東京地獄変とは、横山信義の長編小説である。1998年に幻冬舎ノベルスより上下巻の2冊組で刊行された。
1999年5月、中国より放たれた広島型原爆の70倍に相当する水爆を搭載したIRBM(中距離弾道ミサイル)が東京の市ヶ谷を中心に爆発。
爆心地周囲は全て消滅し、壊滅した東京が核の業火に包まれる。
日本政府は全閣僚を失い、会期中だった国会も衆参国会議員を失い、中央官庁も消失し、日本政府はその機能を喪失。
自衛隊の中央指揮系統も部隊も既に喪失していることから、東京周辺から救助のために部隊が侵攻し、
本書は自衛官の視点で物語が描かれていく。
1千万人はいた筈の東京の人々はどうなったのか、救助活動は誰がどのように進めるのか。
首都と政府を失った日本の臨時政府はどうするのか、日本をどのように立て直すのか。
混乱する日本に対して外国の取る行動は。IRBMを撃ち込んだ中国と日本を核の傘で守る筈のアメリカの行動は。
本書は書き下ろし長編パニック小説と銘打たれている。
登場する地名や名所などは全て実名で登場し、壊滅した東京のこれでもかという程の徹底的な描写が見所のひとつであり、その描写に割かれているページ数も膨大である。
また、作者の趣味が反映されているのかオタクに関係のある様々な場所についても壊滅した様子や被災者が悲惨な状況に陥っている描写を徹底的に丹念に描いており、読んでいると泣けてくる。
この国家存亡の危機に動くべき人達やマスコミが救助や再興そっちのけで権力争いに明け暮れる様子は絶望感と共に憤りさえ湧き上がるものである。
外国でさえ危機に乗じて日本を自分に都合よく利用しようということしか考えていないのは、逆にリアリティが感じられる。
本書の救いは、自らの危険を顧みず必死の救助に当たる自衛隊残存部隊の自衛官くらいで、後は総じて鬱になる要素がてんこ盛りである。
このあまりの悲惨極まる描写は色々なところで語り継がれ、このようなシチュエーションの出来事に対して○○地獄変という言い回しを耳にすることもある。
横山信義は東京工業大学出身(大学時代はSF研に所属)で本田技術研究所の勤務を経て、作家として架空戦記ものを多く執筆している。
また、架空戦記コンベンション「IFCON(イフコン)」にも第0回から参加するなど深く関わっている。
主な著作
掲示板
5 ななしのよっしん
2020/04/21(火) 16:05:27 ID: kVR43zIgLP
COVID-19食らった現状が、東京地獄変の世界版に見えて仕方ない。
中国は責任なんぞ取らないだろーし、なあなあで押し切られるわ。
どこかの先進国が信託統治領になるのは流石に無いにしても、他国軍が進駐とかはありそうやな
6 ななしのよっしん
2022/04/03(日) 04:06:34 ID: xoW8L8tb5D
7 ななしのよっしん
2025/10/05(日) 04:14:11 ID: xoW8L8tb5D
ノビーの記事も八八艦隊物語の記事も無いのにこれはあるのかよ!
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最終更新:2025/12/10(水) 23:00
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