	自由席	自由席
かもめ				有明