甘兎庵(あまうさあん)とは、漫画「ご注文はうさぎですか?」に登場する喫茶店である。
概要宇治松家が経営している和菓子と緑茶・抹茶を主力メニューとしている和風喫茶(甘味処)であり、千夜の実家でもある。赤い壁が特徴的な建物で、店舗である1階は和風の作りになっているのに対し、宇治松家の居住エリアである2階は洋風の作りになっている。店舗の隣には噂の幽霊小屋シャロが住んでいるつつましやかな家がある。
主に店の運営は、千夜の祖母と千夜が担っており、作中で確認できないものの、他にも従業員はいるようである。ただし、千夜と同年代の店員はいない。ココア、リゼが店を手伝ったことはあり、チノも学校の職業体験で働いたこともある。店のマスコットとして黒うさぎのあんこが店舗内にいる。昼間のラビットハウスよりは繁盛しているようで、青山ブルーマウンテンがサボる執筆活動のために頻繁に訪れる店の一つでもある。
店のメニュー名は、千夜の趣味で一見しただけでは何が出てくるのか分からないレベルの奇怪な名前が付けられている。新商品の開発以上にメニュー名には謎のこだわりがあるらしく、青山も協力している。さすがにこれだけだと何が何だか分からないため、初心者のための指南書を作るくらいの良心は持ち合わせている。ちなみに、ココアは初見でいくつか解読できている。また、スイッチを押せば天井に隠されていたミラーボールやカラオケセットが登場する謎のハイテクシステムが搭載されている。
店の制服は緑を基調とした和服で白い割烹着のようなエプロンを着けているが、靴はなぜかブーツ。チノが職業体験で働いていたときは青い制服が支給されていた(本来、幼なじみであるシャロといつか一緒に働きたいと思って千夜が用意していたもの)。
10年前はラビットハウスとはライバル関係にあり、チノの祖父であるラビットハウスのマスターと千夜の祖母は犬猿の仲だった。現在は、両店の跡取り娘である千夜とチノが友人関係にあるため、そういった垣根は取り除かれている。千夜の祖母も孫娘のチノに対しては口は悪いが、親切に接していた。ただし、ティッピーはいまだに根に持っているらしく、勝手に殴り込みをかけようとしていた。
おしながき上記以外にも、千夜月(芋羊羹)、兵どもが夢の跡(特盛りフルーツ白玉ぜんざい)、漢ラムネ、トワイライト・オーシャン、ジレンマ構成型あんみつ、つぶあんとねりあんの非対称性、緑林結晶、白玉炸裂、甘兎式心天(ところてん)、黒曜を抱く桜華(道明寺桜餅)、みぞれ天龍降ろし、翡翠スノーマウンテン(かき氷+白玉+アイスクリーム)、エメラルドの涙(緑茶)がメニューとして存在している。
また、限定メニューとして、小麦色の誘惑(クリスマス限定ターキー)、月光も届かぬ悪霊と兎どもの宴(ハロウィン限定)、月と幽霊かぼちゃの塔(ハロウィン限定栗抹茶パフェ)、かぼちゃ頭の吸血王(ハロウィン限定かぼちゃパンケーキ)が確認されている。
本編の10年前にはラビットハウスとのコラボメニューとしてコーヒーあんみつ、コーヒー羊羹が存在していた。千夜がコラボメニューの復活を提案したことがあったが、千夜の祖母は「あのじじいが化けて出てくるよ」と却下している。
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