高倉健とは (タカクラケンとは) [単語記事]

漫画『ダンダダン』に登場するキャラクターについては「高倉健(ダンダダン)」を参照。

高倉健（1931年 2月16日～2014年 11月10日）とは、福岡県出身の俳優・歌手である。本名は小田剛一。「健さん」の愛称で呼ばれることが多い。

概要

裕福な家庭に生まれる。子供のころは肺が弱く虚弱だったが、中学生時代に終戦を迎えると英語とボクシングに興味を持つようになる。その後貿易商になるために明治大学へ入学。卒業後は就職先がなく一旦は帰郷。1955年に知人のつてで歌手・美空ひばりのマネージャーの面接を受けるために東映の撮影所付近にある喫茶店に来ていたら、偶然その場にいた映画プロデューサーと出会い、東映に入社をする。

1956年に映画デビュー。多くの映画に主演するものの全くヒット作が出ず、当時婚姻関係にあった江利チエミに役者としてのランクが大きく劣っていたことに悩んでいた

1963年にプロデューサーの俊藤浩滋氏の誘いにより「日本侠客伝」に主演するやこれが大ヒット作となり、高倉健は任侠映画の看板スターとなった。これ以降も「網走番外地」シリーズや「昭和残侠伝」シリーズに主演し、主題歌も担当して大ヒットを飛ばしている。

1973年に「仁義なき戦い」が大ヒットすると、東映はそれまでの「任侠路線」から「実録路線」に舵を切り、高倉健は社内で徐々に冷遇されるようになっていった。1975年に主演した「神戸国際ギャング」で恩人の俊藤プロデューサーと仲違いし、ついに翌年東映を退社した。

フリー転向後の初主演作品である「君よ憤怒の河を渉れ」は文化大革命後の中華人民共和国で公開された初めての外国映画となり、高倉健は中国における代表的日本人となった。

主な出演作品は「三代目襲名」、「新幹線大爆破」、「幸福の黄色いハンカチ」、「南極物語」、「鉄道員」、「あなたへ」、「八甲田山」、「ブラック・レイン」など。

義理がたく、人情が厚く、筋を通す、礼儀正しい人物として知られ、すべての共演者に挨拶を忘れず、監督やプロデューサーをはじめ、若い新人俳優やスタッフにも必ず立ち上がり、丁寧にお辞儀して敬意を払う人物として知られ、慕っている俳優が多い。特に俳優・石倉三郎も高倉の人柄に惚れて、芸名に「倉」の一文字を使っている程でもある。また、1980年から1985年には三菱自動車の乗用車・ギャランのイメージキャラクターを担当をしていた時は、自らの愛車もギャランにする程でもあったという。

「網走番外地」以来のイメージか寒冷地を舞台とする映画によく主演しており、「幸福の黄色いハンカチ」「遥かなる山の呼び声」「駅 STATION」「鉄道員」は北海道、「海峡」は津軽海峡、「八甲田山」は青森、「南極物語」に至っては北極・南極の両極地でロケが行われた。このため「日本一吹雪が似合う男」といった形容がされることもある。ただし本人は温暖な九州の出身ということもあり寒いのは苦手で、「世界で一番好きな場所はハワイ」と言うほどであった。